短編
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「... ***」
「ん...」
ラビが優しく名前を呼んで、見上げたら柔らかいキスを落とされる。大きな手が頭の後ろを支えて、優しくベッドに寝かされた。すごく大事にされているみたいで、あたしはこの仕草が大好きだ。もっと抱き締めてほしくて腕を伸ばしたら、ラビが変な声を出して固まった。
「...ラビ?」
「...ごめん、切らしてた」
「なにが?」
「...ゴム」
「...あ!忘れてた」
そういえば、前回お家デートした時になくなったのを忘れていた。買っておくと言っていたけどラビも忙しかったらしい。あって困るものでもないからあたしも今日ラビの家に来るまでに買ってこようと思っていたのに、遅刻しそうになってドラッグストアに寄るのをすっかり忘れていた。そして遅刻もした。いろいろと申し訳ない。
「...買ってくるさ、待ってて」
この時間に開いているところといえば、少し歩いたところにある雑貨屋だろう。ちょっと遠いし、一人で行かせてのんびり待っているのも気が引ける。
「待って、あたしも行く」
「いいって、ゆっくりしてて」
「やだ、行く」
あたしもベッドから降りてバッグを手に取った。すぐ側にあったラビのカーディガンを羽織る。ちょっと大きいけど、これを着て横にいればどこからどう見てもラビの彼女だ。もう玄関にいるラビのところに慌てて駆け寄ってあたしも靴を履く。
「あ、それオレの...」
「だめ?」
「しょーがないなー...行こっか」
ずるいとわかっているけど、わがままを言う時はちょっとあざとい格好をするに限る。鍵を締めて、繋がれるのを待っている大好きな手に指を絡めた。
―――――――――――――――――――――――
面白おかしいポップやわけのわからない値札に気を取られながら、狭い通路を進んで奥まった場所にあるコーナーで立ち止まる。いつも使っているパッケージが見えて安心した。
「せっかくだからまとめ買いしとく?」
「んー...そうだな...」
何だか歯切れが悪い。完全にイメージだけど、ビデオ屋の18禁コーナーにいる男子高校生みたいに居心地が悪そうだ。なんでだろう。すぐ横にローションとかオナホがあるからだろうか。ラビは何となくソワソワしているし肩身が狭そうだけど、あたしは逆にラビがいることで安心してここにいられる。一人では絶対手に取らないであろう商品の説明文とかを読んでみたけど、これがいい商品なのかどうかは伝わらない、キャッチーな言葉ばかり並べた文面でちょっと辟易した。誰のための何の道具なのかさっぱりわからなくて、パッケージのセクシーなお姉さんと見つめ合った。
「ねーラビ、どうする?」
「え、あ、何が?」
「だから、まとめ買いする?」
「あー、うん」
「あ、せっかくだからいろんなの買って比べてみる?」
「...マジ?***、こういうの興味ある...?」
意外そうに聞いてくる。こういうのとはまさしくゴムとかおもちゃとか、セクシーな下着のことだろう。そういえば、ラビから持ちかけられたら受け入れるけど、あたしからこういうものに手を出したことはない。興味がないと言えばないんだけど、ラビがしたいなら試してみてもいいと思っている。そんなことを伝えたら、ちょっと考えた後、内緒話でもするみたいに顔を寄せてきた。
「こういうの、とかは...?」
ラビが目の前にあるものを指差す。そこにあるのはバイブとかローターとか、いわゆるおもちゃ。よくあるあからさまな形のものから、机の上に放っておいても気付かれなさそうなデザインのものまでいろいろある。まじまじと見たのは初めてで、こんなにバリエーションがあるとは知らなかった。ちょっとドキドキしながら、何故か小声になって商品棚を真剣に眺めた。
