短編
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ゆっくりあたためて
静かな午後、ベッドに腰掛けたまま読書を始めて数時間、***がオレの隣にやってくる。腕に絡み付いて、肩に頭を預けたり下から覗き込むように見つめてくるのはめちゃくちゃ可愛い。直接見なくてもわかる。
オレが趣味で読書している時に限って、こうやって構われにやってくる***はまるで猫。構うと鬱陶しそうにするくせに、放っておくと近寄ってくる。なぜこんなに可愛い自分を構わないのかと言わんばかりの態度は、いっそ興味深い。
悪いが今は本の続きの方が気になるのでそのままにしておくと、マフラーの先を弄び始めた。布を丸めてみたりぺらぺらと振ってみたりするが、たいして目新しいことはなく早々に飽きたようだった。今度は袖をまくって腕の血管を指でなぞり出す。しばらく耐えたがさすがにくすぐったくて、腕を掴んでやめさせる。
「こーら」
「んー」
「んーじゃない、悪い子め」
「ん、ぅ」
両手をまとめて掴んで、文句を言いたげな唇をキスで塞ぐ。手を離したら嬉しそうに抱きついてくるので可愛いことこの上ない。頭を撫でた指を髪に滑らせたところで、また構わされてしまったことに気付く。諦めて本を枕の横に滑らせた。
「ラビー」
「なぁに」
「好きー」
「...うん、オレも」
ベッドの奥に座り、壁を背もたれにして***を抱き込むようにする。胸に押し付けられる頭を撫でるとゴロゴロ喉を鳴らしそうで、本当に猫でも飼っている気分になる。さっきより少し濃厚なキスをすると目をとろんとさせて、もっと撫でろと言いたげに密着してくる。元はと言えば読書を始めたのは***の気が乗らないようだったからで、その勝手さを可愛く思いながらも少し意地悪したくなってしまった。
「ねぇ、***」
「んー?」
「オレ、読書中なんだけど」
「うん」
「さっきのくすぐったかったし」
「うん?」
「謝ってもらってないなぁ」
「ごめんなさーい」
全く悪びれていない気の抜けた声。それよりも頭を撫でる手に夢中なようで、甘えた声で擦り寄る***は全く以ってあざとい。オレがこういう***を好きなことを、***自身もわかってやっている。こんな幸せな状況でオレに出来ることと言えば、こちらも可愛い恋人に応えるのみだ。捕まえた目線をねっとりと絡ませて、頭から背中、腰へ手を滑らせていく。しっかり目を見て、子どもにでも言い聞かせるようにゆっくり言った。
「反省してないなら、お仕置きだね?」
「あ...ん、や、」
「可愛い顔してもだーめ」
「うー...」
口では形ばかりの否定をしながら、さっきまでの泰然とした態度から一変してしおらしくなる。***も、こうしてもらえるのを待っていた証拠だ。見えない首輪の手綱を握ったようで、少し楽しくなってしまったのは否定できない。
「なに、する...?」
「うーん、どうしよっかなぁ...縛る?それとも、叩かれたい?」
身体のラインをなぞりながら、腕を拘束するように固定したり、尻を執拗に撫で回したりする。思いつく選択肢を声に出しながら、その姿の自分を想像させる。***はまだ脱いでもいないのに体温を上げて、キスだけで息を乱していく。オレの動きをじっと見つめて、期待するような目で見上げてくる***は、オレの言葉を大人しく待っていた。可愛くて可愛くて、今すぐにでも乱したい。身体をゆっくりとベッドに寝かせて、スカートの中から手を忍ばせて脚の付け根まで撫で上げる。下着の隙間から指を差し入れて割れ目をなぞると、既にしっとりと濡れていた。ぬるりとした感覚を知らしめるように指を動かすと、オレの肩をぎゅっと握って恥ずかしそうに目を逸らす。
「ねぇ、どうされたい?」
「...ん、ぁ、ふっ...」
しばらく待っても喘いでばかりで答えないので、少し強めに攻め立てながらもう一度尋ねる。
「あっ...ラビ、ん、や、ら、びっ」
「うん?なぁに?」
「ラビ、の...したいこと、されたい...」
もう何も言いたくないとでも言うように唇を押し当ててくる。柔らかい唇を食みながら、どう切り返すか考える。オレだって、***がされたいことをしたい。***が好きな攻められ方を考えてみる。
「... ***」
「...ん、」
「決めた。あのね...
