短編
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Indirectly
どうしてこんなことになったのか。のしかかるラビの体重で息苦しくなりながら、親切心なんか起こすんじゃなかったと思った。
科学班に寄ったら、ラボを圧迫している紙の資料の片付けをやっているという。見慣れた赤毛に気を抜いたのが悪かったのか、紙を詰めた箱やら何やらの雪崩れに巻き込まれてラビと一緒に閉じ込められた。というか、埋まった。
「ラビ、重い...」
「ごめん、ちょ、待って...」
仰向けのあたしの上にそのままラビが覆い被さっているから息苦しい。ラビが体を浮かせようとして脚を動かすと、引っかかったあたしの脚が持ち上がる。だめだ、この体勢はだめだ。ラビも気付いた顔をして、しばらく見つめ合ったあと僅かに腰を揺らすような動きをした。やだ最低。
「...***、これ、」
「い、言わないでよ...!」
「ごめん暴れるなって、ちょっと、我慢して」
体がぐっと密着したと思ったら、そのまま抱き上げられてラビの上に跨る形になった。相変わらず腰は密着していて、これはこれであんまりよろしくない気がする。
「ラビ、あの...重くない?」
「いや全然、まぁ...さっきのよりはマシじゃん?」
「うん...確かに」
ラビの脚にあたしの体重がかかっている以外は、比較的楽な体勢だ。スペースはのしかかってくるものを押して少し広げただけだから、相変わらず息苦しいのは変わりないけど。外から声をかけられて、何だか走り回っている気配がする。下手に動くのも危ないし、大人しく待つことにした。
「***」
「...ん、重くない?」
「大丈夫だって、そんな変わんないさ」
引き寄せられてラビの肩にもたれかかると、温かい手が背中をゆっくりしたリズムでさする。何だかあやされてるような気分で、少し安心できる気がした。顔を上げるとラビと目が合って、吸い寄せられるようにキスをした。狭いし息苦しいのにお互いしかいない空間がなんだか嬉しくて、何度も唇を重ねた。
「どした?***」
「んー、何でもない」
外ではきっとこの紙の山を退かすのに走り回ってくれているだろうに、人の気も知らないこの空間がなんだかおかしい。
「ねぇ***、ちょっと遊ばない?」
「何して?」
しりとりでもするんだろうか。首を傾げたら、ラビが腰を突き上げるように揺らした。戸惑っていたらキスしながら揺すられて、そういう意味だと思い知らされる。まさか、こんなところでいかがわしいことをするつもりなのか。
「ちょっと、なに...」
「あのさ、直接触らないでどれだけ感じさせられるか、競争しよ」
「...それ楽しい?」
「楽しいって。それにさ、ここで散々我慢した後エッチするの最高に気持ち良さそうじゃない?」
「うーん...」
いつもの口車に乗せられているような気がするけど、今夜は二人でゆっくり過ごせると思っていたのもあって、頭がそちらに傾きかける。情けないと思いながら、この空間ではお互いしか楽しみがないのだから、暇を潰せるのは悪くない気がしてきた。
頷いたら、それを合図にしたように濃厚なキスが始まった。さっきとは違って、脳みそが溶けるようなキス。食べるように貪られたと思ったら、気を抜いた瞬間に舌が入ってきて歯列をなぞる。紙の遮断率は意外と高くて、外の喧騒はあまり入ってこない。それでも音が漏れるんじゃないかと思うほど、舌を絡める音が脳内に響いた。悔しいけど、ちゅっとリップ音を立てて解放される頃にはかなり息が上がっていた。
「ん、はぁー...」
「どう?よかった?」
「はぁっ...、ば、か...ぁっ」
ラビの肩にもたれて息を整えながら、腰を撫でられて甘い痺れが背中に走る。ラビはそれを見逃してくれなくて、唇が妖しく弧を描いた。
「濡れちゃった?」
「...れてない」
「嘘だぁ、キス好きでしょ?」
絶対バレてるけど、悔しくて否定する。余裕な顔を崩してやりたくて、マフラーを退けて目の前にある首筋に噛み付いた。いつもラビがしてくれるのが気持ちいいから、思い出しながらキスを落とす。控えめな、艶のある吐息が耳を擽る。
「っ...上手さ、どこで覚えたの?」
「...ラビ」
「へー、オレのおかげかぁ」