「うーん...ラビは...?」
「オレは...これかな」
「えー、ちょっとゴツいかな...これは?」
「これかー...これなら...いい?」
「...なにが?」
「何がって...その...使っても...?」
「...う...うん...」
あんまりあからさまでなく、かといって完全に隠す気もない、みたいな絶妙なデザインのバイブ。頷いたら、ラビがちょっとだけ嬉しそうな顔をした。なくても全く困らないものをこうやって真剣に選んでいるのはすごく滑稽で、恥ずかしくて、ちょっとわくわくする。ゴムは品揃えの関係であまり選べるものはなかったけど、冒険するものだと思っていなかったからちょっと楽しみだ。
「...じゃ、買ってくるから待ってて」
「ん?なんで?」
「...いや、その...こういうのは男に任せてほしいっていうか...」
「でも、二人で使うし」
「...お願い、ね?」
「うん...?じゃあ、そのへん見てる...」
わかるような、わからないような。ちょっと真剣な顔でお願いされてしまったので、大人しく他の商品でも見て待つことにする。もちもちのぬいぐるみを一心不乱に押していたら、ラビが買ったものを提げて戻ってきた。
「ありがと」
「ん、帰ろっか」
「んー...ラビ、これ...」
無限に押し出せる枝豆のキーホルダーを指差したら、何の意味があると呆れられた。枝豆を食べていないのに枝豆を押し出したい時に使うに決まっている。名残惜しげに見ていたら、ちょっと強めに抱き寄せられた。
「...おもちゃは、もう買ったでしょ」
ラビがちょっと照れていて、あたしも恥ずかしくなってきた。二人で選んで、これから一緒にエッチなことをするんだと思ったら、なんか嬉しい。
「...うん、あそぼ、いっぱい」
―――――――――――――――――――――――
「っ...はー...、はー...」
「***、気持ちいいね...」
「ん...ラビ、すき...」
「うん、だいすき... ***」
ラビが優しく頭を撫でてくれて、上がり切った息が少しずつ整っていく。溶けたあたしの中からぬるりとラビが出て行って、ぱちんと音が聞こえる。温感ジェルのついたゴムでするのはあったかくてすごく気持ちよくて、いつもより濡れてしまった。一応敷いたバスタオルは役に立っているらしい。温まった体はもっとラビが欲しくなって、横に転がっているのにひっついたら困ったように笑われた。なんだかいつもよりぐったりしている気がする。獣みたいに腰を振っていた一瞬前の姿を思い出してどきりとした。
「...ちょーっと待ってね、***ちゃん」
「ごめん...大丈夫?」
「うん、すーげぇ気持ちよかった... ゴムひとつでこんな変わるんだな...」
「ねー...」
「蕩けちゃって、可愛い...あ」
ラビが怠惰に腕だけ伸ばして、買い物袋から箱を一つ取る。お腹の上で開封していくのをぼんやり眺めた。手のひらサイズのペラペラな説明書を一生懸命読んでいるのがなんか面白い。
「なんか大事なこと書いてある?」
「いや...でも、***の体に使うんだから一応...」
「ラビが使ってもいいんだよ?」
「...え?」
「ん?」
「お...うん、あー... ***が...したいなら...」
「いや、別に...」
「えー?...使ってみて、いい...?」
「...うん」
一度ウェットティッシュで軽く拭いて、持ったままスイッチを入れる。まさしく機械という感じの無機質なモーター音にちょっとだけ怯んだけど、ラビが頭を撫でてくれて少し安心する。お互いのお腹や太腿に当てて戯れ合った後、ラビがやけに真剣な顔をした。
「...当てるよ?」
「うん...」
「痛かったらすぐ言って」
「うん」
