短編
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Halloween Night
オレンジや黒、紫なんかで彩られた秋色の空間。いたるところに様々な表情のカボチャが並び、仄暗い照明が別世界を感じさせる。
今夜はハロウィンパーティーだ。
メイン会場である食堂には次々と料理が並び、一部の大人たちはすでに出来上がっている。思い思いの仮装をした団員たちで溢れかえった会場内。お菓子でいっぱいのカゴを持った***は、それには手をつけずにテーブルの上のものを口へ運んでいた。オレの手には獣らしい爪のついたグローブが嵌っているので、***がオレの口にも料理を放り込んでくれる。いつもなら喜んで受け入れるところだが、正直複雑だった。オレは***に繋がれている。比喩ではない。オレの首につけられた首輪から伸びる鎖を、***が緩く握っていた。
「...何でこんなことに...」
「ラビのリクエストでしょ?狼男」
「そうだけど、そうじゃなくて、なんで狼男が赤ずきんに繋がれてんの?」
「...赤ずきんってこういう話じゃなかったっけ」
「とぼけるんじゃありません」
***はオレの口にチーズの乗ったクラッカーを放り込んで黙らせにかかる。
別に合わせたわけではないのだが、蓋を開けてみれば見事にオレが狼男、***が赤ずきんの仮装をしていたのだ。一緒にいれば何かと冷やかされるわけで、アクセサリー的につけていた首輪の鎖を***が照れ隠しに弄び始めてからなんだかこのスタイルが定着してしまった。狼を従える赤ずきんというのは見た目的に面白いのだが、男としてのプライドが少しずつ削られているのでそろそろやめていただきたい。
「ねぇ***ちゃん、手離して」
「えー...あ、これ美味しい」
何度目かの提言にもあまり取り合う気はなさそうで、細い指先がテーブルに並べられたチョコレートをつまむ。小さな唇から赤い舌が覗いた。ふわふわとした膝丈のスカートから伸びる脚と、どこか幼さを感じさせるフード付きの赤いケープ。心なしか食べ方がエロティックに見えるのは、場の雰囲気のせいか衣装のせいか。腰を抱いて顔を近づけると、甘い香りがした。
「そういうことしてるとさぁ...食べちゃうよ?」
「はい、ラビも」
「いや、お菓子じゃなくてさ...あ」
満月のようなクッキーが顔の前にかざされた。しばらく見つめ合っていると、***が首を傾げる。気付けば***の口にクッキーを押し込んで、その間に半ば担ぐようにして彼女を部屋へ誘拐していた。
―――――――――――――――――――――――
赤ずきんをベッドへ放り投げ、唇を塞ぐ。クッキーのカケラが残っていたのか、少しザラついた甘い舌が遠慮がちに絡みついてきた。食べるように貪り続け、苦しそうに背中を掴む手を感じて唇を離す。少し息を上げた***が、上目遣いでオレを見ていた。
「な、に?急に...」
「***が丸いもの見せるから、我慢出来なくなっちゃった」
「まる...?あ、」
「それに、そろそろ限界さ。こんなに美味しそうな格好しちゃって」
「やっ...あ、」
「あっごめん」
脚に手を滑らせた時、爪が引っかかってストッキングの太腿のあたりに線が入った。破れてみて初めてストッキングだったとわかるほどに薄くて、何で履いていたのかオレにはさっぱりわからない。ただ破れ目から覗いた***の肌がとにかく艶めかしく見えて、謝りながらもつい撫で回してしまった。
「ちょっと、何してるの」
「だってさ、何かエロくて...」
「そうかなぁ...」
撫でるうちに線が広がり、柔らかい太腿が露わになっていくのを目の当たりにして何故だか募る背徳感。だけど我慢が出来なかった。だってオレは今、狼男だ。
「ねぇ***、破ってもいい?」
「...え?」
「ストッキング、破らせて」
「は」
「お願い、一回やってみたかったんさ!」
「え...何が楽しいの?」
「男のロマンってやつ?」
「そうなの...?もう穿かないから、別にいいけど...」
