ありふれてる大切なこと
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布団から起きて窓のカーテンを開ける。
明るい日差しが顔に降りかかるのを感じる。今日の天気は晴れ。昨日の雨などなかったかのように、青空の如く快晴だった。
「あぁ、もう起きたのか。おはよう、ケイ」
「おはよう、エリック」
不規則な授業が日常の大学生でも、自分は毎日規則正しい生活をしている方だと思う。
それでもケイより早く起きているエリックは、いつも彼女が起きる前に先に朝食を準備していたりする。
別に頼んだ覚えはないのだが、居候の手前自分でも何かできることをしたい、と望んだエリックは、よく彼女の代わりに家事をこなす。そのおかげか、台所のガスコンロや電子レンジなど、19世紀フランスにはなかった現代の料理機具も、今の彼にはお手の物である。
おまけに彼が作る料理は絶品だ。
ちゃぶ台に並べられた料理を見ると、ごはんに味噌汁、焼き魚等の日本食が揃っていた。
「今日は大学は休みだったかい?」
「うん。まぁ、特には予定はないから、家でゆっくりしてみようと思う」
いつものように二人で朝食を取った二人は、その後それぞれ家事をこなす。
ケリックは食器洗いを、そしてケイは洗濯物を干した。
朝の仕事が終わり居間で一息つくケイに、気を利かせてケリックは2人分のコーヒーを入れることにした。
日の光が射しこんで、まったりとした時間だ。
―すると突然、部屋の中の空間に異変が起こった。
「ん?」
テレビを見ていたケイは、真っ先にその異変に気づいた。
彼女の目の前で小さな粒子がどんどん集まっていくのだ。
それは瞬く間に大きくなり、そして―
―ボフン!
音を立てて爆発し、白い煙がモクモクと立ち込めた。
「ゴホッ。いったい何?」
「ケイ、大丈夫か?」
大きな音がしたのを聞き驚いたケリックも、すぐに台所からケイの所に駆けつける。
いったい、何が起こったのだろう?
よくわからないこの状況に、二人はただ立ち尽くすだけだった。
しかし、白い煙が少しずつ薄れるにつれて、その中にうっすらと複数の人影が見えた気がした。
誰かいるのだろうか?
「ゲホッ。美咲、大丈夫か?」
「ケホッコホッ。うん、大丈夫だよ、エリック」
その人影にケイは見覚えがあった。いや、面識は何度かあった。
同じオペラ座のエリックのパートナーを持ちながら、異世界にトリップ中の美咲ちゃんだった。そして隣でその彼女の肩を持ちながら労わり、右顔を白い仮面で覆った彼は、きっと彼女のパートナーであるエリックもといエロックだろう。
いったい何で二人はここにいるのだろうか?
ケイ達は呆然としながら二人を眺めていた。
「あ、ケイさん。おはようございます!」
「あの、美咲ちゃん、大丈夫?いったいどうしちゃったのよ」
ケイは呑気な声で挨拶する美咲に近づいた。
「いきなり来ちゃってごめんなさい。びっくりさせちゃいましたよね」
「びっくりもなんも、どうして」
「いったい何でまた、ここに」
ケイの言葉に続き、ケリックが尋ねた。
「実はですね。今日はエロックさんに現代の世界を知ってもらたいなーって思って、アイシャ姉さまに飛ばしてもらったんですよ」
「私も以前から、美咲の世界を見てみたいと思っていてね。それでアイシャに頼んで、現代に住み慣れているケリックの所にお邪魔したというわけだ」
初めて見る現代の家もといケイの部屋を見回しながら、エロックが答えた。
「そうは言っても、何故私達の所なんだい?」
ケリックのその言葉に、美咲は申し訳なさそうに答えた。
「ごめんなさい、ケイさん、ケリックさん。私の家は家族もいるし、みんなはエロックさんのことを知らないの。それに、エロックさん用の現代の服なんて用意もしてなかったから」
「あぁ。そういうことね」
一瞬、そこらへんはアイシャさんの魔法でどうにかしないのかしら、とケイは思ったがすぐに考えるのをやめた。
「服っていうことは、外出するのね」
「そうです。ケイさんこの前、言ってましたよね」
そう、ここは東京の某所、そして大学街でもある。先日、この地域のアイスクリーム屋さんに行ったことがある美咲は、周りに沢山の外国人がいたことを知っていた。
その外国人の中には、宗教上の理由から顔を隠す人もいたのだ。だから、エリックが仮面をつけながら外に出ても、周囲の人間にはそのように認識されることが多いわけで―。それ程問題はないのだ。
「ケリックさんも何度か、外に出たことがあるんですよね?」
「うん、まあ」
「ふふっ。じゃあ、みなさん!折角だし、ちょっと普段とは違ったことをしてみませんか?」
