短編
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roll roll roll
「ラビの手ってさぁ、パン作るの上手そうだよね」
「…はぁ?」
ラビの手を触りながら思わず言ったら変な顔をされてしまった。少し皮の厚い手のひらは今までの旅の道のりを思わせる。この大きくてあったかい、使い込まれた手が大好きだ。この手でパンを捏ねたらさぞ美味しかろう。
ラビの左手を捕まえてにぎにぎやっていたら、ノーマークの右手が横からやってきて頬を摘まれた。手のひらで捏ねるようにもちもちやられて、逃げたらいつの間にかあたしの手から抜け出した左手にいとも簡単に転がされる。抵抗する気もないけど、なんとなくじたばたしたら後ろから抱きしめられた。
「きゃーーー」
「まぁ、***を捏ねるのは上手いかも…」
「あ、ぅ」
下腹部あたりを撫でられて背中がぞくりとする。困ったことに、ラビはあたしを悦ばせる触り方しかしない。体を重ねるうちに何でも記録する癖でそんなことまで覚えてしまって、大事な記憶容量をそんなことに使わないでほしい、と言ったことがあるけどこれは大事なことだと怒られた。そのおかげで、いやそのせいでラビにならいつどこを触られたってその気になれる体になってしまったんだけど。そんなに都合良くないんだから…とか思っている間にも、ラビの手はあたしの体を最短距離で解していく。
首元にキスを落としながら胸の曲線に沿って優しく下から上へ、まるで形を整えるように手のひらが滑る。小鳥の頭を撫でるような繊細さで触られていると、チョコレートが溶けるみたいにどんどん力が抜けてしまう。恋人からこんなふうに触られて抵抗できる人間はそういないだろう。ラビはくたりとしたあたしの頭に手を添えて、壊れ物みたいに丁寧に寝かせてくれる。キスに夢中になっているうちに胸にあった手が下に降りてきて、ウエストをなぞって脚を撫で始めた。スカートの中に手を入れて内腿を直に触られたら本格的にそういう雰囲気になってきて、少し掠れた声で名前を呼ばれる。いつもならとっくに頷いているけど、こんなに簡単に籠絡されてしまうのはちょっとだけ悔しかった。
「***、いい…?」
「…まだ」
「えー?なんでー?」
すごく素っぽい声にちょっと笑ってしまった。確かにこのぐずぐずの体では説得力が全くない。あたしが笑ったことにラビが訝しげな目を向けてくる。だってあたしは一度もNOのサインなんか出してないし、ラビもそれがよくわかっている。
「…もうちょっと、その気にさせて…?」
「…は、」
慣れないことをしてちょっと恥ずかしかったから、顔を見られないようにすぐキスで誤魔化した。長いキスのあとラビの顔をちらりと見たら、その目は駆け引きの始まりに爛々としていた。さっきまでどこまでも優しかったのに、獲物を前にして舌舐めずりでもしそうなほどギラついた目をするラビに背筋がぞくりとした。もちろん、期待感で。
「ふーん…その気に?させてほしいの?」
「う、うん…」
「体熱くて力も入らなくて、顔も蕩けて、可愛い声しか出てないけど…これ以上何が必要かなぁ?ん?」
「あ、えっと…ん…?」
「んー?」
改めて言われると、ここまで全身で受け入れておいてダメなわけがない。でもひとつ大事なことが抜けていて、首を傾げたらラビも同じように首を捻る。
片脚をぐいと引っ張られて、ラビに抱きつくような形で乗せられた。逃げられないように固定されたと気付いたのは、その脚を伝った手がお尻まで伸びて下着の上から割れ目に沿うように撫でられてからだ。すっかりスカートは捲れ上がっているけどそれはもはや気にするところじゃない。脚を閉じようと引っ張ったけど捕まえられてもうダメだった。何より、体はもう骨抜きにされている。
「あしかえしてー」
「だーめ。大事なとこ確かめてみよっか?」
「う…ぁ、んっ」
指が下着の隙間から入ってきて、案の定軽く当てられた指の腹がぬるりと滑る。思ったより濡れていたことが恥ずかしくて顔を見られないようにラビの首元に引っ付いたら、満足げな声が聞こえた。完全に弄ばれている。
「あれ、ここもこんなにとろとろ」
「んー…」
