短編
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見えなくても
「......っ...、***っ...」
思わず声が洩れて、***の名前を呼んだ。もうすぐ限界だ。右手の動きは緩めず、ベッドの側にあるティッシュを何枚か掴む。***が自分の下で喘ぐのを想像しながら、ティッシュの中に欲を吐き出した。
額から汗が一粒落ちる。肩で息をしていた。
任務先のベッドの上、汚れた手と湿ったティッシュを握りしめたまま、しばらく動けないでいる。息が落ち着いて、天井を仰いだ。
「あー...***に会いてー...」
今はそれ以外、何も考えられなかった。
―――――――――――――――――――――――
『...ラビ?』
通信が入る。一呼吸置いて繋げたら今いちばん聴きたい愛しい声がして、オレは弾かれたように顔を上げた。
***のことを考えすぎて幻聴かと思ったが、どうやらそうではないらしい。確実に自分のゴーレムから、***の声がしていた。少しぼーっとしてしまって、オレは慌てて返事をする。
「***?ごめん、ちょっと集中してた...新聞、読んでて」
ベッドサイドに置いた新聞を見て咄嗟に答える。新聞は確かに読んだ。 集中していたのもまぁ、嘘ではない。丸めたティッシュを捨て、新しいもので手を拭きながら答える。別に見られているわけでもないのに、何故か焦っていた。
『あ、ごめんね邪魔しちゃった?』
「だ、大丈夫さ!ちょうどキリのいいとこだったし」
いや、新聞のキリのいいとこってなんだ。何か変なことを言ったような、言ってないような。額の汗を拭う。身体も、思ったより汗をかいていた。
『どうしたの?...なんか変なことしてた?』
「してねぇって...ちょっと暑くてさ。服脱いでたんだけど、やっぱ着るわ。冷えるし」
『風邪ひかないでね?』
「うん」
もっともらしい理由をつけて、衣服を整える。これでベルトの音がしても怪しまれない。いや暑いからってズボンまで脱ぐか?焦りすぎてちょっとわからなくなってきた。
「...どした?」
『え?あぁ...ちょっとラビの声が聞きたいなーと、思って』
「そっか...今なにしてんの?」
『部屋で...ぼーっとしてた』
「そう...今、どんな格好?」
『いつもの部屋着、だけど...なに、そ、そういうのしなからね』
「やだなぁ***、オレそんなつもりじゃ」
『...嘘ばっかり』
声だけで***が顔を赤くするのが想像できた。あわよくば、と思ったがお見通しのようだ。内心残念に思いながら、一応聞きたいことを聞いておく。
「で、下着は何色?」
『ばっ......』
色だけ聞けばどの下着かは特定できる。それの何がいいかと言うと、妄想の解像度が上がる。装飾も手触りもばっちり覚えているからだ。しかしさすがにデリカシーがなかったのか、しばらく変な沈黙が流れた。耐えられず口を開きかけた時、***の声がした。
『穿いてません』
「えっ?」
思わずデカい声が出る。さっき治まったと思った熱が、再び湧き上がってくる。
『...だから、穿いてないので色は答えられません!満足?!眠いから寝る!じゃあね!』
「えっちょ待ってよ***!」
通信が切れ、さっきよりもっと変な沈黙が流れる。それきり***は、どんなに呼びかけても返事をしてくれなかった。絶対起きてるくせに、完全に無視されている。
悶々としたままベッドに寝転がり、欲望が赴くままにズボンを寛げて自身を刺激した。...***のせいだ。とんでもない爆弾を落とされて、オレはどうすればいい。
「はぁっ......***...覚えとけ、よ」
***の可愛い声と痴態を想像して、またオレは一人の世界に入っていった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
目覚めて、最初に目に入ったのはセーターの袖だった。ラビがあたしの部屋に置いたままにしている服で、昨日はこれを着て寝た。ぶかぶかの袖を眺めて、引っ張ったり捲ったりしてみる。昨日のラビとの会話を思い出して、変なことを言ったと思い出して恥ずかしくなった。