微笑みながら言う美咲に、美咲以外全員が首を傾げた。
明るい日差しが顔に降りかかるのを感じる。今日の天気は晴れ。昨日の雨などなかったかのように、青空の如く快晴だった。
「あぁ、もう起きたのか。おはよう、ケイ」
「おはよう、エリック」
不規則な授業が日常の大学生でも、自分は毎日規則正しい生活をしている方だと思う。
それでもケイより早く起きているエリックは、いつも彼女が起きる前に先に朝食を準備していたりする。
別に頼んだ覚えはないのだが、居候の手前自分でも何かできることをしたい、と望んだエリックは、よく彼女の代わりに家事をこなす。そのおかげか、台所のガスコンロや電子レンジなど、19世紀フランスにはなかった現代の料理機具も、今の彼にはお手の物である。
おまけに彼が作る料理は絶品だ。
ちゃぶ台に並べられた料理を見ると、ごはんに味噌汁、焼き魚等の日本食が揃っていた。
「今日は大学は休みだったかい?」
「うん。まぁ、特には予定はないから、家でゆっくりしてみようと思う」
いつものように二人で朝食を取った二人は、その後それぞれ家事をこなす。
ケリックは食器洗いを、そしてケイは洗濯物を干した。
朝の仕事が終わり居間で一息つくケイに、気を利かせてケリックは2人分のコーヒーを入れることにした。
日の光が射しこんで、まったりとした時間だ。
―すると突然、部屋の中の空間に異変が起こった。
「ん?」
テレビを見ていたケイは、真っ先にその異変に気づいた。
彼女の目の前で小さな粒子がどんどん集まっていくのだ。
それは瞬く間に大きくなり、そして―
―ボフン!
音を立てて爆発し、白い煙がモクモクと立ち込めた。
「ゴホッ。いったい何?」
「ケイ、大丈夫か?」
大きな音がしたのを聞き驚いたケリックも、すぐに台所からケイの所に駆けつける。
いったい、何が起こったのだろう?
よくわからないこの状況に、二人はただ立ち尽くすだけだった。
しかし、白い煙が少しずつ薄れるにつれて、その中にうっすらと複数の人影が見えた気がした。
誰かいるのだろうか?
「ゲホッ。美咲、大丈夫か?」
「ケホッコホッ。うん、大丈夫だよ、エリック」
その人影にケイは見覚えがあった。いや、面識は何度かあった。
同じオペラ座のエリックのパートナーを持ちながら、異世界にトリップ中の美咲ちゃんだった。そして隣でその彼女の肩を持ちながら労わり、右顔を白い仮面で覆った彼は、きっと彼女のパートナーであるエリックもといエロックだろう。
いったい何で二人はここにいるのだろうか?
ケイ達は呆然としながら二人を眺めていた。
「あ、ケイさん。おはようございます!」
「あの、美咲ちゃん、大丈夫?いったいどうしちゃったのよ」
ケイは呑気な声で挨拶する美咲に近づいた。
「いきなり来ちゃってごめんなさい。びっくりさせちゃいましたよね」
「びっくりもなんも、どうして」
「いったい何でまた、ここに」
ケイの言葉に続き、ケリックが尋ねた。
「実はですね。今日はエロックさんに現代の世界を知ってもらたいなーって思って、アイシャ姉さまに飛ばしてもらったんですよ」
「私も以前から、美咲の世界を見てみたいと思っていてね。それでアイシャに頼んで、現代に住み慣れているケリックの所にお邪魔したというわけだ」
初めて見る現代の家もといケイの部屋を見回しながら、エロックが答えた。
「そうは言っても、何故私達の所なんだい?」
ケリックのその言葉に、美咲は申し訳なさそうに答えた。
「ごめんなさい、ケイさん、ケリックさん。私の家は家族もいるし、みんなはエロックさんのことを知らないの。それに、エロックさん用の現代の服なんて用意もしてなかったから」
「あぁ。そういうことね」
一瞬、そこらへんはアイシャさんの魔法でどうにかしないのかしら、とケイは思ったがすぐに考えるのをやめた。
「服っていうことは、外出するのね」
「そうです。ケイさんこの前、言ってましたよね」
そう、ここは東京の某所、そして大学街でもある。先日、この地域のアイスクリーム屋さんに行ったことがある美咲は、周りに沢山の外国人がいたことを知っていた。
その外国人の中には、宗教上の理由から顔を隠す人もいたのだ。だから、エリックが仮面をつけながら外に出ても、周囲の人間にはそのように認識されることが多いわけで―。それ程問題はないのだ。
「ケリックさんも何度か、外に出たことがあるんですよね?」
「うん、まあ」
「ふふっ。じゃあ、みなさん!折角だし、ちょっと普段とは違ったことをしてみませんか?」
微笑みながら言う美咲に、美咲以外全員が首を傾げた。