いまいち理解してもらえていないようだがとにかく許可は下りたわけで、ドキドキしながら反対側の脚へ手を伸ばす。肌を傷付けないように気を付けながら薄い布を慎重に摘み、少し爪を立てれば簡単に破れた。空いた穴に指を突っ込んで裂いていくのは気持ちがいい。ふと、こちらをじっと見つめる***の視線に気付いた。
「なぁに***?」
「だって、なんか、真剣な顔してるから...」
「見惚れちゃった?」
「...うん」
思いがけず素直な返事にこちらが照れる。誤魔化すように深くキスをして、ふやかした***の身体を転がす。太腿の裏を撫でて、さっきと同じ要領でここも破っていく。***が大人しくされるがままなのをいいことに、スカートを捲ってみる。尻の割れ目をなぞると、***が弾かれたように身をよじった。
「あっ、そこはだめっ」
「何で?どう考えてもここがメインでしょ」
「だってちょっと、は...恥ずかしい...」
「えぇーそんな今更...あ、トリックオアトリート」
手を差し出すと、***の目が泳ぐ。今日一日かけてもらったお菓子は、食堂に置き去りだ。逡巡した***が口を開く。
「と、トリックオアトリート!」
同じように手を差し出されたが、なんてことはない。こんなこともあろうかとポケットに入れていたチョコレートの包みを見せて、ニヤリと笑ってやる。
「残念だった?赤ずきんちゃん」
「う...」
チョコレートを***に食べさせ、抵抗する権利がないことを思い知らせる。納得いかないような顔で見上げてくるが、お菓子がなければいたずらされるのはれっきとしたハロウィンのルールだ。眉間にしわを寄せながらも美味しい、と呟いた***を可愛いと思いつつ、飲み込んだ後で思い出したように言ってみせた。
「ちなみにそのチョコ、媚薬入り」
「えっ?!」
「だったらどうする?...ま、いたずらされてみればわかるさ」
「...ラビの、ばか」
「そういうこと言う子には、これもあげる」
「え、あ、やだ、」
自分の首にあった首輪を***の細い首にはめ、長い鎖の先をベッドの柵に繋ぐ。チョコレートに含まれる媚薬は、そんなに多くはない。これがプラシーボ効果でどれだけの力を発揮するかは、これからのオレの密かなお楽しみだ。
「赤ずきんちゃん、捕まえた」
鎖を少し強引に引っ張ってこちらを向かせ、キスをする。形勢逆転の優越感。
ハロウィンパーティーはこれからだ。
―――――――――――――――――――――――
ラビの言う通り四つん這いになってお尻を突き出す。ちょっと強引に鎖を引かれたことにドキドキして、いつの間にか体が言うことを聞いてしまった。鎖が柵に繋がれているのが目に入って一気に恥ずかしくなる。ラビがそれをわかっていないはずがない。嬉しそうに笑っているのが気配でわかるくらいだ。じっくりお尻を撫で回した後、真ん中あたりの布が引っ張られる。つぷりと爪を立てる音がした後は、一気に力を入れて引き裂かれた。ストッキングって何でこんなに破れやすいんだろう。自分が今どんな格好になっているかなんて、考えただけで恥ずかしい。シーツを握りしめる力が強くなる。
「白かぁ、興奮するさ」
「言わない、で」
もちろん下着の色のことで、そんなことは薄いストッキングなら破く前からわかる。わざわざ言うことで羞恥心を煽っているのはわかっているけど、それでも顔が熱くなる。追い討ちのように下着を横にずらされて、自分でもわかるほど濡れてしまっている秘部が外気に触れた。
「***、まだ何もしてないのにとろとろだけど...媚薬のせい?」
「わかん、ない...っ」
「そう?じゃあもうちょっとしてみよっか」
「あっ、それだめ、あぁっ...」
「だって指使えないさ、我慢して...いただきます」