愛しそうに抱き締めてくれるのが嬉しくて、仕返ししたかったのは忘れてしまった。これ以上ないくらい密着して甘えたら、どうしても熱くなり始めている下半身に気付いてしまう。あたしは大したことしてないのに。
「ラビ、これ...」
「これは、その、***が可愛いから」
「...ねぇ、それどういうこと?」
前から気になっていた。いつも気持ちよくしてもらうばかりで何もしてあげられないから、何かしたいのにラビは「***が気持ちよくなってくれればいい」と言うだけだ。悔しいのもあるけど、ちょっと寂しい。思っていたことをそのまま伝えたら、ラビは困ったように笑った。
「えー、それ今聞くこと?」
「今じゃないと聞けない気がするんだもん...」
「んー...オレは、***が感じてるのがいちばん興奮する、かな」
「そうなの...?」
「そうなの。ね、ちょっと、エッチな声出してみて」
「え?うん...?」
ラビの舌が鎖骨をなぞる。さっきラビの首筋にキスしたとき思い出した記憶より遥かに気持ちよくて、全部をラビの耳に入れるように意識的に喘いでみた。密着した部分に感じる熱が少しずつ大きくなってくる。唇を離したラビと見つめ合ったら、興奮して少し息が荒くなっているのがわかって背中がぞくりとする。
「...ね?」
「うん...あのね、ラビ」
「ん?」
今度はラビの耳元で、吐息混じりを意識して声を出す。もっとラビを興奮させたい。
「さっきの気持ちよくて、すごく...濡れ、ちゃった」
「...えっ...」
ちょっと恥ずかしいけど、嘘ではない。じわじわ染まる耳と、膨らんだ欲に少しの優越感。反応が見たくて覗き込んだ翡翠は、ものすごくギラギラしていた。
「ラビ...?」
「... ***」
「...はい...?」
あたしがさっきしたみたいに、耳元にラビの唇が触れる。それだけでどきりとしたけど、抱き締める腕の強さにただことじゃない気配を感じた。変なスイッチを入れてしまったらしい。
「...出る頃にはぐっちょぐちょにしてやるからな」
これから壮絶な言葉責めに遭うなんて、あたしはまだ知らない。
(大丈夫か?なんか二人ともぐったりしてない?)
(大丈夫だから、あの、)
(なんかすげー疲れたからもう寝るさ!お構いなく!)
どうしてこんなことになったのか。のしかかるラビの体重で息苦しくなりながら、親切心なんか起こすんじゃなかったと思った。
科学班に寄ったら、ラボを圧迫している紙の資料の片付けをやっているという。見慣れた赤毛に気を抜いたのが悪かったのか、紙を詰めた箱やら何やらの雪崩れに巻き込まれてラビと一緒に閉じ込められた。というか、埋まった。
「ラビ、重い...」
「ごめん、ちょ、待って...」
仰向けのあたしの上にそのままラビが覆い被さっているから息苦しい。ラビが体を浮かせようとして脚を動かすと、引っかかったあたしの脚が持ち上がる。だめだ、この体勢はだめだ。ラビも気付いた顔をして、しばらく見つめ合ったあと僅かに腰を揺らすような動きをした。やだ最低。
「...***、これ、」
「い、言わないでよ...!」
「ごめん暴れるなって、ちょっと、我慢して」
体がぐっと密着したと思ったら、そのまま抱き上げられてラビの上に跨る形になった。相変わらず腰は密着していて、これはこれであんまりよろしくない気がする。
「ラビ、あの...重くない?」
「いや全然、まぁ...さっきのよりはマシじゃん?」
「うん...確かに」
ラビの脚にあたしの体重がかかっている以外は、比較的楽な体勢だ。スペースはのしかかってくるものを押して少し広げただけだから、相変わらず息苦しいのは変わりないけど。外から声をかけられて、何だか走り回っている気配がする。下手に動くのも危ないし、大人しく待つことにした。
「***」
「...ん、重くない?」
「大丈夫だって、そんな変わんないさ」
引き寄せられてラビの肩にもたれかかると、温かい手が背中をゆっくりしたリズムでさする。何だかあやされてるような気分で、少し安心できる気がした。顔を上げるとラビと目が合って、吸い寄せられるようにキスをした。狭いし息苦しいのにお互いしかいない空間がなんだか嬉しくて、何度も唇を重ねた。
「どした?***」
「んー、何でもない」
外ではきっとこの紙の山を退かすのに走り回ってくれているだろうに、人の気も知らないこの空間がなんだかおかしい。
