第13話(side主人公→弟→炎柱)
名前変換
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名前は、と聞かれたが答えることなく移動を開始した。
村の入り口に到着するとしん、と静まり返っている村の中。
……、おかしい。
遠目から灯りはあるのに人の気配が全くない。
それに先ほどは風上だったせいで全くわからなかったけど、微かに血の臭いがする。
炎柱は念のため家の中を確認に行っているようだ。
「…こっちか」
臭いを辿ると井戸にたどり着いた。
覗き込むとおびただしい量の血が井戸の中にこびりついていた。
真新しいのもあるが、もう変色していて時間が経っていることがわかる。
ほんの僅かだが、井戸から風が流れてくる。
このにおいは…、
「はっ、そういうことか」
鬼という生き物。
人の姿形をしている分、魔物の方がまだ可愛く見えるぐらい、胸くそ悪い。
「この村にはもう誰もいないようだ!」
炎柱が戻ってきた。
案の定誰もいなかったか。
「僕は行くよ」
「む、何処にだ!」
「決まってるだろ、鬼がいるところだよ。さっさとこいつ殺さないとね」
あの気配丸出しのやつとここを襲ったやつが一緒かどうかは知らないけど、ね。
最初僕は、姉さんに言われたから鬼殺隊に入った。
姉さんが全てだから、他の人なんて正直どうでもよくて。
だから当然、鬼を殺せればそれでいい。
誰が傷付いても、構わない。
姉さんの期待に応えたかった。
姉さんに頼られて嬉しかった。
ただそれだけ。
でも、
レプリカなんてものがないこの世界に来て、生活して。
この顔を見たって、誰も何も言わない
そりゃそうか、この世界には導師もいないんだから
ただ、
シュウもサキも、生意気だって言いながら力強く頭を撫でてくるおじさんも。
姉さんの次ぐらいには、守ってあげても良いかな。
そう思えるぐらい、彼らは僕の心にいるみたいだ。
だから、僕の《大事なもの》を奪おうとするものは、
「許さない」