第10話
名前変換
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夕食の片付けを終えて、居間へ戻りふと時計を見上げると煉獄さんが出発してから30分程経っていた。
そろそろ起きたかな?
おかゆの入った土鍋と煉獄さんから食後に飲ませてくれと頼まれていた薬と水をお盆にのせて、部屋まで歩く。
きし、と静寂の中に床が軋む音が響き渡る。
千寿郎くんの部屋に向かう途中縁側から空を見上げると雲1つなく、綺麗な月が見える。
こんなにも月が綺麗な夜でも、鬼は出る。
そしてどこかで誰かが死にゆく。
少しでも鬼による被害が減るように、鬼殺隊の人たちは任務に出る。
この中でも、煉獄さんは最高位である柱だ。よく任務に出ているのも知っている。うちに来る時に高確率で隊服を着ているのを見かけるのがその証拠だろう。
ただ日が落ちる時間帯、こんな暗くなって出ていってしまう煉獄さんを見たことがなかった。
知ってはいたけど、
こんなにも不安なんて。
心臓がぎゅうっと押し潰されるように苦しい
無限列車で死んでしまうと知っているからこそ、
それまで死ぬようなことはあり得ないと、
勝手に思っていた。
千寿郎くんは、杏寿郎さんが任務に出る度に今の私よりもずっと苦しい思いをしているはずだ
父と兄。
2人やこの家は代々鬼殺隊だ。
父はいまは落ちぶれてしまったが、兄を支え続ける千寿郎くんも相当寂しさや不安を抱えているだろうな。
本人たちから聞いてはいないが、漫画やアニメを見ていた感じだとお父様は2人とはろくに会話もしていないと思うし接していないだろう。
まだ親にも甘えたい年頃だろうに。
私に、出来ることはないだろうか。
いや、こんな他人に踏み込まれたくはないか。
やるせないなと、小さくため息をこぼし止めていた足を目的の部屋へとむけた。