第12話(side炎柱)
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だが、少し気になることがある。
昨晩の鎹鴉だ。
あれは鬼殺隊のものだが、この屋敷にも鎹鴉は来るが主に俺宛だ。
なので昨晩は屋敷にくるはずはないのだが。
父上も引退なさっているし、こんな時間に千寿郎に文を出す鬼殺隊士もいないだろう。
では、あれは。
よもや…、美音、か?
ともすれば美音は鬼殺隊の存在を知っているのか?
そもそも俺は今まで一言も俺が鬼殺隊であると彼女の前で口にしたことはない。昨日とて家が代々炎柱を継承しており歴史の長い家だということも省いて教えた。
人を、弱き者を守ることは俺の責務だ。
母上からの教え
強き者として産まれた己が、弱き者を守るのだと。
そう心に刻んだ
だが、世の中にはやはり鬼などと夢物語をと蔑む者もいる。
信じるものもいれば信じないものもいる。
結果、鬼に貪られた遺体だけが残れば信じない者からして見れば火を見るより明らかで。
冷ややかな視線、まるで敵をみるかのような。
そういうこともあるのだ。
だが、
彼女にそんな態度を取られたくないという思いから、
いまだに言い出せていない。
出会ってから今に至るまで美音と関わってきて、そんなことをする人ではないと、はっきりわかっている
ただ、これは俺の弱さだ。
「姉上、無事に帰れたでしょうか」
「あとで任務の前に確認に行くとしよう!!」
鬼殺隊を、俺を彼女は受け入れてくれるだろうか。