全身、舐める」
***がきょとんとしてオレを見上げる。あぁ可愛い。今すぐ全部食べてしまいたい。
―――――――――――――――――――――――
服を脱がされても、相変わらず何が始まるのかよくわからない。少し不安で、いつまでも抱き着いたままキスをねだったら笑われた。大きい手が安心させるように頭を撫でてくれる。
「...舐めるの?」
「そうだよ?」
「それだけ?」
「それだけさ」
「ふぅん...」
ラビがシャツを脱ぐのを見ながら考える。舐めてもらうのは気持ちいいし、少し恥ずかしいけどお仕置きになるほどとは思えない。ラビがあたしの嫌がることをするはずがないし、たぶん最終的には気持ちいいことなんだろう。そんな楽観視を見透かされたのか、ラビがニヤリと笑った。
「***、大したことないって思ってるでしょ」
「んー...うん」
素直に頷くと、これだから、みたいな顔をしてため息をつかれた。ちょっとムカつく。
「全身舐められるなんて結構恥ずかしいと思うけどなーオレは...ま、これからのお楽しみってことで...始めるよ」
「...は、い...」
恥ずかしいのか。ちょっと緊張して、伸びてくる手を受け入れる。まず額、頬、唇にキスが落とされた。それから右耳を柔らかく食まれて、首筋をちゅっとリップ音を立てながら鎖骨まで移動していく。舐めるというより、キスを落としていくみたいだ。いつものエッチと同じみたい、と油断していたら、反対側もそっくり同じ動きをされた。いつもならそのまま胸に行くのに、なんだかもどかしい。
「ん...ふ、ぅ...」
そんなに強い刺激じゃないからそこまで声は出ないけど、自分の声と、リップ音と、ラビの息遣いくらいしか聞こえないのが恥ずかしい。身体を捩ったら手首を押さえ付けられて、無理やり犯されている気分になる。
「ひゃっ...あっ」
「ここ好きでしょ、***」
唇が当たるだけだったのが急に舌で撫でられて、心臓に悪い。鎖骨をぬるりと舐められて、それだけで身体が跳ねてしまった。いつの間にか脚を擦り合わせて、いやらしく身体を捩ってしまっている。中からとろりとしたものが滴るのを感じて、シーツに染みができていたらどうしようと思った。確かに、けっこう恥ずかしい。
「もっと声出していいよ?気持ちいいとか...恥ずかしい、とか」
「ん...は、はずかしい...」
「ふふ、これからもっと恥ずかしいからね」
わかってたけど別にやめてくれるわけじゃなく、楽しそうなのが悔しい。でも優しい声が嬉しくて、もっとしてほしいと思ってしまう。
次は指先から胸に向かってキスを落とされる。デコルテを唇が這ったあと、当然来ると思っていた突起への刺激が来ない。かわりに胸の円周と、ギリギリ頂点に当たらない場所ばかり舐められる。少しでも動くとラビが離れてしまって、すごく寂しい。
「ん、んー...」
「こーら、動いちゃだめ。縛るよ?」
「やぁ...だってぇ...」
「お仕置きなんだから、欲しいものあげるわけないでしょ」
「...終わったら、くれる?」
「うん、いっぱいあげるさ」
じゃあ頑張る。目で返事をしたら、優しく頭を撫でてくれた。いい子って言ってもらえなくて寂しい。唇はお腹と脇腹を滑って、つま先へ移った。脛から太腿を満遍なく唇で埋めて、次はたぶん背中側。目でどうするか尋ねたら、ラビが膝に手をかけた。
「脚、開くよ」
「え、なん、で」
「内側も、ね?」
「あ、だめ」
「聞かないさ、お仕置きだもん」
「あ、あっ...」
膝裏に差し込まれた手が脚をぐっと持ち上げて、胴体に押し付けるようにして脚を開かされた。そんなに広げることないのに。恥ずかしいけど、気持ちいいから逆らえない。中から溢れた液体がお尻を伝って、シーツを濡らしているのが自分でもわかる。ラビの手が脚の付け根をなぞって、背中がびくりとしなる。