「ねぇ***、ちょっと遊ばない?」
「何して?」
しりとりでもするんだろうか。首を傾げたら、ラビが腰を突き上げるように揺らした。戸惑っていたらキスしながら揺すられて、そういう意味だと思い知らされる。まさか、こんなところでいかがわしいことをするつもりなのか。
「ちょっと、なに...」
「あのさ、直接触らないでどれだけ感じさせられるか、競争しよ」
「...それ楽しい?」
「楽しいって。それにさ、ここで散々我慢した後エッチするの最高に気持ち良さそうじゃない?」
「うーん...」
いつもの口車に乗せられているような気がするけど、今夜は二人でゆっくり過ごせると思っていたのもあって、頭がそちらに傾きかける。情けないと思いながら、この空間ではお互いしか楽しみがないのだから、暇を潰せるのは悪くない気がしてきた。
頷いたら、それを合図にしたように濃厚なキスが始まった。さっきとは違って、脳みそが溶けるようなキス。食べるように貪られたと思ったら、気を抜いた瞬間に舌が入ってきて歯列をなぞる。紙の遮断率は意外と高くて、外の喧騒はあまり入ってこない。それでも音が漏れるんじゃないかと思うほど、舌を絡める音が脳内に響いた。悔しいけど、ちゅっとリップ音を立てて解放される頃にはかなり息が上がっていた。
「ん、はぁー...」
「どう?よかった?」
「はぁっ...、ば、か...ぁっ」
ラビの肩にもたれて息を整えながら、腰を撫でられて甘い痺れが背中に走る。ラビはそれを見逃してくれなくて、唇が妖しく弧を描いた。
「濡れちゃった?」
「...れてない」
「嘘だぁ、キス好きでしょ?」
絶対バレてるけど、悔しくて否定する。余裕な顔を崩してやりたくて、マフラーを退けて目の前にある首筋に噛み付いた。いつもラビがしてくれるのが気持ちいいから、思い出しながらキスを落とす。控えめな、艶のある吐息が耳を擽る。
「っ...上手さ、どこで覚えたの?」
「...ラビ」
「へー、オレのおかげかぁ」
愛しそうに抱き締めてくれるのが嬉しくて、仕返ししたかったのは忘れてしまった。これ以上ないくらい密着して甘えたら、どうしても熱くなり始めている下半身に気付いてしまう。あたしは大したことしてないのに。
「ラビ、これ...」
「これは、その、***が可愛いから」
「...ねぇ、それどういうこと?」
前から気になっていた。いつも気持ちよくしてもらうばかりで何もしてあげられないから、何かしたいのにラビは「***が気持ちよくなってくれればいい」と言うだけだ。悔しいのもあるけど、ちょっと寂しい。思っていたことをそのまま伝えたら、ラビは困ったように笑った。
「えー、それ今聞くこと?」
「今じゃないと聞けない気がするんだもん...」
「んー...オレは、***が感じてるのがいちばん興奮する、かな」
「そうなの...?」
「そうなの。ね、ちょっと、エッチな声出してみて」
「え?うん...?」
ラビの舌が鎖骨をなぞる。さっきラビの首筋にキスしたとき思い出した記憶より遥かに気持ちよくて、全部をラビの耳に入れるように意識的に喘いでみた。密着した部分に感じる熱が少しずつ大きくなってくる。唇を離したラビと見つめ合ったら、興奮して少し息が荒くなっているのがわかって背中がぞくりとする。
「...ね?」
「うん...あのね、ラビ」
「ん?」
今度はラビの耳元で、吐息混じりを意識して声を出す。もっとラビを興奮させたい。
「さっきの気持ちよくて、すごく...濡れ、ちゃった」
「...えっ...」
ちょっと恥ずかしいけど、嘘ではない。じわじわ染まる耳と、膨らんだ欲に少しの優越感。反応が見たくて覗き込んだ翡翠は、ものすごくギラギラしていた。
「ラビ...?」
「... ***」
「...はい...?」
あたしがさっきしたみたいに、耳元にラビの唇が触れる。それだけでどきりとしたけど、抱き締める腕の強さにただことじゃない気配を感じた。変なスイッチを入れてしまったらしい。
「...出る頃にはぐっちょぐちょにしてやるからな」
これから壮絶な言葉責めに遭うなんて、あたしはまだ知らない。
(大丈夫か?なんか二人ともぐったりしてない?)
(大丈夫だから、あの、)
(なんかすげー疲れたからもう寝るさ!お構いなく!)