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独り言

独り善がり





『何年経っても君を忘れられなかった。
乗り越えることもできなかった。
むしろ、ここに来てようやく気づいたんだよ。
僕には君しかいなかったのだと。
僕は、無意識のうちに君がいない穴を埋めようとしたんだ。
でも、僕にとって君以外は「その他」でしかなくて…結果はご覧の通り、満足することなんてなくて。
何をしてても君のことをふと思い出して妄想するんだ。
例えば、今、こんなに暗い部屋で君への手紙を書いてるだろう?
君は面倒見がよくて優しい子だから、「目が悪くなるよ」って部屋の照明を付けるのかなとか、「もうすぐで夕食だよ」って僕を呼びに来てくれるかな、とかね。
君のことを考えるだけで心が満たされるんだ。
こんなこと言ったら君には引かれそうだけどね。

さて、僕はこれから死にます。
ずっと死にたかった、君に裏切られてから僕は誰も信用出来なくなって、孤独だった。
でもね、ようやく死ぬ理由ができたんだ。
僕の幸せは、君が幸せでいること。
君は僕の手の届かないところに行ってしまったけど、僕の知らないところで幸せになってくれればいい。
君が幸せなら僕はこの人生に満足するんだ。
満足した綺麗な人生で死にたいんだ。
ごめんね、自分勝手で。
君には幸せにしてもらってばかりだ。
今も自分の人生のために君を利用してる。
僕は君を少しでも満たしてあげられてたかな?
そうだといいな。
利用はするけど、君に迷惑をかけるつもりはない。
想うだけだから、どうか許して。』
鉛筆を置いて、手紙をライターの火で燃やす。
「__さようなら。」
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