「ねぇ、あと何が足りないの」
「ふ、ぅ…」
あったかい指がすっかり充血したそこの表面を行き来する。ゆるゆると焦ったい弱さと速度で撫でるようにしばらく擦られて、もっと欲しいと思ったのに下着から指が出ていってしまった。待っていても下着の上からお尻や太腿を撫でるだけでなかなか触ってもらえなくて、引っ掛けた脚を使ってできるだけラビにくっついて必死に耐えてみたけどもう無理だった。あたしは、あたしの体はこの駆け引きには向いてない。
「んー…らび、さわって…」
「あれ、まだその気じゃないんじゃないの?」
「んーん、もう、なった、なってた」
「えー?どういうこと?」
キスは普通にしてくれるから、それだけでもたくさん欲しくて顔を近づけて甘える。何度もキスしながら途切れ途切れに言葉を発音した。
「ラビのこと大好き、だから、触られたらすぐ気持ちよくなっちゃうの…」
「ふふ、なーんだぁ。じゃあずーっとその気だったってこと?***ちゃん」
「うん…」
「ふーん?」
優しい声で名前を呼んでくれて、優しくキスしてくれて、撫でてくれる手が気持ちいい。でもいつもの優しいのとちょっと雰囲気が違う。顔をじっと見て、怒ってるのかと思ったけどそうでもない。これはたぶんあれだ、なんていうか。
プレイの糸口を探されている。
ラビがあたしの悦ぶことを覚えてくれたように、あたしもいくつかはラビの好きな攻め方を覚えている。ラビはねちっこくじわじわ攻めるのが大好きだ。なんともタチが悪いけど、たぶん観察するのが好きなんだろう。ラビらしいけど。今ラビの頭の中にはプレイの台本が出来ていて、あたしの言動のどこからそこに引き摺り込んでやろうかと狙っているのだ。切り抜けられる可能性としてはシンプルに、素直で可愛く。
「ラビ、ごめんなさい…怒ってる?」
「んーん、怒ってないよ」
「あのね、すぐぐずぐずにされちゃうから、悔しかったの…」
「ふーん…?」
「ねー、さわって?」
上目遣いの甘え声でちょっと絆されてきたように見える。上に乗っかってキスをしたらラビの手が頭から背中を撫でてお尻を掴み、中心に手が伸びそうになったところで急に上下をひっくり返された。
「あっぶねぇ可愛くて絆されるとこだったさ…」
「もうちょっとだったのに…」
「え?なんて?」
ラビがにっこり笑う。しまった、爪を立てられた。
「***ちゃん、嘘つくのはいい子?悪い子?」
「わるい、こ」
「そうだよねぇ」
下着の中に手が伸びる。触ってもらえたのが嬉しくてすぐ脚を開いてしまったのがちょっと恥ずかしい。緩急をつけながら強すぎず弱すぎずあたしの好きな触り方で中も外も擦られて、ラビの服を握って絶頂を待ち構えていたのに寸前で止められた。昂りが何処へも行けず身を捩る。服を引っ張ってぐずったらラビが何とも楽しそうに笑った。
「やぁ、らび…」
「だーめ。…続きはお仕置きが終わってからね?」
「ん〜〜〜…う、ん…」
まんまと頷かされて、あとはされるがままになるしかない。大好きな手で弄ばれることに少しだけ期待しながら、腕を伸ばしてキスをねだった。
───────────────────────
妙にツヤツヤした顔でいるラビの肩に頭を乗せて密着する。何だかんだで結局気持ちよくさせられてしまった。労わるように腰を撫でられて、そのままお尻の形を整えるように揉まれる。
「そういや、捏ねる話からこうなったんだったさ…」
「手が好きって言っただけなのに…」
「…それよく言うけど何がそんなに良いかね」
ラビが上にかざす手を一緒に眺める。ラビには何でもない自分の手でも、あたしからしたら永遠に見ていられる彫刻みたいだ。
「…ラビに、ひっついてるから好き…」
「…く、ふふっ…」
笑われた。本気なのに。一頻り笑ってまた抱きしめられる。優しい目で見つめられてまた溶けてしまいそうだった。触れられたところが全部熱い。
「オレも、***ならぜーんぶ好きさ」
キスしながらラビが全部ほしくて、ラビに全部あげたくて、脚を絡ませてぴったりとくっついた。
(あら〜アンタパン捏ねるの上手いわね。定期的にバイトする?)
(オ、オレにこんな才能が…?!)
(えーラビだけずるい!僕も雇ってください!)
