短編
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piece
オレの彼女はカッコいい。
見た目は綺麗なおねーさんなのに、女の子に対してやることなすことイケメンすぎる。この間だって、街で転びそうな女の子をとっさに抱きとめて惚れられていた。そのわりに中身は普通に女の子なので、男女ともに好感度が高い。オレより年下なのに落ち着いていて、と長所を挙げればキリがない。とんだハイスペック彼女だ。
「... ***、オレよりかっこよくね......?」
誰も来ない書庫。本を顔に乗せたまま呟いた言葉は、そのままページの中に吸い込まれていった。***と付き合い始めたとき、***が周りに散々言われたことを思い出す。ラビでいいのか?あんなやつ。女好きだぞ?...それでも、そんなことないと笑ってくれる***がいたから胸を張れた。でもそれも、***が隣にいてくれる時に限る。一人でいるとすぐに不安がやってきて、こうやってぐるぐる考えてしまうのだ。我ながら女々しい。
「......ラビ...?」
身体が跳ねた。イスから落ち掛けてすんでのところで持ち堪えたら、そこには***が立っていた。一瞬幻聴かと思ったが、***の顔を見て現実なんだと理解する。なんだか気の抜けた返事をしてしまった。少し微笑んで、***が中に入ってくる。
「...***、どしたん?」
「んー?別に...会いたくなっただけ」
そう言って後ろから抱きしめられた。***の髪の香りに包まれて気持ちがいい。
「なんか、ラビが呼んでる気がして」
「...なんでお見通しなんさ......」
「ラビのことは何でもわかるからねー」
可愛らしく笑いながら、オレよりずっと小さな手が頭を撫でてくる。恋人に触られると、なんでこんなに気持ちがいいのか。ひとしきり撫でたあと、***が左隣の椅子に腰掛ける。
「ラビはさ、記憶力いいから助かるんだよね。地図とかすぐ覚えちゃうし。あたし道覚えられないからさ」
「知ってる」
「うん。あとね、いろんなこと知ってるからとっても頼りになる。この間任務に行ったとこは英語通じなくて大変だったんだ、ラビがいたらなぁって思った」
「...うん」
「ラビのおっきい身体好きだなぁ。手繋ぐと安心する。目も好きだよ、あたし黙ってると怖いって思われること多くてさ」
「な、なんさ急に」
褒められすぎてだんだん恥ずかしくなってきた。別に、教団にいれば自慢できることでも何でもないのに。
「...あのね、ラビは、あたしにないものたくさん持ってるよ。だからたぶん好きになったの」
「......ん」
「他の人にとってはどうってことないものなんだけどさ。あたしにはラビが必要なんだよ?」
「***、それ以上言わんで、照れる...」
「わー可愛いー」
「可愛い言うな!***のが100倍可愛いさ!」
「ラビはその1000倍可愛いなー」
「***はその...とにかく、好きさ」
「うん、あたしも好きだよ」
吸い寄せられるように口付けた。数回軽くついばんだあと、またオレの頭を撫でて***は出て行った。振り返らず、後ろ手に小さく手を振って。
「くっそ、カッコいいっ......」
落ち込んでいるところに颯爽と現れて、理由も聞かず励まして去っていく。確実にオレよりカッコいい。
頭をがしがし掻いて、残りの記録に取り掛かった。はやく***を抱きしめて、さっきの倍褒めてやるんだ。そして、オレだけが知っている可愛い***を見せてもらいたかった。
(***さん、これよかったら...)
(あ、ありがとう。チョコレート好きなの)
(***、誰さ今のっ!)
(この間まで女の子追っかけてたラビが、女の子をライバル視する日が来るなんて...)
(...アレン、なんか言ったか?)
オレの彼女はカッコいい。
見た目は綺麗なおねーさんなのに、女の子に対してやることなすことイケメンすぎる。この間だって、街で転びそうな女の子をとっさに抱きとめて惚れられていた。そのわりに中身は普通に女の子なので、男女ともに好感度が高い。オレより年下なのに落ち着いていて、と長所を挙げればキリがない。とんだハイスペック彼女だ。
「... ***、オレよりかっこよくね......?」
誰も来ない書庫。本を顔に乗せたまま呟いた言葉は、そのままページの中に吸い込まれていった。***と付き合い始めたとき、***が周りに散々言われたことを思い出す。ラビでいいのか?あんなやつ。女好きだぞ?...それでも、そんなことないと笑ってくれる***がいたから胸を張れた。でもそれも、***が隣にいてくれる時に限る。一人でいるとすぐに不安がやってきて、こうやってぐるぐる考えてしまうのだ。我ながら女々しい。
「......ラビ...?」
身体が跳ねた。イスから落ち掛けてすんでのところで持ち堪えたら、そこには***が立っていた。一瞬幻聴かと思ったが、***の顔を見て現実なんだと理解する。なんだか気の抜けた返事をしてしまった。少し微笑んで、***が中に入ってくる。
「...***、どしたん?」
「んー?別に...会いたくなっただけ」
そう言って後ろから抱きしめられた。***の髪の香りに包まれて気持ちがいい。
「なんか、ラビが呼んでる気がして」
「...なんでお見通しなんさ......」
「ラビのことは何でもわかるからねー」
可愛らしく笑いながら、オレよりずっと小さな手が頭を撫でてくる。恋人に触られると、なんでこんなに気持ちがいいのか。ひとしきり撫でたあと、***が左隣の椅子に腰掛ける。
「ラビはさ、記憶力いいから助かるんだよね。地図とかすぐ覚えちゃうし。あたし道覚えられないからさ」
「知ってる」
「うん。あとね、いろんなこと知ってるからとっても頼りになる。この間任務に行ったとこは英語通じなくて大変だったんだ、ラビがいたらなぁって思った」
「...うん」
「ラビのおっきい身体好きだなぁ。手繋ぐと安心する。目も好きだよ、あたし黙ってると怖いって思われること多くてさ」
「な、なんさ急に」
褒められすぎてだんだん恥ずかしくなってきた。別に、教団にいれば自慢できることでも何でもないのに。
「...あのね、ラビは、あたしにないものたくさん持ってるよ。だからたぶん好きになったの」
「......ん」
「他の人にとってはどうってことないものなんだけどさ。あたしにはラビが必要なんだよ?」
「***、それ以上言わんで、照れる...」
「わー可愛いー」
「可愛い言うな!***のが100倍可愛いさ!」
「ラビはその1000倍可愛いなー」
「***はその...とにかく、好きさ」
「うん、あたしも好きだよ」
吸い寄せられるように口付けた。数回軽くついばんだあと、またオレの頭を撫でて***は出て行った。振り返らず、後ろ手に小さく手を振って。
「くっそ、カッコいいっ......」
落ち込んでいるところに颯爽と現れて、理由も聞かず励まして去っていく。確実にオレよりカッコいい。
頭をがしがし掻いて、残りの記録に取り掛かった。はやく***を抱きしめて、さっきの倍褒めてやるんだ。そして、オレだけが知っている可愛い***を見せてもらいたかった。
(***さん、これよかったら...)
(あ、ありがとう。チョコレート好きなの)
(***、誰さ今のっ!)
(この間まで女の子追っかけてたラビが、女の子をライバル視する日が来るなんて...)
(...アレン、なんか言ったか?)