優しいキスの後、軽く先端が触れた。指で触るのと同じように、ゆっくり割れ目をなぞるみたいに動かされる。初めての刺激で、これがいいのか悪いのかはよくわからない。
「痛くない?」
「いたく、ない...あっ...でも、ちょっと、つよい...」
「振動?」
「ちがっ...あ、てかた...」
「...これくらい?」
「ん...っ、ひ、あっ!」
「なに、痛い?!」
一瞬、貫かれたような快感が走った。悲鳴みたいな声を出してしまったから、ラビが慌ててスイッチを切った。危険なものか何かのように変な位置で腕を彷徨わせているのが少し面白い。
「ちがう...きもち、よかった...」
「え、ほんと?」
「あの...えと...ここ...」
すごく恥ずかしかったけどちゃんと言わなきゃ駄目だと思って、でも言葉にはできないから自分で脚の間に指を這わせる。それだけでラビはわかったみたいで、頷いてくれた。電源を落としたままのもので少し擦られて、普通に触られるだけで気持ちいい場所なのに更に刺激を強めるなんて、いけないことをしているみたいな気持ちになる。
「ここ、いいんだ?」
「うん...さっきの...当てるだけくらいのが、気持ちいい」
「わかった...もっかい、してもいい?」
「うん」
ちょっと怖いけど気持ちよかったのは確かだし、ラビが優しく抱き締めてくれるからしてみようと思った。ラビは何度も確認してくれて、さっきと同じくらいの強さで突起に先端が触れた。背中がしなって、体の自由がきかなくなる。抱き着きたいのにうまく力が入らないし、口から勝手に出てくる喘ぎ声が恥ずかしい。ラビの手を必死に掴んで快感に耐えた。
「... ***、やめる?」
「やっ...やめ、ないで、きもちっ...んっ、ふ、あぁっ」
「うん、わかった」
とにかく気持ちよくて訳がわからないけど、もっと気持ちよくしてほしい。ラビが耳元に唇を寄せて、少し低い声で囁いた。
「イっていいよ、***」
すごく叫んだような気がするのに、気付いたらすごく静かだった。モーター音が止まっていて、ラビがあたしを覗き込んでいる。息苦しくて、心臓が耳から出そうなほど脈打っていた。
「... ***、大丈夫...?」
「はー...っ、ん...だい、じょぶ...」
「...タオル敷いといてよかったな...すげー...」
ラビが手と胸のあたりを拭うのを見て、何となく察した。恥ずかしい。すごく恥ずかしい。
あとすごく、ラビが欲しい。
「...ラビ...ほしい、」
「...うん、ゴム、どれがいい?」
「ラビが、いちばん、わかるの」
「もー可愛い...オレも、***のこといっぱい感じたいな」
少しのビニール音の後、硬いものが当てられた。あんなにぐったりしてたのに、もうこんなに元気になってしまったのかとドキドキする。軽く揺らされただけで、蕩けきったそこは何の苦もなくラビを受け入れた。さっきとはまた違う、ラビ自身の温もりが伝わる感じが気持ちいい。挿れたまましばらく抱きしめ合った。
「あー、とろっとろ...オレ、溶かされちゃうかも」
「や...」
「...これ好きだもんね、***ちゃんは」
「あ、んんっ」
揶揄うように揺すられて、しっかりしがみついた。ゆったりねっとりした腰使いで優しく中を擦るのと、少し乱暴に奥を突かれるのとを繰り返す。
「...ね、どっちが好き?これと...」
「あ、ん、んっ...ふ...」
「っ...こ、れっ...」
「あんっ!あ、あぁっ」
選べるわけないし、どっちも好きなのをわかっていて聞いてくるラビが意地悪で、大好きで、精一杯抱き着いて甘えた。ラビが動くのをやめて、優しく抱き締めてくれる。あったかくて、それだけで幸せな気分になる。
「***、ちょっと、こっち」
「ん...?」
挿れたまま片脚を抱えられて、後ろから抱き締められる形になる。寝る時によくやる体勢と同じなのに中はまだラビがいて、ちょっと変な気分だった。お腹に手を添えられて、軽く揺すられるだけで気持ちいい。
