第13話(side主人公→弟→炎柱)
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side炎柱
流石、短期間で位を上げているだけある。
彼は相当強い。
見たところ、仮面で顔が見えないが彼は俺より年下のように感じる。
見た目に反して力強く、動きも俊敏だ。
そして、頭の回転が早いのだろう。
先程の村での様子を思い出す。
観察力にも長けているようで、辺りを見回すとすぐに何かを見つけて考えているようだった。
俺は念のため村を覗いてみたが、誰もいなかった。
いや、つい数刻前には居たのだろう。
夕餉の準備をしていた形跡がある家もあれば、囲炉裏がまだ熱を持っていた家もあった。
彼に合流すると、鬼がいる方角がわかったようだ。
ふむ、脚も速いとは。
彼を少し後ろから追っていたが、俺も全速力ではないとはいえ、かなり速い。
本気ではなさそうだが、これは一度本気で勝負してみたい。
そして鬼が姿を表し、俺はいつでも動けるよう刀に手を添えて構えていた。
どうやら、俺の力は本当にいらないらしい。
風の呼吸を使い、鬼の後ろに回った彼は刀を納めていた。
確かに彼より下の階級の者が共に任務に着くより彼一人のほうが早いだろう。
「っなんともないじゃない…!私はまだまだやれるわ…!!」
切れたことにすら、気づいていないらしい。
「お前みたいな雑魚に構ってる時間なんてないんだよ」
だいぶ辛辣だな、彼は。
「う、が…!!」
ドサッ、と頸が落ちると鬼は消えていった。
「お見事だ!!」
「ふん、だから言っただろ。あと暑苦しいからこっち来るな」
とても嫌そうな声色でそう吐き捨てた彼は、早々に俺に背を向けた。
「俺の継子にならないか!もっと君の実力をみたい!!」
「嫌だね。ただでさえアイツもツグコだかなんだかうるさいっていうのに」
?アイツとは?
俺の声に対してかと思ったが継子という言葉に対してうるさい、ということは。
彼は少なからず柱と関わりがある。
「もしや、…不死川か?君は風の剣士だったな」
「忘れたね、そんなどうでもいいこと。じゃあ、僕は行くから」
そういうや否や、俺に背を向けたと同時に姿が見えなくなった。
ふむ、やはり早いな。継子に欲しい。
そういえば、彼は1度も名乗らなかったな。
次会ったとき聞こう。
いや、その前に柱合会議が先か。
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