温かい舌が、全体で液体を舐め取るように這う。舌の形を変えながら何度も割れ目を往復した後、ゆっくり中へ入ってきた。いつもと違う快感に耐えられない。暴れそうになる身体を叱るように、お尻を強く掴まれる。気持ち良すぎて恥ずかしいくらい声が抑えられなくて、脚が震える。突起を執拗に攻められたらもうだめで、我慢できない液体が自分の中から溢れた。大腿を伝ったそれが中途半端に残っているストッキングに染みていくのを感じて、恥ずかしくて死にそうになる。ラビの声が楽しそうに響いた。
「こんなに濡らしちゃって...***、そんなに気持ち良かった?」
声が出なくて、取り敢えず頷いた。頭を撫でる手が優しい。身体が離れて、後ろで金具の音がした。熱いものが押し当てられる。
「もっと美味しく食べてあげるから、ね」
「あっ!...っあ、んっ」
舌とは比べ物にならない質量で奥を突かれる。肌がぶつかる音と、結合部の水音。そして、繋がれた鎖の音がやけに大きく聞こえる。
薬の所為なのかぼーっとする頭で、何でこんなことになったんだっけ?と一瞬考える。
何も言ってないのにあたしが赤ずきんでラビが狼男だったのは、何だか気持ちが通じたみたいで嬉しかった。問題だったのはラビの衣装で、上半身がほとんど裸みたいなものだったから、照れてしまって直視出来ないだけだった。それに、そんな格好で他の女の子がいるところに行ってほしくなかった。それが素直に言えていればこんなことには...いや、そんなことは関係ない。何だかんだ理由をつけて食べられていたに違いないのだ。狼男なんだから。
どんどん激しくなるピストン運動にそろそろ思考が破綻して、快感以外のことが考えられなくなってきた。獣の手でラビがあたしの手首を強く掴む。耳を食べるように噛まれて、本当に狼に捕まって犯されているみたいだ。
「んっ、あっ、...ラ、ビっ...」
「***、可愛いっ...***っ」
奥を突き上げて、中に熱いものが注ぎ込まれる。子どもができたら狼と人間のハーフになっちゃうのかなぁなんて、馬鹿なことを考えながらそのまま意識を手放した。
―――――――――――――――――――――――
目が覚めたら、服が全て脱がされていた。身体も拭いてくれたらしい。ラビも装飾を全て外して、人間に戻っている。時計を見ると早朝と真夜中の間。身体を動かしたらジャラ、と音がした。ラビが目を覚ます。
「...あ、***起きた...?」
「ねぇ...これ外してよ」
鎖の先はまだベッドの柵に絡まっていた。複雑な絡み方をしていて、一見外れそうにない。ラビは一度寝返りを打って、改めて鎖を見て楽しそうな顔をした。
「ん...?あー、これね、うーん...まだダメ」
「何で?」
「***だって、オレのお願い聞いてくれなかったじゃん」
「それは、その、ちゃんと理由あるもん」
「ふーん、どんな?」
自分を納得させるほどの理由なら言ってみろ、という余裕の表情をしている。あわよくばこのまま開戦、そういう顔だ。悔しくてその顔を崩すべく、口を開く。
「ラビが、かっこいいから...取られたくなかったの」
「...えっ」
ラビが目を見開く。
じわじわ恥ずかしくなってきて、やっぱり言わなきゃよかったと思いながら目を逸らして鎖を弄ぶ。
大きな手が頭を撫でて、優しいキスが降ってきた。
「何でそれ早く言ってくれないかなぁ...***ほんっと可愛い」
「言ったらどうしてた?」
「もっと優しく食べてあげたさ」
「嘘」
「うん、ごめん嘘」
笑って、首輪を外してくれた。首筋を撫でて、痛かった?と気遣ってくれる。昨日の荒々しい狼男とは大違いだ。
「ラビ、狼男向いてない」
「えー何で?かっこよかったでしょ?」
「そうじゃなくて、そんなに優しかったら誰も食べられないよ」
「大丈夫さ、***しか食べないから」
「...意味違う」
優しく抱きしめられて、頭を撫でられればすぐに眠たくなってくる。置き忘れたお菓子は誰か届けてくれるだろうか。それとも、既に誰かさんの胃の中だろうか。朝から食堂の片付けを手伝わされるんだろうなぁと思いながら、温かい腕の中で安心して目を閉じた。
(ねぇラビ、鎖が絡まって取れないんだけど)
(いいじゃんこのままで、使えるし)
(やだよ!誰かに見られたら何て思われるか...え、使えるって何?)