「***の中、挿れてるだけで気持ちいい...」
「ん...」
「ずっとこのままでいる?」
「...やだ」
「ふふ、冗談...可愛い、***」
「ラビ...うしろから、したい」
「ん、いいよ」
ラビが腰を支えてくれて、挿れたままうつ伏せになる。穏やかなのも大好きだけどそれが続くと激しくされたくなってきて、ちょっと腰を揺らしたらしょうがないなと笑われた。たぶんラビは、意外と穏やかなのが好きなのだ。それでも全力で甘やかしてくれるラビが大好きで、覆い被さってくる腕にキスをした。一呼吸置いて、背中から頭まで突き抜けるように激しく突かれてちょっとびっくりする。見えないけど、嬉しそうな顔をしているのはよくわかった。
「激しいの好きさ、***は」
「んっ...はぁ...ラビ、は...?」
「んー...オレで***が、めちゃくちゃになってんのはイイ、かな」
「あんっ、ふ...あたし、も」
「ん?」
突かれながら、キスを求めて首を伸ばす。唇にも頬にも優しいキスが落ちてきて、嬉しくなった。
「ラビが興奮してるの、見るの...好き」
「...可愛い、***」
ラビがまた動きを止めて、挿れたまま器用にあたしの体を転がす。また向き合う形になって、正直これで終わると思っていたからまだ持つのかと驚いた。しっかり目を合わせるとそんな考えも筒抜けになってしまうのか、ラビがあやすみたいに優しく頭を撫でてくる。腰をゆるく動かしながらさっき放り投げたバイブを手に取って、思わせぶりに胸の頂点をつついた。
「いっぱい、あそぶんでしょ?」
大好きな人にそんな楽しそうな顔をされたら、受け入れないわけがない。頷いて、もうどうにでもしてほしいと言うかわりに、胸に添えられた大きな手に指を重ねた。
(これ気持ちよかったね、明日どれ使う?)
(そうだなー...ふふ)
(なに?)
(明日もいっぱい遊ぼうね、***)
「... ***」
「ん...」
ラビが優しく名前を呼んで、見上げたら柔らかいキスを落とされる。大きな手が頭の後ろを支えて、優しくベッドに寝かされた。すごく大事にされているみたいで、あたしはこの仕草が大好きだ。もっと抱き締めてほしくて腕を伸ばしたら、ラビが変な声を出して固まった。
「...ラビ?」
「...ごめん、切らしてた」
「なにが?」
「...ゴム」
「...あ!忘れてた」
そういえば、前回お家デートした時になくなったのを忘れていた。買っておくと言っていたけどラビも忙しかったらしい。あって困るものでもないからあたしも今日ラビの家に来るまでに買ってこようと思っていたのに、遅刻しそうになってドラッグストアに寄るのをすっかり忘れていた。そして遅刻もした。いろいろと申し訳ない。
「...買ってくるさ、待ってて」
この時間に開いているところといえば、少し歩いたところにある雑貨屋だろう。ちょっと遠いし、一人で行かせてのんびり待っているのも気が引ける。
「待って、あたしも行く」
「いいって、ゆっくりしてて」
「やだ、行く」
あたしもベッドから降りてバッグを手に取った。すぐ側にあったラビのカーディガンを羽織る。ちょっと大きいけど、これを着て横にいればどこからどう見てもラビの彼女だ。もう玄関にいるラビのところに慌てて駆け寄ってあたしも靴を履く。
「あ、それオレの...」
「だめ?」
「しょーがないなー...行こっか」
ずるいとわかっているけど、わがままを言う時はちょっとあざとい格好をするに限る。鍵を締めて、繋がれるのを待っている大好きな手に指を絡めた。
―――――――――――――――――――――――
面白おかしいポップやわけのわからない値札に気を取られながら、狭い通路を進んで奥まった場所にあるコーナーで立ち止まる。いつも使っているパッケージが見えて安心した。
