短編
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プラスマイナス
「***」
「ん?」
書庫室。人のいない棚の後ろに***を誘い込んで、キスをした。ぐっと屈むと***が少し背伸びをして、オレの首に腕を回す。そして、最近うっすら感じていたことが確信に変わった。
柔らかい唇の感触を楽しんで、ちょうど手の届く位置にある尻を軽く掴んだら髪を引っ張られた。
「いてっ」
「こら」
「だってちょうど触りやすいとこに...ご、ごめん」
分厚い本の角を向けられたので両手を挙げて謝る。冷たい視線を投げてまた本を探しに戻る***に近付いた。こっちを向いてはくれないけれど、気にはしてくれているのがなんとなくわかる。
「なに?」
「***、オレさぁ、背伸びたと思わない?」
「...で?」
「えー、女の子って背高い男好きじゃない?」
「見上げる方は首が痛いんだからね」
「...あ、そっか」
オレと***の身長差は、確実に20センチ以上あった。密着している状態では、***はほぼ真上を向かないと顔が見られない。下を向くより、上を向く方がはるかに疲れる。その感覚は久しく忘れていた。
***が目当ての本を見つけて手を伸ばすが、届かない。二、三回弾みをつけて飛んでみても届かないので、目標を指差しながらオレを見上げてきた。ついさっきの冷たい視線は忘れたのかというくらい真っ直ぐな目で見つめられたので、仕方なく...を演出しつつ嬉々として本を取ってやる。小さい唇がありがと、と呟いた。中身を確認するのを見ながら、側にあった脚立に寄りかかる。
「お兄さんを脚立代わりに使うのはどうかと思うさ」
「駄目?」
「駄目じゃないけど...」
***が本を閉じて近付いてきた。真っ直ぐ立とうとしたら、シャツを引っ張られてそのままキスされる。
「***...?」
「前は、背伸びしたら届いたのになぁ」
***が手を伸ばしてオレの頭をポンポンと叩く。そういえば、付き合い始めた頃はこれくらいの身長差だったかもしれない。不意打ちを食らって、思わず頬に熱が集まる。
ボケっとしている間に***はもう歩き出していて、慌ててその背中を追いかけた。
(あれ、***今日ヒール高いさ)
(うーこれでも届かない)
(可愛い...)
「***」
「ん?」
書庫室。人のいない棚の後ろに***を誘い込んで、キスをした。ぐっと屈むと***が少し背伸びをして、オレの首に腕を回す。そして、最近うっすら感じていたことが確信に変わった。
柔らかい唇の感触を楽しんで、ちょうど手の届く位置にある尻を軽く掴んだら髪を引っ張られた。
「いてっ」
「こら」
「だってちょうど触りやすいとこに...ご、ごめん」
分厚い本の角を向けられたので両手を挙げて謝る。冷たい視線を投げてまた本を探しに戻る***に近付いた。こっちを向いてはくれないけれど、気にはしてくれているのがなんとなくわかる。
「なに?」
「***、オレさぁ、背伸びたと思わない?」
「...で?」
「えー、女の子って背高い男好きじゃない?」
「見上げる方は首が痛いんだからね」
「...あ、そっか」
オレと***の身長差は、確実に20センチ以上あった。密着している状態では、***はほぼ真上を向かないと顔が見られない。下を向くより、上を向く方がはるかに疲れる。その感覚は久しく忘れていた。
***が目当ての本を見つけて手を伸ばすが、届かない。二、三回弾みをつけて飛んでみても届かないので、目標を指差しながらオレを見上げてきた。ついさっきの冷たい視線は忘れたのかというくらい真っ直ぐな目で見つめられたので、仕方なく...を演出しつつ嬉々として本を取ってやる。小さい唇がありがと、と呟いた。中身を確認するのを見ながら、側にあった脚立に寄りかかる。
「お兄さんを脚立代わりに使うのはどうかと思うさ」
「駄目?」
「駄目じゃないけど...」
***が本を閉じて近付いてきた。真っ直ぐ立とうとしたら、シャツを引っ張られてそのままキスされる。
「***...?」
「前は、背伸びしたら届いたのになぁ」
***が手を伸ばしてオレの頭をポンポンと叩く。そういえば、付き合い始めた頃はこれくらいの身長差だったかもしれない。不意打ちを食らって、思わず頬に熱が集まる。
ボケっとしている間に***はもう歩き出していて、慌ててその背中を追いかけた。
(あれ、***今日ヒール高いさ)
(うーこれでも届かない)
(可愛い...)