オレンジや黒、紫なんかで彩られた秋色の空間。いたるところに様々な表情のカボチャが並び、仄暗い照明が別世界を感じさせる。
今夜はハロウィンパーティーだ。
メイン会場である食堂には次々と料理が並び、一部の大人たちはすでに出来上がっている。思い思いの仮装をした団員たちで溢れかえった会場内。お菓子でいっぱいのカゴを持った***は、それには手をつけずにテーブルの上のものを口へ運んでいた。オレの手には獣らしい爪のついたグローブが嵌っているので、***がオレの口にも料理を放り込んでくれる。いつもなら喜んで受け入れるところだが、正直複雑だった。オレは***に繋がれている。比喩ではない。オレの首につけられた首輪から伸びる鎖を、***が緩く握っていた。
「...何でこんなことに...」
「ラビのリクエストでしょ?狼男」
「そうだけど、そうじゃなくて、なんで狼男が赤ずきんに繋がれてんの?」
「...赤ずきんってこういう話じゃなかったっけ」
「とぼけるんじゃありません」
***はオレの口にチーズの乗ったクラッカーを放り込んで黙らせにかかる。
別に合わせたわけではないのだが、蓋を開けてみれば見事にオレが狼男、***が赤ずきんの仮装をしていたのだ。一緒にいれば何かと冷やかされるわけで、アクセサリー的につけていた首輪の鎖を***が照れ隠しに弄び始めてからなんだかこのスタイルが定着してしまった。狼を従える赤ずきんというのは見た目的に面白いのだが、男としてのプライドが少しずつ削られているのでそろそろやめていただきたい。
「ねぇ***ちゃん、手離して」
「えー...あ、これ美味しい」
何度目かの提言にもあまり取り合う気はなさそうで、細い指先がテーブルに並べられたチョコレートをつまむ。小さな唇から赤い舌が覗いた。ふわふわとした膝丈のスカートから伸びる脚と、どこか幼さを感じさせるフード付きの赤いケープ。心なしか食べ方がエロティックに見えるのは、場の雰囲気のせいか衣装のせいか。腰を抱いて顔を近づけると、甘い香りがした。
「そういうことしてるとさぁ...食べちゃうよ?」
「はい、ラビも」
「いや、お菓子じゃなくてさ...あ」
満月のようなクッキーが顔の前にかざされた。しばらく見つめ合っていると、***が首を傾げる。気付けば***の口にクッキーを押し込んで、その間に半ば担ぐようにして彼女を部屋へ誘拐していた。
―――――――――――――――――――――――
赤ずきんをベッドへ放り投げ、唇を塞ぐ。クッキーのカケラが残っていたのか、少しザラついた甘い舌が遠慮がちに絡みついてきた。食べるように貪り続け、苦しそうに背中を掴む手を感じて唇を離す。少し息を上げた***が、上目遣いでオレを見ていた。
「な、に?急に...」
「***が丸いもの見せるから、我慢出来なくなっちゃった」
「まる...?あ、」
「それに、そろそろ限界さ。こんなに美味しそうな格好しちゃって」
「やっ...あ、」
「あっごめん」
脚に手を滑らせた時、爪が引っかかってストッキングの太腿のあたりに線が入った。破れてみて初めてストッキングだったとわかるほどに薄くて、何で履いていたのかオレにはさっぱりわからない。ただ破れ目から覗いた***の肌がとにかく艶めかしく見えて、謝りながらもつい撫で回してしまった。
「ちょっと、何してるの」
「だってさ、何かエロくて...」
「そうかなぁ...」
撫でるうちに線が広がり、柔らかい太腿が露わになっていくのを目の当たりにして何故だか募る背徳感。だけど我慢が出来なかった。だってオレは今、狼男だ。
「ねぇ***、破ってもいい?」
「...え?」
「ストッキング、破らせて」
「は」
「お願い、一回やってみたかったんさ!」
「え...何が楽しいの?」
「男のロマンってやつ?」
「そうなの...?もう穿かないから、別にいいけど...」
