平子真子逆トリ(仮)
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平逆トリ24(仮)
一応あっさりと仲直りした私達は作りかけだった朝ご飯を作って食べ、どうしたものかと思っている。
平子さんが髪を切りに行く予定だったのだが、私の顔がとんでもなく腫れているのだ。平子さんと共に歩けば目立ちまくるに違いなかった。かといってまだ平子さん一人で出歩かせるのは不安だった。
「もう紫雨に切ってもらおか」
「それは無理ですねぇ」
私のぶきっちょな手でそんな烏滸がましいこと出来ませぬ。
「ほしたら今日はアレか、ダラダラして過ごすか」
「ですね。アレだったらゲームとかしますか」
私のスマホに入っているよくあるマルチプレイゲームを指差す。
これなら私がいない間に平子さんだけで遊ぶことも出来るし、我ながら良い提案だと思った。
早速アプリをインストールしてチュートリアルを進めてもらう。
「あっ、なんやァ……死んでもうたやん」
「そこ飛び跳ねないと通れないんですよ」
「ほんまに? どこでやんの」
序盤の崖をジャンプで超えていく所で既に引っかかっている平子さんにジャンプのやり方を教える。すぐに理解したようで軽やかに道中をクリアしていく。
やっぱり平子さんは電子機器の操作の飲み込みが早い。電子機器だけに留まらないのかもしれないけれど。
「コレが敵やな! よっしゃ、このボタン連打したらええんやろ?」
ゲームを覚えたての小学生の様だ。ゲームに必要な用語もスルスル覚えていっている。
「回避ボタンも分かります?」
「さっき言うてた足の絵のボタンやろ? 覚えたでェ!」
見ているだけで楽しそうで、平子さんの横でつい口に手を当ててこっそり笑ってしまった。
「これだけ覚えたら一緒にゲーム出来そうですね!」
「おう! 出来る出来る!」
平子さんとフレンド登録を済ませ、マルチプレイへ招待する。
そのまま序盤の素材を落とす敵に挑戦しに行く。
「お!? 紫雨強ないか!?」
「そりゃまあずっとやってますもん」
「俺なんも攻撃しとらんやん」
確かに全く攻撃しなくても勝ててしまうのはつまらないかもしれない。
「もうちょっとキャラクター強くしてからもう一度やりますか?」
「おう! そうしよ!」
すぐに表情が明るくなる。過去編のミステリアスなイメージが不思議に思えるくらい表情豊かだ。やっぱり藍染のいるいないは大きい違いなのかもしれない。
この世界なら藍染への警戒いらないもんなぁ。
ゲームに夢中になる平子さんの横顔を見ながら、可愛いなと思う。
それと同時に昔どこかで見た"男を可愛いと思い始めたら終わり"という言葉を思い出した。
それなら平子さんに対しての私はとっくに終わっている。
