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独り言

帰り道





 優しい橙色の光が、電車に揺られている私を背中から包み込む。
 私は、それがまるで合図だと言わんばかりに、ふぅ……と肩の力を抜いてから、いつものように窓の外を眺める。
 窓の外には、相変わらずの見慣れた田舎の景色が広がっていて、変わらないそれに妙な安心感を覚えた。

 田畑をぼんやりと眺めているうちに、今日の出来事を思い起こす。

 今日は、沢山友達と話した。サークルも頑張ったし、行ったことなかった場所にも行った。
 楽しい出来事ばかり思い出して顔が綻びそうになり、思わずつま先辺りに視線を落とす。

 本当に……今日もいい一日だった。
 友達と話すの、やっぱり楽しいな。やりたいことに挑戦するのも、凄く楽しい。

 明日は何をしようかな。
 ……明日も楽しみだな。

 小学生みたいに明日のことを楽しみにできるのは、きっと私の長所の一つだ。
 実はこれ、結構凄いことなんじゃない?と少し頬を緩める。私自身、この性格に何度も助けられているんだろうな。

 ガタンゴトン……と、電車の規則的な音を聞いているうちに、だんだんと眠気がやって来る。

 少し寝よう。
 今なら幸せな夢が見れそうだ。
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