いまいち理解してもらえていないようだがとにかく許可は下りたわけで、ドキドキしながら反対側の脚へ手を伸ばす。肌を傷付けないように気を付けながら薄い布を慎重に摘み、少し爪を立てれば簡単に破れた。空いた穴に指を突っ込んで裂いていくのは気持ちがいい。ふと、こちらをじっと見つめる***の視線に気付いた。
「なぁに***?」
「だって、なんか、真剣な顔してるから...」
「見惚れちゃった?」
「...うん」
思いがけず素直な返事にこちらが照れる。誤魔化すように深くキスをして、ふやかした***の身体を転がす。太腿の裏を撫でて、さっきと同じ要領でここも破っていく。***が大人しくされるがままなのをいいことに、スカートを捲ってみる。尻の割れ目をなぞると、***が弾かれたように身をよじった。
「あっ、そこはだめっ」
「何で?どう考えてもここがメインでしょ」
「だってちょっと、は...恥ずかしい...」
「えぇーそんな今更...あ、トリックオアトリート」
手を差し出すと、***の目が泳ぐ。今日一日かけてもらったお菓子は、食堂に置き去りだ。逡巡した***が口を開く。
「と、トリックオアトリート!」
同じように手を差し出されたが、なんてことはない。こんなこともあろうかとポケットに入れていたチョコレートの包みを見せて、ニヤリと笑ってやる。
「残念だった?赤ずきんちゃん」
「う...」
チョコレートを***に食べさせ、抵抗する権利がないことを思い知らせる。納得いかないような顔で見上げてくるが、お菓子がなければいたずらされるのはれっきとしたハロウィンのルールだ。眉間にしわを寄せながらも美味しい、と呟いた***を可愛いと思いつつ、飲み込んだ後で思い出したように言ってみせた。
「ちなみにそのチョコ、媚薬入り」
「えっ?!」
「だったらどうする?...ま、いたずらされてみればわかるさ」
「...ラビの、ばか」
「そういうこと言う子には、これもあげる」
「え、あ、やだ、」
自分の首にあった首輪を***の細い首にはめ、長い鎖の先をベッドの柵に繋ぐ。チョコレートに含まれる媚薬は、そんなに多くはない。これがプラシーボ効果でどれだけの力を発揮するかは、これからのオレの密かなお楽しみだ。
「赤ずきんちゃん、捕まえた」
鎖を少し強引に引っ張ってこちらを向かせ、キスをする。形勢逆転の優越感。
ハロウィンパーティーはこれからだ。
―――――――――――――――――――――――
ラビの言う通り四つん這いになってお尻を突き出す。ちょっと強引に鎖を引かれたことにドキドキして、いつの間にか体が言うことを聞いてしまった。鎖が柵に繋がれているのが目に入って一気に恥ずかしくなる。ラビがそれをわかっていないはずがない。嬉しそうに笑っているのが気配でわかるくらいだ。じっくりお尻を撫で回した後、真ん中あたりの布が引っ張られる。つぷりと爪を立てる音がした後は、一気に力を入れて引き裂かれた。ストッキングって何でこんなに破れやすいんだろう。自分が今どんな格好になっているかなんて、考えただけで恥ずかしい。シーツを握りしめる力が強くなる。
「白かぁ、興奮するさ」
「言わない、で」
もちろん下着の色のことで、そんなことは薄いストッキングなら破く前からわかる。わざわざ言うことで羞恥心を煽っているのはわかっているけど、それでも顔が熱くなる。追い討ちのように下着を横にずらされて、自分でもわかるほど濡れてしまっている秘部が外気に触れた。
「***、まだ何もしてないのにとろとろだけど...媚薬のせい?」
「わかん、ない...っ」
「そう?じゃあもうちょっとしてみよっか」
「あっ、それだめ、あぁっ...」
「だって指使えないさ、我慢して...いただきます」
温かい舌が、全体で液体を舐め取るように這う。舌の形を変えながら何度も割れ目を往復した後、ゆっくり中へ入ってきた。いつもと違う快感に耐えられない。暴れそうになる身体を叱るように、お尻を強く掴まれる。気持ち良すぎて恥ずかしいくらい声が抑えられなくて、脚が震える。突起を執拗に攻められたらもうだめで、我慢できない液体が自分の中から溢れた。大腿を伝ったそれが中途半端に残っているストッキングに染みていくのを感じて、恥ずかしくて死にそうになる。ラビの声が楽しそうに響いた。
