第11話
名前変換
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「兄上!おかえりなさい!」
足音ひとつ聞こえなかった…!実は忍者かな?!
きっと私が聞こえなかっただけだろうけど。
煉獄さんが無事に帰ってきたことが嬉しいのか周りにパァッと効果音が見えそうなくらいの笑顔だ。
「千寿郎!ただいま戻った!して、起きて大丈夫なのか?」
「はい!朝になったら昨日の怠さも熱っぽさもなくなって良くなりました!」
そういう千寿郎くんは確かに昨日の熱に浮かされた顔ではなく、さっぱりと溌剌としていた。
そんなに薬効いたのかな?それとも譜術?
どちらにせよ治ってよかった!
そして煉獄さんから私に視線を向けると少し照れ臭そうに、
「おはようございます、あ、姉上…//」
と言ってくれた。
ピシャーン!!と雷が落ちた。
なんだこの可愛い弟は…!!!
まだ姉呼びは恥ずかしいのね…!
なぜか煉獄さんまで固まってる。
まぁ帰ってきてみれば呼び方が姉上になってたら吃驚するよね
「よもや美音は千寿郎の姉になったのか!」
「昨日、呼んでもいいと仰ってくださったんです!ね、姉上!」
ね、と私をみる千寿郎くんはなんだか煉獄さんに仲の良さを自慢したい子供のようにみえてとても微笑ましい。
「では美音、俺のことも名前で呼んで欲しい!」
「は、はい?!突然すぎません?!」
「いや、常々思っていた!俺は美音と呼んでいるのに美音は一向に俺を名前で呼んではくれない!……駄目だろうか」
あぁまたそんなシュンとした顔をして…!私はこの兄弟のこの顔に弱いな。
「………そんな悲しい顔しないでください、…杏寿郎さん」
大人になって、名前呼びって、なんか距離が近くなった感じがして嬉しいけど恥ずかしい…!
「……ッ!!」
「…この話は終わり!
杏寿郎さんは先にお風呂入ってきてください!
千、私ごはんの続き作ってくるから、手伝ってもらえる?」
ぼーっとしてる煉獄さんにそう伝えて、千は嬉しそうに私の後ろをついてくる。
あ、さっきの聞き忘れた。
「……いいな」
1人、噛み締めている杏寿郎だった。