第12話(side炎柱)
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そんなことを考えていると、美音の家が見えてきた。
店はそろそろ閉めるようで、いつも入り口にかけてある暖簾は下げられていた。
速度を緩め、店の戸口から中を覗くと主人と奥方が話し合ってる様子が窺える。
「美音はシンクのところか?」
「えぇ。久しぶりにあったんですもの、二人きりにしてあげましょう?」
声をかけようとしたが、不意に聞こえた言葉に立ち止まり聞き耳を立てる
しんく?とは誰だ?
男の名か?
あぁ、ふつふつと黒い感情が沸き上がる。
俺ではない男といる事
俺を一番に考えてくれない事
どうして君の一番は俺ではない?
ずっと俺の事だけを考えていればいい。
早く俺のものになればいいのに。
ふー…と細く息を吐く。
まだ美音の口からその関係を聞いたわけではないのだ
いま考えても仕方がない
もう夜分も遅い。
明日、また店に来よう。
次に彼女に会うときには問い詰めなければならんな。
逃がすものか。君を、俺のものにする。
バサッと羽音が聞こえて振り向き、見上げれば要が上空で旋回していた。
そろそろ向かわなくては。
またそろりと戸口から離れ、食堂を後にする。
さて、今宵も鬼を狩るとしよう。