「ふふ、恥ずかしい格好」
「ん、やぁ...」
「お仕置きなのにこんなに濡らしちゃって、お漏らしみたいさ」
「っ...ごめん、なさい...」
「悪い子」
「んっ、あぁっ」
太腿の内側にキスを落とした後、粘膜に触れないギリギリのところを舌が這う。相変わらず止まらない愛液がシーツを汚し続けて、本当にお漏らしみたいで恥ずかしい。しばらくしたらようやく脚を下げられて、ラビがぎゅっと抱きしめてくれた。
「... ***、まだ頑張れる?」
優しい声で尋ねてくる。たぶん、やめてもラビは許してくれる。でも、なんだかそう聞かれると最後までやってみたくなる。今すぐラビが欲しいけど、もうちょっと我慢したらきっとすごく気持ちいい。頷いたら、優しく笑って頭を撫でてくれた。促されるままうつ伏せになる。
「次、背中ね」
「...ん」
頸と肩甲骨、腰まで来たら、今度はふくらはぎから太腿。次がたぶん最後だ。お尻に手を添えられて身構えたら、がぶりと噛まれた。
「いった!なに、急に!」
「いや、***はお尻痛くされるの好きかなーって」
「こういうのじゃ、なくて」
「あ、こっち?」
「や、あんっ」
「...エッチな声」
平手でぱちんと叩かれて、変な声が出てしまった。シーツを握って恥ずかしさに耐えているうちにお尻にキスを落とされて、頑張ったねと頭を撫でられた。
「さーて仕上げさ、***ちゃん」
「...ん?」
「そのままお尻上げて?」
「え、」
「エッチなお漏らしが止まらないそこも、お仕置きしてあげるさ」
「あっ、うそ、だめぇっ」
お尻を上げた姿勢にされて、蕩け切ったそこをぢゅっと吸われる。それだけで視界が白くなって、イかされたことを自覚した。まだぼうっとした意識で、窮屈そうなラビの下半身をまさぐる。心配そうにこちらを見ながら自分で前を寛げて、晒されたものが表情と全然釣り合ってない。
「***、だいじょぶ?もうちょっとゆっくり」
「...やだぁ、ずっと欲しかったもん、やだ」
「...しょうがないさ。いい子だから、ちょっと待ってね」
優しいのが嬉しくて、もっと気持ちよくなりたくてなりふり構えない。ラビがゴムを準備する間もしゃぶりついて困らせてしまったけど、いつも通り優しく挿入してくれる。嬉しくて、ラビをぎゅうぎゅう抱きしめた。
「っ... ***、締めつけ、すごっ...そんな、欲しかった...?」
「んっ、ラビ、ほしかっ、たっ...あっ、あぁっ」
「も、かわいっ... ***、***っ...」
胸の突起を指の腹でなぞって、唇が触れる。優しかった律動がどんどん速くなって、奥を突かれるのが気持ちいい。ずっとラビを感じていたくて、何度も中を締め付けた。
「やばっ... ***のなか、気持ちよすぎるさっ...」
「ら、びっ、ずっと、いれててほしっ...あっ、きもち、んっ、は、あぁっ」
「ん、オレも、きもちいっ...可愛い、***、***っ...」
お尻の下までシーツが濡れているのがわかって、あたしの身体はどうしちゃったんだろうとぼんやり考える。びちゃびちゃと音を立てる結合部を、ちょっと見たいと思ってしまう。体勢を変えて四つん這いの後、寝そべるようにしてラビがあたしに覆い被さる。ちょっと重いけど、守られてるみたいでなんだか安心する。奥までラビでいっぱいになる気がした。
「***っ...これ、やばいっ...なか、すげー締まるっ...」
「んっ、ぁ、らび、ラビっ、きもち、ラビっ...」
「***、***っ...」
何度名前を呼んだかわからなくなった頃、ラビが熱をぐっと奥に押し付けた。ゴム越しに注がれるものを感じながら、ゆっくりと意識を手放した。
―――――――――――――――――――――――