起き上がりベッドに腰掛けた脚を揺らしながら、下着を穿いていなかったことを思い出した。が、穿く前にトイレに行ってこよう。どうせラビが帰ってくるのは昼頃だ。...いや、もう11時だからそろそろ帰ってくる。寝すぎてしまった。
伸びをしながらトイレに向かう。戻ってきて下着を穿こうとするが、ない。記憶を辿りながら周りを見渡すと、ベッドと壁の隙間に挟まっていた。もうすぐ救出できると思った時、うるさい足音が聞こえた。タイミングがすこぶる悪い。
「***ーーー!!たっだいまーーーーー!!!」
ドアが思い切り開かれる。扉を閉めるのもそこそこに大きな身体がダイブしてきて、そのまま二人してベッドに倒れた。
「ちょ、ラビっ...おも、いっ!」
「愛しい彼氏が帰ってきたってのにひどいさー!」
「わかったからどいて、潰れる...」
なんとかラビの下から這い出して、ベッドに大の字になったままのラビに覆いかぶさる。そのまま唇にキスを落とした。
「おかえり、ラビ」
「ん、ただいま***」
抱きしめ合ったままの体勢で、しばらくお互いの温もりを確かめる。しばらくすると、ラビの手が腰に伸びてきた。
「ちょっと、あたし今起きたの!」
「え?まーたこんな時間まで寝てたん?ちゃんとご飯食べないとダメさ」
「ラビもね」
「じゃ食堂行こっか。オレ腹減った~」
「ん」
起き上がったとき、セーターがずれて肩が露わになる。ラビの視線が瞬時にそこに吸い寄せられた。わかりやすいやつだ。
「...あれ、***これ、オレのセーター」
「置きっ放しだったでしょ、...寒かったから借りた」
「...そう...そのわりには、なんつーか...下が薄着じゃない...?」
「そ、そんなことないっ...着替えるから、先行っててよ」
「えー見てちゃだめ?」
「だーめ」
抱きついて離れない大きな身体をなんとか起こして、ドアの前まで連れてくる。ぎゅうぎゅうとくっついて、離れる気はなさそうだ。
「...離れてくれないなら、このまま出るけど?」
「ダメダメ!そんな格好で出たら食べられちゃうさ!」
「はいはい、じゃあ離れて」
「うー......えいっ」
「きゃっ!」
「え」
ラビがセーターの裾を上に引っ張った。咄嗟に両手で押さえたけど、穿いてないのは絶対に見られた。彼氏の服を着て寝て、しかも穿いてなくて、変態だと思われる。顔が熱い。恥ずかしさで瞑った目を恐る恐る開けると、何故かラビも恥ずかしそうな顔をしていた。何で?
呆然としている間に、抱えられてベッドまで連れ戻される。あっという間にラビに組み敷かれた。
「ラ、ビ...?」
「...その格好で外出るつもりだった?」
「違う、ラビがわがまま言うから...」
「まぁいいや...昨日はオレの服着て?下着もつけないで寝たわけ?穿いてないのは本当だったんだ」
「う、」
「***もしかして、昨日話したあと一人で...した?いや、話す前してた?」
「してっ...し、.........した...けど!ラビだってしてた、でしょ!」
開き直って言ってやった。今度はラビが一気に顔を赤くする。
「えっいやオレは...な、何で知ってるんさ...」
「わかんない、けど...わかるもん、何か...声とか、雰囲気で...」
「なんさ、それ」
唇、頬、首、いろんなところにキスが降ってきた。セーターをずり上げられる。
「やっ...」
「なぁ...***食べても、いい...?」
綺麗な緑の瞳の奥に、熱い欲情の色が見える。昨日、何度も思い浮かべたものが目の前にある。あたしは何かに操られたみたいに頷くしかない。
「うん...食べ、て...」
今度はあたしから、キスをした。
(ふーん、***も一人でするんだ...ふーん...なに想像したの?)
(お、教えない教えるわけない!)
