第8話(side炎柱)
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無心を貫き走っていると途中、近道をしようと通った道には段差があった。
そのまま飛び越してしまったが、彼女にはその浮遊感が苦手だったらしく、ビクリと震えて俺の首筋に顔を埋めた。
……愛いな。
「美音?すまない、驚かせたか」
そのまま抱き締めてやりたい気持ちを抑え、顔を覗き込むと止まったことに気づいた美音も顔をあげた。
「ご、ごめんなさい!苦しかったですよね!私今みたいなふわっと浮いて落ちるのが苦手で…!」
ぱっと手を離され、胸の前で手を組んでしまった美音。
残念だ。
しかし、抱きつかれるのは嬉しいが彼女は俺を試しているのか。
愛しい君の前では、自分を抑えきれる自信はない。
「大丈夫だ!俺はむしろ役得だ!…だが、あまり煽らないでほしい」
華奢な背中と膝裏に回している己の手に力を込めてより一層抱き寄せる。
「あ、煽るだなんて…!!」
組んでいた手を離し両手で顔を隠す。
だが、隠しきれていない耳が真っ赤になっているのが見える。
あぁ本当に、愛おしい
だめだ、やはり抑えることなどできん!!
我慢ができなくなり俺は彼女の細い首筋に顔を埋める。
鼻腔を擽る、彼女の匂い。
「ひゃっ…!れ、れんごくさ…んっ!」
可愛らしい声だ、もっと聞きたい。
だが、まだダメだ
「…フゥ、これぐらいは許してくれ。頑張って抑えているんだ」
今は我慢の時だ、杏寿郎…!!
手を出して怯えさせたらどうする…!
今は我慢だ!