肌寒さで目が覚めた。外はもう暗くて、晩ご飯を食いっぱぐれたことを悟った。小さな灯りだけの部屋にラビはいなくて、寂しくなった頃、扉が開いた。
「あ、起きた?」
「...ラビ」
「ごめんな、これ作ってきたんさ。どっちがいい?」
寂しかった、は言わなくても伝わったらしい。トレーには器が二つあって、卵のお粥と、同じく卵の入ったうどん。病人食みたい、と思ったけど、頭が覚醒してくるにつれて体の怠さを自覚した。そういえば、なんかすごいプレイを繰り広げたような気がする。お粥を指差すと、頷いて小皿に取り分けてくれた。ラビは器からそのままうどんを啜っている。
「食べたらシャワー浴びといで。その間にシーツ替えとくから」
「うん...」
「体、だいじょぶ?」
「...うん」
手厚い。サービスが行き届きすぎていて、思わず笑ってしまった。ラビが変な顔をする。
「な、なんさ」
「だって、優しすぎるんだもん...大丈夫だよ別に」
「いや、だって...あんだけイキ狂ったら疲れただろうなって、思ったんですが」
「い、いき...」
何その単語。エロ雑誌とかでしか見ないようなことを言われて一瞬固まる。あたしそんなだったっけ。急に恥ずかしくなってきた。
空の器を黙って見つめていたら、取り上げられて第二弾を盛ってくれた。黙々と食べるあたしの頭を、大きな手が撫でてくれる。
「すごく可愛かったさ。あぁいう***も、たまには見たいなぁ」
「...たまに、ね、うん」
思い返せば、ラビもいつもより喘いでたような気がする。余裕がなさそうなラビもたまには見たい、と思ったけど、それは言わないことにした。
(女の子の性欲はオーブンって言うけど、あーいう感じか...いやー凄かったさ...)
(何の話?)
(***が可愛いなーって話)
静かな午後、ベッドに腰掛けたまま読書を始めて数時間、***がオレの隣にやってくる。腕に絡み付いて、肩に頭を預けたり下から覗き込むように見つめてくるのはめちゃくちゃ可愛い。直接見なくてもわかる。
オレが趣味で読書している時に限って、こうやって構われにやってくる***はまるで猫。構うと鬱陶しそうにするくせに、放っておくと近寄ってくる。なぜこんなに可愛い自分を構わないのかと言わんばかりの態度は、いっそ興味深い。
悪いが今は本の続きの方が気になるのでそのままにしておくと、マフラーの先を弄び始めた。布を丸めてみたりぺらぺらと振ってみたりするが、たいして目新しいことはなく早々に飽きたようだった。今度は袖をまくって腕の血管を指でなぞり出す。しばらく耐えたがさすがにくすぐったくて、腕を掴んでやめさせる。
「こーら」
「んー」
「んーじゃない、悪い子め」
「ん、ぅ」
両手をまとめて掴んで、文句を言いたげな唇をキスで塞ぐ。手を離したら嬉しそうに抱きついてくるので可愛いことこの上ない。頭を撫でた指を髪に滑らせたところで、また構わされてしまったことに気付く。諦めて本を枕の横に滑らせた。
「ラビー」
「なぁに」
「好きー」
「...うん、オレも」
ベッドの奥に座り、壁を背もたれにして***を抱き込むようにする。胸に押し付けられる頭を撫でるとゴロゴロ喉を鳴らしそうで、本当に猫でも飼っている気分になる。さっきより少し濃厚なキスをすると目をとろんとさせて、もっと撫でろと言いたげに密着してくる。元はと言えば読書を始めたのは***の気が乗らないようだったからで、その勝手さを可愛く思いながらも少し意地悪したくなってしまった。
「ねぇ、***」
「んー?」
「オレ、読書中なんだけど」
「うん」
「さっきのくすぐったかったし」
「うん?」
「謝ってもらってないなぁ」
「ごめんなさーい」
