第5話
名前変換
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「人との思い出はいつまでも残るものです。その人たちは忘れ去られなければ記憶のなかで生きていける」
どこかで人は2度死ぬという言葉を聞いたことがある。
人は生命活動をやめたとき、一度目の死を迎える。
そして、人の記憶からも消えてしまえば二度目の死を迎えると。
「私だったら、たとえ自分が死んでしまったとしても、私の死をずっと悔やんで後ろを向かれるよりも、その思いや信念を後世に繋ぐことで糧にしてもらえたほうが嬉しいです」
脳裏によぎるのは、置いていってしまった、夫と子供たち。
私を恨んでるかな。
ちゃんと母親できていたかな。
乗り越えて、幸せになっていてほしい。
私がいなくなって、後ろを向かないで。
生きていれば、乗り越えられる。
忘れてほしくない、貴方達を愛している私を覚えていて、
そして乗り越えて。
感傷に浸っていると、ギュウッと暖かい温もりに抱き込まれた。
後頭部に大きな手が宛がわれ、もう片方の腕は背に回り、厚い胸板に頭を押し付けられる。
「ーーーね、ぇさん…、錆兎…っ、」
ほんの少し、涙声にきこえた。本当に涙を流れてたかはわからないけど。
失って悲しいよね、でも自分が生き続けていればお姉さんも、錆兎もずっと自分の思いでの中で生きていけるんだよ