第3話
名前変換
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うちの村から街までそんなに距離はない。
20分ほど歩いたら町並みが見えてくる。
私は歩く速度がそんなに速いわけじゃない。煉獄さんは身長も高いし足も長いから一歩が大きい。
きっと歩く速さを合わせてくれている。
できる人だなぁ。
「ところで、街には何か欲しいものでもあったんですか?」
「ん?いや、俺は美音と出掛けたかったんだ。君のことが知りたいと思ってな!」
ニカリと笑う。
どうしてこうも真っ直ぐなのだろう。
きっと私は自惚れている。
この人の心のなかには、例え少しだったとしても私がいるのだと。
それが好意なのか。
それとも優しいこの人のことだから色んな人にこうやって気さくに話しかけて、お出かけして、優しさを振り撒いているのだろうか。
最低だな、私。
煉獄さんは、心から人を思いやれる人なのだから、振り撒くとかそういうことではないはずだ。
それでも自分だけにしてほしい。
親族でも恋仲でもないのに、そんな浅ましいことを考えているなんて、夢にも思わないだろう。
頭一つ分上の煉獄さんを見上げ、思わず太陽を見たかのように目を細めてしまった。