平子真子逆トリ(仮)
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平逆トリ5(仮)
呑気にお風呂から出てきて気付いた。
この家、寝る場所がベッドしかない。
ソファとか来客用布団とか……ない。
「おわた!!!!」
何故かと言うと平子さんが床で丸くなって寝ているからである。
これは駄目だ。いけません。隊長ともあろう御方を床で寝かせるなど言語道断!
「平子さん平子さん、ベッド使ってください……!」
出来うる限りソフトに揺すり、平子さんを起こす。
平子さんは一瞬ビクリとして、それからゆっくり頭を横に振った。
「なんや……あの寝床は自分のやろ。俺はココでかまわんよって」
「そうはいきませんよ!!」
やいのやいのと譲り合いが始まってしまったが、程なくして平子さんのとんでもない提案に終着してしまう。
「ほんなら一緒に寝たらええやん」
一緒に寝たらええやん??????
とんでも発言が脳内でエコー付きリピート再生される。
何を考えたらそんな発言が出てくるのか。
有り得ない。あってはならない。
盛大に抗議も抵抗も反論も致しました。
致しました、が。
結局他にお互いの主張が丸く収まる先が無く、セミダブルで平子さんと一緒に寝ることになってしまったのである。
せめてもの救いがセミダブルだったことだ。端と端で寝ればギリギリ人一人分隙間が出来る。奮発してセミダブルを買っていて良かった。シングルだったら密着しなければならなかったはずで、今頃私の息はなかっただろう。
しかし、なんだ……、電気を消した部屋で隣に平子さんの体温や息遣いという気配を薄ら感じるのはもう既に心臓に悪い。セミダブルでも充分保たない。
身体はこんなにくたくたなのに今夜はどうにも眠れそうになかった。
「……なんや、眠れんのか」
「はい、まあ……」
「子守唄でも歌ったろうか」
「ぶっ……!」
びっくりしすぎて噎せた。
子守唄って平子さん!!
「大丈夫かいなホンマに」
「だ、大丈夫です」
「ほんならええけど」
ふっと鼻先で笑う平子さんまで30cmもない。
心臓はずっと暴走族さながらエンジンフルスロットル。
暗闇で良かった。多少顔が赤くてもきっと見えやしないから。