「せっかくだからまとめ買いしとく?」
「んー...そうだな...」
何だか歯切れが悪い。完全にイメージだけど、ビデオ屋の18禁コーナーにいる男子高校生みたいに居心地が悪そうだ。なんでだろう。すぐ横にローションとかオナホがあるからだろうか。ラビは何となくソワソワしているし肩身が狭そうだけど、あたしは逆にラビがいることで安心してここにいられる。一人では絶対手に取らないであろう商品の説明文とかを読んでみたけど、これがいい商品なのかどうかは伝わらない、キャッチーな言葉ばかり並べた文面でちょっと辟易した。誰のための何の道具なのかさっぱりわからなくて、パッケージのセクシーなお姉さんと見つめ合った。
「ねーラビ、どうする?」
「え、あ、何が?」
「だから、まとめ買いする?」
「あー、うん」
「あ、せっかくだからいろんなの買って比べてみる?」
「...マジ?***、こういうの興味ある...?」
意外そうに聞いてくる。こういうのとはまさしくゴムとかおもちゃとか、セクシーな下着のことだろう。そういえば、ラビから持ちかけられたら受け入れるけど、あたしからこういうものに手を出したことはない。興味がないと言えばないんだけど、ラビがしたいなら試してみてもいいと思っている。そんなことを伝えたら、ちょっと考えた後、内緒話でもするみたいに顔を寄せてきた。
「こういうの、とかは...?」
ラビが目の前にあるものを指差す。そこにあるのはバイブとかローターとか、いわゆるおもちゃ。よくあるあからさまな形のものから、机の上に放っておいても気付かれなさそうなデザインのものまでいろいろある。まじまじと見たのは初めてで、こんなにバリエーションがあるとは知らなかった。ちょっとドキドキしながら、何故か小声になって商品棚を真剣に眺めた。
「うーん...ラビは...?」
「オレは...これかな」
「えー、ちょっとゴツいかな...これは?」
「これかー...これなら...いい?」
「...なにが?」
「何がって...その...使っても...?」
「...う...うん...」
あんまりあからさまでなく、かといって完全に隠す気もない、みたいな絶妙なデザインのバイブ。頷いたら、ラビがちょっとだけ嬉しそうな顔をした。なくても全く困らないものをこうやって真剣に選んでいるのはすごく滑稽で、恥ずかしくて、ちょっとわくわくする。ゴムは品揃えの関係であまり選べるものはなかったけど、冒険するものだと思っていなかったからちょっと楽しみだ。
「...じゃ、買ってくるから待ってて」
「ん?なんで?」
「...いや、その...こういうのは男に任せてほしいっていうか...」
「でも、二人で使うし」
「...お願い、ね?」
「うん...?じゃあ、そのへん見てる...」
わかるような、わからないような。ちょっと真剣な顔でお願いされてしまったので、大人しく他の商品でも見て待つことにする。もちもちのぬいぐるみを一心不乱に押していたら、ラビが買ったものを提げて戻ってきた。
「ありがと」
「ん、帰ろっか」
「んー...ラビ、これ...」
無限に押し出せる枝豆のキーホルダーを指差したら、何の意味があると呆れられた。枝豆を食べていないのに枝豆を押し出したい時に使うに決まっている。名残惜しげに見ていたら、ちょっと強めに抱き寄せられた。
「...おもちゃは、もう買ったでしょ」
ラビがちょっと照れていて、あたしも恥ずかしくなってきた。二人で選んで、これから一緒にエッチなことをするんだと思ったら、なんか嬉しい。
「...うん、あそぼ、いっぱい」
―――――――――――――――――――――――
「っ...はー...、はー...」
「***、気持ちいいね...」
「ん...ラビ、すき...」
