第13話(side主人公→弟→炎柱)
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足に力を込め、ドンッ!!と走りだした。
僕のあとをついてくるように走る炎柱。
木々の隙間を縫い、結構な向かい風のなかでも普通についてきている。
ふん、少しは認めても良い。
反対まで抜けてくると、やはり山の反対は海に面していたようだ。
恐らくさっき感じた気配と同じやつ。
井戸で鼻についたあの臭いは、間違いなく磯、潮の匂いだ。
「…いるな、」
崖から下を覗く炎柱。
言われなくとも気づいているさ。
この崖の下から感じる嫌な気配を。
すると、
「また餌がきたわね」
黒い影が勢いよく伸びてくる。
その場から飛び退くと、先程までいた場所は土埃を舞っている。
地面に何かが突き刺さったようだ。
ソレは土埃が晴れる前にもう一度襲いかかってきた。
ソレとは、まるで長い尾のようなものの先がナイフのようになっている。
晴れた視界には手を突きだし、無造作に伸びた髪の内の二房がソレへと変化している1体の鬼。
「はっ、単純すぎじゃない?」
紙一重で避けて、ソレが伸びている根本に向かう。
「風の呼吸…」
「罠にかかってくれてありがとう、坊や」
ニタリ、と笑う鬼。
伸ばしていた腕すらも先程の尾のように変化した。
あぁ、こいつ。僕が髪の毛でしか攻撃できないと思い込んだと思ったんだろう。
「残念、そっちこそ嵌まってくれてありがと」
ふん、間抜け面。
こんな攻撃、僕に当たるはずがないだろ。
風の呼吸
「陸ノ型…ーー黒風烟嵐」