「......っ...、***っ...」
思わず声が洩れて、***の名前を呼んだ。もうすぐ限界だ。右手の動きは緩めず、ベッドの側にあるティッシュを何枚か掴む。***が自分の下で喘ぐのを想像しながら、ティッシュの中に欲を吐き出した。
額から汗が一粒落ちる。肩で息をしていた。
任務先のベッドの上、汚れた手と湿ったティッシュを握りしめたまま、しばらく動けないでいる。息が落ち着いて、天井を仰いだ。
「あー...***に会いてー...」
今はそれ以外、何も考えられなかった。
―――――――――――――――――――――――
『...ラビ?』
通信が入る。一呼吸置いて繋げたら今いちばん聴きたい愛しい声がして、オレは弾かれたように顔を上げた。
***のことを考えすぎて幻聴かと思ったが、どうやらそうではないらしい。確実に自分のゴーレムから、***の声がしていた。少しぼーっとしてしまって、オレは慌てて返事をする。
「***?ごめん、ちょっと集中してた...新聞、読んでて」
ベッドサイドに置いた新聞を見て咄嗟に答える。新聞は確かに読んだ。 集中していたのもまぁ、嘘ではない。丸めたティッシュを捨て、新しいもので手を拭きながら答える。別に見られているわけでもないのに、何故か焦っていた。
『あ、ごめんね邪魔しちゃった?』
「だ、大丈夫さ!ちょうどキリのいいとこだったし」
いや、新聞のキリのいいとこってなんだ。何か変なことを言ったような、言ってないような。額の汗を拭う。身体も、思ったより汗をかいていた。
『どうしたの?...なんか変なことしてた?』
「してねぇって...ちょっと暑くてさ。服脱いでたんだけど、やっぱ着るわ。冷えるし」
『風邪ひかないでね?』
「うん」
もっともらしい理由をつけて、衣服を整える。これでベルトの音がしても怪しまれない。いや暑いからってズボンまで脱ぐか?焦りすぎてちょっとわからなくなってきた。
「...どした?」
『え?あぁ...ちょっとラビの声が聞きたいなーと、思って』
「そっか...今なにしてんの?」
『部屋で...ぼーっとしてた』
「そう...今、どんな格好?」
『いつもの部屋着、だけど...なに、そ、そういうのしなからね』
「やだなぁ***、オレそんなつもりじゃ」
『...嘘ばっかり』
声だけで***が顔を赤くするのが想像できた。あわよくば、と思ったがお見通しのようだ。内心残念に思いながら、一応聞きたいことを聞いておく。
「で、下着は何色?」
『ばっ......』
色だけ聞けばどの下着かは特定できる。それの何がいいかと言うと、妄想の解像度が上がる。装飾も手触りもばっちり覚えているからだ。しかしさすがにデリカシーがなかったのか、しばらく変な沈黙が流れた。耐えられず口を開きかけた時、***の声がした。
『穿いてません』
「えっ?」
思わずデカい声が出る。さっき治まったと思った熱が、再び湧き上がってくる。
『...だから、穿いてないので色は答えられません!満足?!眠いから寝る!じゃあね!』
「えっちょ待ってよ***!」
通信が切れ、さっきよりもっと変な沈黙が流れる。それきり***は、どんなに呼びかけても返事をしてくれなかった。絶対起きてるくせに、完全に無視されている。
悶々としたままベッドに寝転がり、欲望が赴くままにズボンを寛げて自身を刺激した。...***のせいだ。とんでもない爆弾を落とされて、オレはどうすればいい。
「はぁっ......***...覚えとけ、よ」
***の可愛い声と痴態を想像して、またオレは一人の世界に入っていった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
目覚めて、最初に目に入ったのはセーターの袖だった。ラビがあたしの部屋に置いたままにしている服で、昨日はこれを着て寝た。ぶかぶかの袖を眺めて、引っ張ったり捲ったりしてみる。昨日のラビとの会話を思い出して、変なことを言ったと思い出して恥ずかしくなった。