「ラビの手ってさぁ、パン作るの上手そうだよね」
「…はぁ?」
ラビの手を触りながら思わず言ったら変な顔をされてしまった。少し皮の厚い手のひらは今までの旅の道のりを思わせる。この大きくてあったかい、使い込まれた手が大好きだ。この手でパンを捏ねたらさぞ美味しかろう。
ラビの左手を捕まえてにぎにぎやっていたら、ノーマークの右手が横からやってきて頬を摘まれた。手のひらで捏ねるようにもちもちやられて、逃げたらいつの間にかあたしの手から抜け出した左手にいとも簡単に転がされる。抵抗する気もないけど、なんとなくじたばたしたら後ろから抱きしめられた。
「きゃーーー」
「まぁ、***を捏ねるのは上手いかも…」
「あ、ぅ」
下腹部あたりを撫でられて背中がぞくりとする。困ったことに、ラビはあたしを悦ばせる触り方しかしない。体を重ねるうちに何でも記録する癖でそんなことまで覚えてしまって、大事な記憶容量をそんなことに使わないでほしい、と言ったことがあるけどこれは大事なことだと怒られた。そのおかげで、いやそのせいでラビにならいつどこを触られたってその気になれる体になってしまったんだけど。そんなに都合良くないんだから…とか思っている間にも、ラビの手はあたしの体を最短距離で解していく。
首元にキスを落としながら胸の曲線に沿って優しく下から上へ、まるで形を整えるように手のひらが滑る。小鳥の頭を撫でるような繊細さで触られていると、チョコレートが溶けるみたいにどんどん力が抜けてしまう。恋人からこんなふうに触られて抵抗できる人間はそういないだろう。ラビはくたりとしたあたしの頭に手を添えて、壊れ物みたいに丁寧に寝かせてくれる。キスに夢中になっているうちに胸にあった手が下に降りてきて、ウエストをなぞって脚を撫で始めた。スカートの中に手を入れて内腿を直に触られたら本格的にそういう雰囲気になってきて、少し掠れた声で名前を呼ばれる。いつもならとっくに頷いているけど、こんなに簡単に籠絡されてしまうのはちょっとだけ悔しかった。
「***、いい…?」
「…まだ」
「えー?なんでー?」
すごく素っぽい声にちょっと笑ってしまった。確かにこのぐずぐずの体では説得力が全くない。あたしが笑ったことにラビが訝しげな目を向けてくる。だってあたしは一度もNOのサインなんか出してないし、ラビもそれがよくわかっている。
「…もうちょっと、その気にさせて…?」
「…は、」
慣れないことをしてちょっと恥ずかしかったから、顔を見られないようにすぐキスで誤魔化した。長いキスのあとラビの顔をちらりと見たら、その目は駆け引きの始まりに爛々としていた。さっきまでどこまでも優しかったのに、獲物を前にして舌舐めずりでもしそうなほどギラついた目をするラビに背筋がぞくりとした。もちろん、期待感で。
「ふーん…その気に?させてほしいの?」
「う、うん…」
「体熱くて力も入らなくて、顔も蕩けて、可愛い声しか出てないけど…これ以上何が必要かなぁ?ん?」
「あ、えっと…ん…?」
「んー?」
改めて言われると、ここまで全身で受け入れておいてダメなわけがない。でもひとつ大事なことが抜けていて、首を傾げたらラビも同じように首を捻る。
片脚をぐいと引っ張られて、ラビに抱きつくような形で乗せられた。逃げられないように固定されたと気付いたのは、その脚を伝った手がお尻まで伸びて下着の上から割れ目に沿うように撫でられてからだ。すっかりスカートは捲れ上がっているけどそれはもはや気にするところじゃない。脚を閉じようと引っ張ったけど捕まえられてもうダメだった。何より、体はもう骨抜きにされている。
「あしかえしてー」
「だーめ。大事なとこ確かめてみよっか?」
「う…ぁ、んっ」
指が下着の隙間から入ってきて、案の定軽く当てられた指の腹がぬるりと滑る。思ったより濡れていたことが恥ずかしくて顔を見られないようにラビの首元に引っ付いたら、満足げな声が聞こえた。完全に弄ばれている。
「あれ、ここもこんなにとろとろ」
「んー…」
「ねぇ、あと何が足りないの」
「ふ、ぅ…」
