番外編2「餅つき大会」
*お正月番外編です*
「いやぁ、壮観だね。」
律は臼と杵の周りにいる筋肉質の男たちを見ながら、そう言った。
郁は頷きつつも「いつも一緒だと実感ないですけどね」と笑った。
1月1日。
堂上班プラス柴崎、毬江は、小野寺邸に来ていた。
武蔵野第一図書館近くにある律の実家である。
律からの誘いだった。
よかったらお正月、遊びに来ませんかと。
当初、堂上たち男性陣は固辞した。
客が多いから、6人くらい増えても問題ないと律は言う。
だけどやはり多少なりとも気遣いはさせてしまうだろう。
だが女性陣は「行きたい!」と盛り上がってしまった。
郁と毬江は、綺麗な豪邸を見たいという純粋な好奇心。
その上、柴崎は「情報を取るチャンス!」と気合いが入った。
出版社社長宅の新春の宴なら、図書隊にとって有益な情報だって転がっているかもしれない。
かくして6人で出向いた小野寺邸。
着物姿の律が「ようこそ、いらっしゃいませ」と笑顔で出迎えてくれた。
慣れない着物でも美しい所作。
美貌も相まって、律の育ちの良さが滲み出ていた。
ちなみに堂上班+αは全員、パーティには耐えられる程度のカジュアルな服装である。
生粋のお坊ちゃまである手塚でさえ圧倒されるほどの豪邸は、年始の客でごった返していた。
テーブルにはケータリングらしい食べ物がきっしりと並ぶ。
そして個人宅にしてはかなり広い庭では、まさに小野寺家恒例の新春大餅つき大会の準備中だ。
「お餅つきですか!うわぁお正月って感じ!」
はしゃぐ郁に、律は「郁ちゃんもやってみる?」と聞いた。
だが郁が答える前に柴崎が「それでしたら、図書隊が誇る屈強な男が3人もいますわ」と笑う。
堂上、小牧、手塚は顔を見合わせるが、ことわれる状況でもない。
何より郁が「篤さんのお餅つき、見たい!」と、毬江が「小牧さんのも!」と目を輝かせている。
柴崎は無言のまま、手塚に「あんたもやるのよ」と視線だけで命じていた。
かくして堂上班の男3人は、餅つき要員となった。
鍛え上げられた筋肉の持ち主である彼らが餅をついているのを見て、律は「いやぁ、壮観だね」と評した。
だが彼らを見慣れている郁は頷きつつも「いつも一緒だと実感ないですけどね」と笑ったのだった。
「いやぁ、壮観だね。」
律は臼と杵の周りにいる筋肉質の男たちを見ながら、そう言った。
郁は頷きつつも「いつも一緒だと実感ないですけどね」と笑った。
1月1日。
堂上班プラス柴崎、毬江は、小野寺邸に来ていた。
武蔵野第一図書館近くにある律の実家である。
律からの誘いだった。
よかったらお正月、遊びに来ませんかと。
当初、堂上たち男性陣は固辞した。
客が多いから、6人くらい増えても問題ないと律は言う。
だけどやはり多少なりとも気遣いはさせてしまうだろう。
だが女性陣は「行きたい!」と盛り上がってしまった。
郁と毬江は、綺麗な豪邸を見たいという純粋な好奇心。
その上、柴崎は「情報を取るチャンス!」と気合いが入った。
出版社社長宅の新春の宴なら、図書隊にとって有益な情報だって転がっているかもしれない。
かくして6人で出向いた小野寺邸。
着物姿の律が「ようこそ、いらっしゃいませ」と笑顔で出迎えてくれた。
慣れない着物でも美しい所作。
美貌も相まって、律の育ちの良さが滲み出ていた。
ちなみに堂上班+αは全員、パーティには耐えられる程度のカジュアルな服装である。
生粋のお坊ちゃまである手塚でさえ圧倒されるほどの豪邸は、年始の客でごった返していた。
テーブルにはケータリングらしい食べ物がきっしりと並ぶ。
そして個人宅にしてはかなり広い庭では、まさに小野寺家恒例の新春大餅つき大会の準備中だ。
「お餅つきですか!うわぁお正月って感じ!」
はしゃぐ郁に、律は「郁ちゃんもやってみる?」と聞いた。
だが郁が答える前に柴崎が「それでしたら、図書隊が誇る屈強な男が3人もいますわ」と笑う。
堂上、小牧、手塚は顔を見合わせるが、ことわれる状況でもない。
何より郁が「篤さんのお餅つき、見たい!」と、毬江が「小牧さんのも!」と目を輝かせている。
柴崎は無言のまま、手塚に「あんたもやるのよ」と視線だけで命じていた。
かくして堂上班の男3人は、餅つき要員となった。
鍛え上げられた筋肉の持ち主である彼らが餅をついているのを見て、律は「いやぁ、壮観だね」と評した。
だが彼らを見慣れている郁は頷きつつも「いつも一緒だと実感ないですけどね」と笑ったのだった。
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