起き上がりベッドに腰掛けた脚を揺らしながら、下着を穿いていなかったことを思い出した。が、穿く前にトイレに行ってこよう。どうせラビが帰ってくるのは昼頃だ。...いや、もう11時だからそろそろ帰ってくる。寝すぎてしまった。
伸びをしながらトイレに向かう。戻ってきて下着を穿こうとするが、ない。記憶を辿りながら周りを見渡すと、ベッドと壁の隙間に挟まっていた。もうすぐ救出できると思った時、うるさい足音が聞こえた。タイミングがすこぶる悪い。
「***ーーー!!たっだいまーーーーー!!!」
ドアが思い切り開かれる。扉を閉めるのもそこそこに大きな身体がダイブしてきて、そのまま二人してベッドに倒れた。
「ちょ、ラビっ...おも、いっ!」
「愛しい彼氏が帰ってきたってのにひどいさー!」
「わかったからどいて、潰れる...」
なんとかラビの下から這い出して、ベッドに大の字になったままのラビに覆いかぶさる。そのまま唇にキスを落とした。
「おかえり、ラビ」
「ん、ただいま***」
抱きしめ合ったままの体勢で、しばらくお互いの温もりを確かめる。しばらくすると、ラビの手が腰に伸びてきた。
「ちょっと、あたし今起きたの!」
「え?まーたこんな時間まで寝てたん?ちゃんとご飯食べないとダメさ」
「ラビもね」
「じゃ食堂行こっか。オレ腹減った~」
「ん」
起き上がったとき、セーターがずれて肩が露わになる。ラビの視線が瞬時にそこに吸い寄せられた。わかりやすいやつだ。
「...あれ、***これ、オレのセーター」
「置きっ放しだったでしょ、...寒かったから借りた」
「...そう...そのわりには、なんつーか...下が薄着じゃない...?」
「そ、そんなことないっ...着替えるから、先行っててよ」
「えー見てちゃだめ?」
「だーめ」
抱きついて離れない大きな身体をなんとか起こして、ドアの前まで連れてくる。ぎゅうぎゅうとくっついて、離れる気はなさそうだ。
「...離れてくれないなら、このまま出るけど?」
「ダメダメ!そんな格好で出たら食べられちゃうさ!」
「はいはい、じゃあ離れて」
「うー......えいっ」
「きゃっ!」
「え」
ラビがセーターの裾を上に引っ張った。咄嗟に両手で押さえたけど、穿いてないのは絶対に見られた。彼氏の服を着て寝て、しかも穿いてなくて、変態だと思われる。顔が熱い。恥ずかしさで瞑った目を恐る恐る開けると、何故かラビも恥ずかしそうな顔をしていた。何で?
呆然としている間に、抱えられてベッドまで連れ戻される。あっという間にラビに組み敷かれた。
「ラ、ビ...?」
「...その格好で外出るつもりだった?」
「違う、ラビがわがまま言うから...」
「まぁいいや...昨日はオレの服着て?下着もつけないで寝たわけ?穿いてないのは本当だったんだ」
「う、」
「***もしかして、昨日話したあと一人で...した?いや、話す前してた?」
「してっ...し、.........した...けど!ラビだってしてた、でしょ!」
開き直って言ってやった。今度はラビが一気に顔を赤くする。
「えっいやオレは...な、何で知ってるんさ...」
「わかんない、けど...わかるもん、何か...声とか、雰囲気で...」
「なんさ、それ」
唇、頬、首、いろんなところにキスが降ってきた。セーターをずり上げられる。
「やっ...」
「なぁ...***食べても、いい...?」
綺麗な緑の瞳の奥に、熱い欲情の色が見える。昨日、何度も思い浮かべたものが目の前にある。あたしは何かに操られたみたいに頷くしかない。
「うん...食べ、て...」
今度はあたしから、キスをした。
(ふーん、***も一人でするんだ...ふーん...なに想像したの?)
(お、教えない教えるわけない!)