第5話
名前変換
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ふーー…と息を吐く。
き、緊張した。
人に聴かせるなんてもう何年ぶりかな?
目を開けると彼も目を開けていたらしく視線があう。
「(高く聴き心地のよい声、瞳を閉じ祈るように歌う姿。まるで女神のよう。)いなくならないでくれ」
「…え?はい、私はここにいますよ?」
「…消えてしまいそうだ」
「大丈夫、私は消えません。ここにいます」
「今の世に、いなくならない保証などどこにもない」
「鬼のことですか?私、こう見えて強いですし、運もいいんですよ?」
「…それだけじゃない、」
「ふふっ、なんか子供のようになっていますよ?」
泣きそうに歪められた顔が見える。
なぜ、彼はこんなに感情が揺れているのだろうか。
姉と重なっている?そんなわけないか。
「俺は、もう失いたくない」
それは、姉と兄弟子を思っての言葉だろう。彼を守るため、人を守るために命をかけた彼らのことを。
「…そうですね、たしかに保証などどこにもない。でも、それはみんな同じです。生きているのだから」
人生、なにが起こるかなんて誰にもわからない。もっぱら私が1番それを身に染みて理解できる。
自分が事故に遭うかもしれない、
事件に巻き込まれるかもしれない、