「うん、だいすき... ***」
ラビが優しく頭を撫でてくれて、上がり切った息が少しずつ整っていく。溶けたあたしの中からぬるりとラビが出て行って、ぱちんと音が聞こえる。温感ジェルのついたゴムでするのはあったかくてすごく気持ちよくて、いつもより濡れてしまった。一応敷いたバスタオルは役に立っているらしい。温まった体はもっとラビが欲しくなって、横に転がっているのにひっついたら困ったように笑われた。なんだかいつもよりぐったりしている気がする。獣みたいに腰を振っていた一瞬前の姿を思い出してどきりとした。
「...ちょーっと待ってね、***ちゃん」
「ごめん...大丈夫?」
「うん、すーげぇ気持ちよかった... ゴムひとつでこんな変わるんだな...」
「ねー...」
「蕩けちゃって、可愛い...あ」
ラビが怠惰に腕だけ伸ばして、買い物袋から箱を一つ取る。お腹の上で開封していくのをぼんやり眺めた。手のひらサイズのペラペラな説明書を一生懸命読んでいるのがなんか面白い。
「なんか大事なこと書いてある?」
「いや...でも、***の体に使うんだから一応...」
「ラビが使ってもいいんだよ?」
「...え?」
「ん?」
「お...うん、あー... ***が...したいなら...」
「いや、別に...」
「えー?...使ってみて、いい...?」
「...うん」
一度ウェットティッシュで軽く拭いて、持ったままスイッチを入れる。まさしく機械という感じの無機質なモーター音にちょっとだけ怯んだけど、ラビが頭を撫でてくれて少し安心する。お互いのお腹や太腿に当てて戯れ合った後、ラビがやけに真剣な顔をした。
「...当てるよ?」
「うん...」
「痛かったらすぐ言って」
「うん」
優しいキスの後、軽く先端が触れた。指で触るのと同じように、ゆっくり割れ目をなぞるみたいに動かされる。初めての刺激で、これがいいのか悪いのかはよくわからない。
「痛くない?」
「いたく、ない...あっ...でも、ちょっと、つよい...」
「振動?」
「ちがっ...あ、てかた...」
「...これくらい?」
「ん...っ、ひ、あっ!」
「なに、痛い?!」
一瞬、貫かれたような快感が走った。悲鳴みたいな声を出してしまったから、ラビが慌ててスイッチを切った。危険なものか何かのように変な位置で腕を彷徨わせているのが少し面白い。
「ちがう...きもち、よかった...」
「え、ほんと?」
「あの...えと...ここ...」
すごく恥ずかしかったけどちゃんと言わなきゃ駄目だと思って、でも言葉にはできないから自分で脚の間に指を這わせる。それだけでラビはわかったみたいで、頷いてくれた。電源を落としたままのもので少し擦られて、普通に触られるだけで気持ちいい場所なのに更に刺激を強めるなんて、いけないことをしているみたいな気持ちになる。
「ここ、いいんだ?」
「うん...さっきの...当てるだけくらいのが、気持ちいい」
「わかった...もっかい、してもいい?」
「うん」
ちょっと怖いけど気持ちよかったのは確かだし、ラビが優しく抱き締めてくれるからしてみようと思った。ラビは何度も確認してくれて、さっきと同じくらいの強さで突起に先端が触れた。背中がしなって、体の自由がきかなくなる。抱き着きたいのにうまく力が入らないし、口から勝手に出てくる喘ぎ声が恥ずかしい。ラビの手を必死に掴んで快感に耐えた。
「... ***、やめる?」
「やっ...やめ、ないで、きもちっ...んっ、ふ、あぁっ」
「うん、わかった」
とにかく気持ちよくて訳がわからないけど、もっと気持ちよくしてほしい。ラビが耳元に唇を寄せて、少し低い声で囁いた。
「イっていいよ、***」
すごく叫んだような気がするのに、気付いたらすごく静かだった。モーター音が止まっていて、ラビがあたしを覗き込んでいる。息苦しくて、心臓が耳から出そうなほど脈打っていた。