あったかい指がすっかり充血したそこの表面を行き来する。ゆるゆると焦ったい弱さと速度で撫でるようにしばらく擦られて、もっと欲しいと思ったのに下着から指が出ていってしまった。待っていても下着の上からお尻や太腿を撫でるだけでなかなか触ってもらえなくて、引っ掛けた脚を使ってできるだけラビにくっついて必死に耐えてみたけどもう無理だった。あたしは、あたしの体はこの駆け引きには向いてない。
「んー…らび、さわって…」
「あれ、まだその気じゃないんじゃないの?」
「んーん、もう、なった、なってた」
「えー?どういうこと?」
キスは普通にしてくれるから、それだけでもたくさん欲しくて顔を近づけて甘える。何度もキスしながら途切れ途切れに言葉を発音した。
「ラビのこと大好き、だから、触られたらすぐ気持ちよくなっちゃうの…」
「ふふ、なーんだぁ。じゃあずーっとその気だったってこと?***ちゃん」
「うん…」
「ふーん?」
優しい声で名前を呼んでくれて、優しくキスしてくれて、撫でてくれる手が気持ちいい。でもいつもの優しいのとちょっと雰囲気が違う。顔をじっと見て、怒ってるのかと思ったけどそうでもない。これはたぶんあれだ、なんていうか。
プレイの糸口を探されている。
ラビがあたしの悦ぶことを覚えてくれたように、あたしもいくつかはラビの好きな攻め方を覚えている。ラビはねちっこくじわじわ攻めるのが大好きだ。なんともタチが悪いけど、たぶん観察するのが好きなんだろう。ラビらしいけど。今ラビの頭の中にはプレイの台本が出来ていて、あたしの言動のどこからそこに引き摺り込んでやろうかと狙っているのだ。切り抜けられる可能性としてはシンプルに、素直で可愛く。
「ラビ、ごめんなさい…怒ってる?」
「んーん、怒ってないよ」
「あのね、すぐぐずぐずにされちゃうから、悔しかったの…」
「ふーん…?」
「ねー、さわって?」
上目遣いの甘え声でちょっと絆されてきたように見える。上に乗っかってキスをしたらラビの手が頭から背中を撫でてお尻を掴み、中心に手が伸びそうになったところで急に上下をひっくり返された。
「あっぶねぇ可愛くて絆されるとこだったさ…」
「もうちょっとだったのに…」
「え?なんて?」
ラビがにっこり笑う。しまった、爪を立てられた。
「***ちゃん、嘘つくのはいい子?悪い子?」
「わるい、こ」
「そうだよねぇ」
下着の中に手が伸びる。触ってもらえたのが嬉しくてすぐ脚を開いてしまったのがちょっと恥ずかしい。緩急をつけながら強すぎず弱すぎずあたしの好きな触り方で中も外も擦られて、ラビの服を握って絶頂を待ち構えていたのに寸前で止められた。昂りが何処へも行けず身を捩る。服を引っ張ってぐずったらラビが何とも楽しそうに笑った。
「やぁ、らび…」
「だーめ。…続きはお仕置きが終わってからね?」
「ん〜〜〜…う、ん…」
まんまと頷かされて、あとはされるがままになるしかない。大好きな手で弄ばれることに少しだけ期待しながら、腕を伸ばしてキスをねだった。
───────────────────────
妙にツヤツヤした顔でいるラビの肩に頭を乗せて密着する。何だかんだで結局気持ちよくさせられてしまった。労わるように腰を撫でられて、そのままお尻の形を整えるように揉まれる。
「そういや、捏ねる話からこうなったんだったさ…」
「手が好きって言っただけなのに…」
「…それよく言うけど何がそんなに良いかね」
ラビが上にかざす手を一緒に眺める。ラビには何でもない自分の手でも、あたしからしたら永遠に見ていられる彫刻みたいだ。
「…ラビに、ひっついてるから好き…」
「…く、ふふっ…」
笑われた。本気なのに。一頻り笑ってまた抱きしめられる。優しい目で見つめられてまた溶けてしまいそうだった。触れられたところが全部熱い。
「オレも、***ならぜーんぶ好きさ」
キスしながらラビが全部ほしくて、ラビに全部あげたくて、脚を絡ませてぴったりとくっついた。
(あら〜アンタパン捏ねるの上手いわね。定期的にバイトする?)
(オ、オレにこんな才能が…?!)
(えーラビだけずるい!僕も雇ってください!)