全く悪びれていない気の抜けた声。それよりも頭を撫でる手に夢中なようで、甘えた声で擦り寄る***は全く以ってあざとい。オレがこういう***を好きなことを、***自身もわかってやっている。こんな幸せな状況でオレに出来ることと言えば、こちらも可愛い恋人に応えるのみだ。捕まえた目線をねっとりと絡ませて、頭から背中、腰へ手を滑らせていく。しっかり目を見て、子どもにでも言い聞かせるようにゆっくり言った。
「反省してないなら、お仕置きだね?」
「あ...ん、や、」
「可愛い顔してもだーめ」
「うー...」
口では形ばかりの否定をしながら、さっきまでの泰然とした態度から一変してしおらしくなる。***も、こうしてもらえるのを待っていた証拠だ。見えない首輪の手綱を握ったようで、少し楽しくなってしまったのは否定できない。
「なに、する...?」
「うーん、どうしよっかなぁ...縛る?それとも、叩かれたい?」
身体のラインをなぞりながら、腕を拘束するように固定したり、尻を執拗に撫で回したりする。思いつく選択肢を声に出しながら、その姿の自分を想像させる。***はまだ脱いでもいないのに体温を上げて、キスだけで息を乱していく。オレの動きをじっと見つめて、期待するような目で見上げてくる***は、オレの言葉を大人しく待っていた。可愛くて可愛くて、今すぐにでも乱したい。身体をゆっくりとベッドに寝かせて、スカートの中から手を忍ばせて脚の付け根まで撫で上げる。下着の隙間から指を差し入れて割れ目をなぞると、既にしっとりと濡れていた。ぬるりとした感覚を知らしめるように指を動かすと、オレの肩をぎゅっと握って恥ずかしそうに目を逸らす。
「ねぇ、どうされたい?」
「...ん、ぁ、ふっ...」
しばらく待っても喘いでばかりで答えないので、少し強めに攻め立てながらもう一度尋ねる。
「あっ...ラビ、ん、や、ら、びっ」
「うん?なぁに?」
「ラビ、の...したいこと、されたい...」
もう何も言いたくないとでも言うように唇を押し当ててくる。柔らかい唇を食みながら、どう切り返すか考える。オレだって、***がされたいことをしたい。***が好きな攻められ方を考えてみる。
「... ***」
「...ん、」
「決めた。あのね...
全身、舐める」
***がきょとんとしてオレを見上げる。あぁ可愛い。今すぐ全部食べてしまいたい。
―――――――――――――――――――――――
服を脱がされても、相変わらず何が始まるのかよくわからない。少し不安で、いつまでも抱き着いたままキスをねだったら笑われた。大きい手が安心させるように頭を撫でてくれる。
「...舐めるの?」
「そうだよ?」
「それだけ?」
「それだけさ」
「ふぅん...」
ラビがシャツを脱ぐのを見ながら考える。舐めてもらうのは気持ちいいし、少し恥ずかしいけどお仕置きになるほどとは思えない。ラビがあたしの嫌がることをするはずがないし、たぶん最終的には気持ちいいことなんだろう。そんな楽観視を見透かされたのか、ラビがニヤリと笑った。
「***、大したことないって思ってるでしょ」
「んー...うん」
素直に頷くと、これだから、みたいな顔をしてため息をつかれた。ちょっとムカつく。
「全身舐められるなんて結構恥ずかしいと思うけどなーオレは...ま、これからのお楽しみってことで...始めるよ」
「...は、い...」
恥ずかしいのか。ちょっと緊張して、伸びてくる手を受け入れる。まず額、頬、唇にキスが落とされた。それから右耳を柔らかく食まれて、首筋をちゅっとリップ音を立てながら鎖骨まで移動していく。舐めるというより、キスを落としていくみたいだ。いつものエッチと同じみたい、と油断していたら、反対側もそっくり同じ動きをされた。いつもならそのまま胸に行くのに、なんだかもどかしい。
「ん...ふ、ぅ...」
そんなに強い刺激じゃないからそこまで声は出ないけど、自分の声と、リップ音と、ラビの息遣いくらいしか聞こえないのが恥ずかしい。身体を捩ったら手首を押さえ付けられて、無理やり犯されている気分になる。
