短編
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僕の手は君のために
***の具合が悪いらしい。数日前から調子が悪そうにしていたから、まぁ見当はついている。オレが朝食を終えた時間にもまだ姿を見せない彼女がさすがに心配になり、食堂を出てその足で***の部屋へ向かう。控えめにノックして声を掛けると、最大級に間延びした声の返事が聞こえた。取り敢えず生きているようだ。許可を得てから静かに扉を開けると、まだ眠そうな***がベッドに丸まっていた。近付くと腕を伸ばしてくるので、側に座って抱き締める。散らばった髪を整えるようにして頭を撫でると、また瞼が重くなりだした。
「もうちょっと寝る?」
「んー...おなか、すいた...」
まさに眠気と食欲が同時にきているという感じで、体を起こしたものの頭が覚醒できていない。液体のようにしなだれかかる***から食べたいものを聞き出して、食堂へ走った。リクエストの品と自分の食後のコーヒーを持って部屋に戻ると、***はまた元の位置で丸まっていた。トレーをテーブルに置くと、穴蔵から出てくる動物のようにのそりと起き上がってくる。そのまま食べられるようにテーブルを寄せてやると、食欲が勝ったのかようやく顔が覚醒してきた。
「...ありがと」
「どういたしまして」
オレがコーヒーを啜る間、***は黙々と朝食を食べた。少し多めに持ってきたつもりだが、いくらもしないうちに皿は空になった。食べたら顔色も良くなったようで少し安心する。甘めのミルクティーを満足気に飲みながら、***が我に帰ったようにハッとした。
「絶対食べすぎた...」
「体が必要としてるってことさ。気にするなって」
「べ、別に気にしてないもん」
「そうだ、ついでにこれ飲んどく?」
「...あ、うん、ありがとう」
痛み止めと、鉄分補給のサプリ。***は少し考えて、サプリを口に放り込んだ。
食べたらまた眠くなってきたのか、ぼーっとしてきた***を抱きしめて、一緒に横になる。いつもより呼吸が浅いような気がした。
「なんかしてほしいこと、ある?」
「...お腹、あっためてほしい、かな」
「ん」
後ろから抱きしめて、下腹部に手を添える。圧をかけないようにゆっくりさするようにしていると、***の呼吸が少し和らいだ気がした。
「...ラビ」
「うん?」
「ありがと...」
「うん」
しばらくすると寝息が聞こえてきた。***のために、オレにできることが少しでもあると思うと嬉しかった。
(ぐーーーーーーーー...)
(すごい寝てる...ふふ、ありがと。大好き)
***の具合が悪いらしい。数日前から調子が悪そうにしていたから、まぁ見当はついている。オレが朝食を終えた時間にもまだ姿を見せない彼女がさすがに心配になり、食堂を出てその足で***の部屋へ向かう。控えめにノックして声を掛けると、最大級に間延びした声の返事が聞こえた。取り敢えず生きているようだ。許可を得てから静かに扉を開けると、まだ眠そうな***がベッドに丸まっていた。近付くと腕を伸ばしてくるので、側に座って抱き締める。散らばった髪を整えるようにして頭を撫でると、また瞼が重くなりだした。
「もうちょっと寝る?」
「んー...おなか、すいた...」
まさに眠気と食欲が同時にきているという感じで、体を起こしたものの頭が覚醒できていない。液体のようにしなだれかかる***から食べたいものを聞き出して、食堂へ走った。リクエストの品と自分の食後のコーヒーを持って部屋に戻ると、***はまた元の位置で丸まっていた。トレーをテーブルに置くと、穴蔵から出てくる動物のようにのそりと起き上がってくる。そのまま食べられるようにテーブルを寄せてやると、食欲が勝ったのかようやく顔が覚醒してきた。
「...ありがと」
「どういたしまして」
オレがコーヒーを啜る間、***は黙々と朝食を食べた。少し多めに持ってきたつもりだが、いくらもしないうちに皿は空になった。食べたら顔色も良くなったようで少し安心する。甘めのミルクティーを満足気に飲みながら、***が我に帰ったようにハッとした。
「絶対食べすぎた...」
「体が必要としてるってことさ。気にするなって」
「べ、別に気にしてないもん」
「そうだ、ついでにこれ飲んどく?」
「...あ、うん、ありがとう」
痛み止めと、鉄分補給のサプリ。***は少し考えて、サプリを口に放り込んだ。
食べたらまた眠くなってきたのか、ぼーっとしてきた***を抱きしめて、一緒に横になる。いつもより呼吸が浅いような気がした。
「なんかしてほしいこと、ある?」
「...お腹、あっためてほしい、かな」
「ん」
後ろから抱きしめて、下腹部に手を添える。圧をかけないようにゆっくりさするようにしていると、***の呼吸が少し和らいだ気がした。
「...ラビ」
「うん?」
「ありがと...」
「うん」
しばらくすると寝息が聞こえてきた。***のために、オレにできることが少しでもあると思うと嬉しかった。
(ぐーーーーーーーー...)
(すごい寝てる...ふふ、ありがと。大好き)