第9話
名前変換
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「本当に、君には敵わないな」
「え?なにかいいました?」
「なんでもない!御馳走様!うまかった!
では俺はそろそろ仕事に行ってくる!」
なにか聞こえた気がしたけど、なんでもないというのなら聞かないでおこう。
「はい、お粗末様でした。もしよろしければ先ほど作っておいたお握り持っていってください!気を付けてくださいね!私も千寿郎くんの様子を見てから帰りますので!」
「む?!」
「え?」
そう言い立ち上がりかけた私を、
先に立ち上がっていた煉獄さんは腰に手を当てながら見下ろす。
「握り飯か!君の作るものはなんでもうまいからな!有り難い!
ってそうじゃない!!よもや帰るつもりでいたか!だめだ、夜は危ないから先ほど案内した部屋に布団を敷いておいたからそこで休みなさい!」
おぉ、褒めからのいきなりお叱りが。
え、ということは、最初からお泊まりコースだったってこと?
「だから部屋案内してたんですね?!」
「当たり前だろう!藤野夫婦にもそう伝えてある!君に何かあっては申し訳が立たない!それに、」
目線を合わせるように膝をついた煉獄さんは、私の頬に手を添えて、顔が近づいてくる。
急なことでビクリと肩を震わせぎゅっと目を閉じると耳元で、
「君に、おかえりと言われたい」
ピキっと固まる私を満足気に笑うとするりと頬を撫でて離れていく。
「れ、煉獄さん…っ」
顔が熱い。
み、み、耳が…!吐息が…!!
その頬を撫でてくのもやめていただきたい、恥ずかしい…!
「では、行ってくる。くれぐれも外には出ないように!」
「い、ぃいってらっしゃいませ…!」
聞き逃さなかったぞ。
部屋を出る直前にククッと喉の奥で笑ったのを!!
今日は破廉恥が過ぎるぞ炎柱様ぁー!!!
もう、恥ずかしいし嬉しいしでドキドキしっぱなしでおかしくなりそう…。
その後しばらく動けない美音だった。