「こんなに濡らしちゃって...***、そんなに気持ち良かった?」
声が出なくて、取り敢えず頷いた。頭を撫でる手が優しい。身体が離れて、後ろで金具の音がした。熱いものが押し当てられる。
「もっと美味しく食べてあげるから、ね」
「あっ!...っあ、んっ」
舌とは比べ物にならない質量で奥を突かれる。肌がぶつかる音と、結合部の水音。そして、繋がれた鎖の音がやけに大きく聞こえる。
薬の所為なのかぼーっとする頭で、何でこんなことになったんだっけ?と一瞬考える。
何も言ってないのにあたしが赤ずきんでラビが狼男だったのは、何だか気持ちが通じたみたいで嬉しかった。問題だったのはラビの衣装で、上半身がほとんど裸みたいなものだったから、照れてしまって直視出来ないだけだった。それに、そんな格好で他の女の子がいるところに行ってほしくなかった。それが素直に言えていればこんなことには...いや、そんなことは関係ない。何だかんだ理由をつけて食べられていたに違いないのだ。狼男なんだから。
どんどん激しくなるピストン運動にそろそろ思考が破綻して、快感以外のことが考えられなくなってきた。獣の手でラビがあたしの手首を強く掴む。耳を食べるように噛まれて、本当に狼に捕まって犯されているみたいだ。
「んっ、あっ、...ラ、ビっ...」
「***、可愛いっ...***っ」
奥を突き上げて、中に熱いものが注ぎ込まれる。子どもができたら狼と人間のハーフになっちゃうのかなぁなんて、馬鹿なことを考えながらそのまま意識を手放した。
―――――――――――――――――――――――
目が覚めたら、服が全て脱がされていた。身体も拭いてくれたらしい。ラビも装飾を全て外して、人間に戻っている。時計を見ると早朝と真夜中の間。身体を動かしたらジャラ、と音がした。ラビが目を覚ます。
「...あ、***起きた...?」
「ねぇ...これ外してよ」
鎖の先はまだベッドの柵に絡まっていた。複雑な絡み方をしていて、一見外れそうにない。ラビは一度寝返りを打って、改めて鎖を見て楽しそうな顔をした。
「ん...?あー、これね、うーん...まだダメ」
「何で?」
「***だって、オレのお願い聞いてくれなかったじゃん」
「それは、その、ちゃんと理由あるもん」
「ふーん、どんな?」
自分を納得させるほどの理由なら言ってみろ、という余裕の表情をしている。あわよくばこのまま開戦、そういう顔だ。悔しくてその顔を崩すべく、口を開く。
「ラビが、かっこいいから...取られたくなかったの」
「...えっ」
ラビが目を見開く。
じわじわ恥ずかしくなってきて、やっぱり言わなきゃよかったと思いながら目を逸らして鎖を弄ぶ。
大きな手が頭を撫でて、優しいキスが降ってきた。
「何でそれ早く言ってくれないかなぁ...***ほんっと可愛い」
「言ったらどうしてた?」
「もっと優しく食べてあげたさ」
「嘘」
「うん、ごめん嘘」
笑って、首輪を外してくれた。首筋を撫でて、痛かった?と気遣ってくれる。昨日の荒々しい狼男とは大違いだ。
「ラビ、狼男向いてない」
「えー何で?かっこよかったでしょ?」
「そうじゃなくて、そんなに優しかったら誰も食べられないよ」
「大丈夫さ、***しか食べないから」
「...意味違う」
優しく抱きしめられて、頭を撫でられればすぐに眠たくなってくる。置き忘れたお菓子は誰か届けてくれるだろうか。それとも、既に誰かさんの胃の中だろうか。朝から食堂の片付けを手伝わされるんだろうなぁと思いながら、温かい腕の中で安心して目を閉じた。
(ねぇラビ、鎖が絡まって取れないんだけど)
(いいじゃんこのままで、使えるし)
(やだよ!誰かに見られたら何て思われるか...え、使えるって何?)