平子真子逆トリ(仮)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
平逆トリ22(仮)
"ずびーっ"
推しの前でやってはいけないレベルに色気の無い鼻のかみ方をしている自覚はある。泣きすぎて目も腫れまくって前があまり見えない。
あの後、ひたすら平子さんに宥めていただいた記憶はあるのだが、泣きじゃくりすぎてぼんやりしていた。
現在は冷凍お米の個数が増え、頬と目を冷やしてくださっている。
これが世にいう理想的な父性……?
「そろそろ自分で押さえれますよ……」
「ええからええから、疲れたやろ。そのまま横になっとり」
それは良いんですけど、そろそろ申し訳なさが勝ってきましてですね……。
"ヴー、ヴー"
その時、スマホのバイブ音が鳴った。長めなのでどうやら電話らしい。枕元に手を伸ばし手に取る。液晶に表示されている名前は母だった。
父の次は母。
表示を見ただけで先が予想出来てしまいうんざりする。きっと父に逆らったことと、平子さんという"男性"が家に居ることへの追求だろう。しかも金髪なのだ。如何にも母が"好み"そうな話題だった。
普段は夫婦喧嘩をしているくせにこんな時ばかり"仲良し"なのだから堪ったものではない。
大きく溜息を吐き、通話ボタンを押す。
途端に聞こえてくる金切り声。どうしてこういう人達は総じてこういう声なんだろうと、ぼんやり思う。でも自分も怒ればこんな声になるのだろうから人のことばかり言っていられないな、とすぐに思い直した。
「はい、ごめんなさい。お母さん」
思ってもいない言葉がスルスルと出る自分に吐き気がした。こんな生活に慣れてしまった現実はちょっとばかり一人暮らししたって消えないようだ。
「あの人はお友達で、たまたま家に来ていただけなんです」
大筋そう違わないだろう。嘘を吐くには真実を混ぜるのが何とやらって言うじゃない。
私が母の応対をしているのを平子さんはただじっと見ている。
「本当にごめんなさ……」
何度目かの謝罪の時、急に後頭部をぐいと引かれた。
唇に何か押し付けられたことだけはすぐに分かった。ぬるりとしたものが歯列を割って入ってくる。平子さんの琥珀色の瞳が私の目の前で瞬いている。
平子さんの前髪が私のまつ毛を擽って、やっと状況を理解した。
慌てて押し退けようとするがびくともしない。それどころか角度を変えて更に深く口付けられた。
まだ通話中のままのスマホからは朧気程度に金切り声がまだ聞こえている。
息苦しくなり、反射的に口を大きく開ける。喉が鳴り、どちらのともつかない唾液を飲み込んだだけで息は吸えなかった。
どうしてこんなことをされているんだろう。
今朝までそんな態度ではなかったはずなのに。
現状、宇宙で一番に大好きな人からのキスなのに、私は悲しくて泣きそうだった。