「ひゃっ...あっ」
「ここ好きでしょ、***」
唇が当たるだけだったのが急に舌で撫でられて、心臓に悪い。鎖骨をぬるりと舐められて、それだけで身体が跳ねてしまった。いつの間にか脚を擦り合わせて、いやらしく身体を捩ってしまっている。中からとろりとしたものが滴るのを感じて、シーツに染みができていたらどうしようと思った。確かに、けっこう恥ずかしい。
「もっと声出していいよ?気持ちいいとか...恥ずかしい、とか」
「ん...は、はずかしい...」
「ふふ、これからもっと恥ずかしいからね」
わかってたけど別にやめてくれるわけじゃなく、楽しそうなのが悔しい。でも優しい声が嬉しくて、もっとしてほしいと思ってしまう。
次は指先から胸に向かってキスを落とされる。デコルテを唇が這ったあと、当然来ると思っていた突起への刺激が来ない。かわりに胸の円周と、ギリギリ頂点に当たらない場所ばかり舐められる。少しでも動くとラビが離れてしまって、すごく寂しい。
「ん、んー...」
「こーら、動いちゃだめ。縛るよ?」
「やぁ...だってぇ...」
「お仕置きなんだから、欲しいものあげるわけないでしょ」
「...終わったら、くれる?」
「うん、いっぱいあげるさ」
じゃあ頑張る。目で返事をしたら、優しく頭を撫でてくれた。いい子って言ってもらえなくて寂しい。唇はお腹と脇腹を滑って、つま先へ移った。脛から太腿を満遍なく唇で埋めて、次はたぶん背中側。目でどうするか尋ねたら、ラビが膝に手をかけた。
「脚、開くよ」
「え、なん、で」
「内側も、ね?」
「あ、だめ」
「聞かないさ、お仕置きだもん」
「あ、あっ...」
膝裏に差し込まれた手が脚をぐっと持ち上げて、胴体に押し付けるようにして脚を開かされた。そんなに広げることないのに。恥ずかしいけど、気持ちいいから逆らえない。中から溢れた液体がお尻を伝って、シーツを濡らしているのが自分でもわかる。ラビの手が脚の付け根をなぞって、背中がびくりとしなる。
「ふふ、恥ずかしい格好」
「ん、やぁ...」
「お仕置きなのにこんなに濡らしちゃって、お漏らしみたいさ」
「っ...ごめん、なさい...」
「悪い子」
「んっ、あぁっ」
太腿の内側にキスを落とした後、粘膜に触れないギリギリのところを舌が這う。相変わらず止まらない愛液がシーツを汚し続けて、本当にお漏らしみたいで恥ずかしい。しばらくしたらようやく脚を下げられて、ラビがぎゅっと抱きしめてくれた。
「... ***、まだ頑張れる?」
優しい声で尋ねてくる。たぶん、やめてもラビは許してくれる。でも、なんだかそう聞かれると最後までやってみたくなる。今すぐラビが欲しいけど、もうちょっと我慢したらきっとすごく気持ちいい。頷いたら、優しく笑って頭を撫でてくれた。促されるままうつ伏せになる。
「次、背中ね」
「...ん」
頸と肩甲骨、腰まで来たら、今度はふくらはぎから太腿。次がたぶん最後だ。お尻に手を添えられて身構えたら、がぶりと噛まれた。
「いった!なに、急に!」
「いや、***はお尻痛くされるの好きかなーって」
「こういうのじゃ、なくて」
「あ、こっち?」
「や、あんっ」
「...エッチな声」
平手でぱちんと叩かれて、変な声が出てしまった。シーツを握って恥ずかしさに耐えているうちにお尻にキスを落とされて、頑張ったねと頭を撫でられた。
「さーて仕上げさ、***ちゃん」
「...ん?」
「そのままお尻上げて?」
「え、」
「エッチなお漏らしが止まらないそこも、お仕置きしてあげるさ」
「あっ、うそ、だめぇっ」