「... ***、大丈夫...?」
「はー...っ、ん...だい、じょぶ...」
「...タオル敷いといてよかったな...すげー...」
ラビが手と胸のあたりを拭うのを見て、何となく察した。恥ずかしい。すごく恥ずかしい。
あとすごく、ラビが欲しい。
「...ラビ...ほしい、」
「...うん、ゴム、どれがいい?」
「ラビが、いちばん、わかるの」
「もー可愛い...オレも、***のこといっぱい感じたいな」
少しのビニール音の後、硬いものが当てられた。あんなにぐったりしてたのに、もうこんなに元気になってしまったのかとドキドキする。軽く揺らされただけで、蕩けきったそこは何の苦もなくラビを受け入れた。さっきとはまた違う、ラビ自身の温もりが伝わる感じが気持ちいい。挿れたまましばらく抱きしめ合った。
「あー、とろっとろ...オレ、溶かされちゃうかも」
「や...」
「...これ好きだもんね、***ちゃんは」
「あ、んんっ」
揶揄うように揺すられて、しっかりしがみついた。ゆったりねっとりした腰使いで優しく中を擦るのと、少し乱暴に奥を突かれるのとを繰り返す。
「...ね、どっちが好き?これと...」
「あ、ん、んっ...ふ...」
「っ...こ、れっ...」
「あんっ!あ、あぁっ」
選べるわけないし、どっちも好きなのをわかっていて聞いてくるラビが意地悪で、大好きで、精一杯抱き着いて甘えた。ラビが動くのをやめて、優しく抱き締めてくれる。あったかくて、それだけで幸せな気分になる。
「***、ちょっと、こっち」
「ん...?」
挿れたまま片脚を抱えられて、後ろから抱き締められる形になる。寝る時によくやる体勢と同じなのに中はまだラビがいて、ちょっと変な気分だった。お腹に手を添えられて、軽く揺すられるだけで気持ちいい。
「***の中、挿れてるだけで気持ちいい...」
「ん...」
「ずっとこのままでいる?」
「...やだ」
「ふふ、冗談...可愛い、***」
「ラビ...うしろから、したい」
「ん、いいよ」
ラビが腰を支えてくれて、挿れたままうつ伏せになる。穏やかなのも大好きだけどそれが続くと激しくされたくなってきて、ちょっと腰を揺らしたらしょうがないなと笑われた。たぶんラビは、意外と穏やかなのが好きなのだ。それでも全力で甘やかしてくれるラビが大好きで、覆い被さってくる腕にキスをした。一呼吸置いて、背中から頭まで突き抜けるように激しく突かれてちょっとびっくりする。見えないけど、嬉しそうな顔をしているのはよくわかった。
「激しいの好きさ、***は」
「んっ...はぁ...ラビ、は...?」
「んー...オレで***が、めちゃくちゃになってんのはイイ、かな」
「あんっ、ふ...あたし、も」
「ん?」
突かれながら、キスを求めて首を伸ばす。唇にも頬にも優しいキスが落ちてきて、嬉しくなった。
「ラビが興奮してるの、見るの...好き」
「...可愛い、***」
ラビがまた動きを止めて、挿れたまま器用にあたしの体を転がす。また向き合う形になって、正直これで終わると思っていたからまだ持つのかと驚いた。しっかり目を合わせるとそんな考えも筒抜けになってしまうのか、ラビがあやすみたいに優しく頭を撫でてくる。腰をゆるく動かしながらさっき放り投げたバイブを手に取って、思わせぶりに胸の頂点をつついた。
「いっぱい、あそぶんでしょ?」
大好きな人にそんな楽しそうな顔をされたら、受け入れないわけがない。頷いて、もうどうにでもしてほしいと言うかわりに、胸に添えられた大きな手に指を重ねた。
(これ気持ちよかったね、明日どれ使う?)
(そうだなー...ふふ)
(なに?)
(明日もいっぱい遊ぼうね、***)