お尻を上げた姿勢にされて、蕩け切ったそこをぢゅっと吸われる。それだけで視界が白くなって、イかされたことを自覚した。まだぼうっとした意識で、窮屈そうなラビの下半身をまさぐる。心配そうにこちらを見ながら自分で前を寛げて、晒されたものが表情と全然釣り合ってない。
「***、だいじょぶ?もうちょっとゆっくり」
「...やだぁ、ずっと欲しかったもん、やだ」
「...しょうがないさ。いい子だから、ちょっと待ってね」
優しいのが嬉しくて、もっと気持ちよくなりたくてなりふり構えない。ラビがゴムを準備する間もしゃぶりついて困らせてしまったけど、いつも通り優しく挿入してくれる。嬉しくて、ラビをぎゅうぎゅう抱きしめた。
「っ... ***、締めつけ、すごっ...そんな、欲しかった...?」
「んっ、ラビ、ほしかっ、たっ...あっ、あぁっ」
「も、かわいっ... ***、***っ...」
胸の突起を指の腹でなぞって、唇が触れる。優しかった律動がどんどん速くなって、奥を突かれるのが気持ちいい。ずっとラビを感じていたくて、何度も中を締め付けた。
「やばっ... ***のなか、気持ちよすぎるさっ...」
「ら、びっ、ずっと、いれててほしっ...あっ、きもち、んっ、は、あぁっ」
「ん、オレも、きもちいっ...可愛い、***、***っ...」
お尻の下までシーツが濡れているのがわかって、あたしの身体はどうしちゃったんだろうとぼんやり考える。びちゃびちゃと音を立てる結合部を、ちょっと見たいと思ってしまう。体勢を変えて四つん這いの後、寝そべるようにしてラビがあたしに覆い被さる。ちょっと重いけど、守られてるみたいでなんだか安心する。奥までラビでいっぱいになる気がした。
「***っ...これ、やばいっ...なか、すげー締まるっ...」
「んっ、ぁ、らび、ラビっ、きもち、ラビっ...」
「***、***っ...」
何度名前を呼んだかわからなくなった頃、ラビが熱をぐっと奥に押し付けた。ゴム越しに注がれるものを感じながら、ゆっくりと意識を手放した。
―――――――――――――――――――――――
肌寒さで目が覚めた。外はもう暗くて、晩ご飯を食いっぱぐれたことを悟った。小さな灯りだけの部屋にラビはいなくて、寂しくなった頃、扉が開いた。
「あ、起きた?」
「...ラビ」
「ごめんな、これ作ってきたんさ。どっちがいい?」
寂しかった、は言わなくても伝わったらしい。トレーには器が二つあって、卵のお粥と、同じく卵の入ったうどん。病人食みたい、と思ったけど、頭が覚醒してくるにつれて体の怠さを自覚した。そういえば、なんかすごいプレイを繰り広げたような気がする。お粥を指差すと、頷いて小皿に取り分けてくれた。ラビは器からそのままうどんを啜っている。
「食べたらシャワー浴びといで。その間にシーツ替えとくから」
「うん...」
「体、だいじょぶ?」
「...うん」
手厚い。サービスが行き届きすぎていて、思わず笑ってしまった。ラビが変な顔をする。
「な、なんさ」
「だって、優しすぎるんだもん...大丈夫だよ別に」
「いや、だって...あんだけイキ狂ったら疲れただろうなって、思ったんですが」
「い、いき...」
何その単語。エロ雑誌とかでしか見ないようなことを言われて一瞬固まる。あたしそんなだったっけ。急に恥ずかしくなってきた。
空の器を黙って見つめていたら、取り上げられて第二弾を盛ってくれた。黙々と食べるあたしの頭を、大きな手が撫でてくれる。
「すごく可愛かったさ。あぁいう***も、たまには見たいなぁ」
「...たまに、ね、うん」
思い返せば、ラビもいつもより喘いでたような気がする。余裕がなさそうなラビもたまには見たい、と思ったけど、それは言わないことにした。
(女の子の性欲はオーブンって言うけど、あーいう感じか...いやー凄かったさ...)
(何の話?)
(***が可愛いなーって話)