平子真子逆トリ(仮)
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平逆トリ19(仮)
いつも通りご飯を食べて寝る準備を済ませてベッドに横になる。
嫌な予感はしていたがついに雷が鳴り始めた。
サーッと血の気が引いていく感覚。
そう、私は雷が大の苦手なのだ。
"ドーン!!"
「ひっ!!」
かなり近くに雷が落ちた音がした。
私が青くなって震えていると隣で平子さんがくつくつと笑う。
「……なんですか」
「雷苦手なンやなァ、てのと、いつもその悲鳴なンやなって」
「最初の時のは、『平子さん』て言おうとして言えなかった『ひっ』ですよ……!!」
「何にしてもオモロいわ自分」
ずっと笑いを堪えながら話しているようなので余程ツボに入ったのだろう。
私は自分ではそんなにおもしろい女枠だったつもりはないのだが。
そうこう話しているうちにまたゴロゴロと雷が鳴り始める。
「あの……平子さん、図々しいお願いなのですが……」
「……なんや」
「手を、繋いでもらえませんか……」
私は雷に負けました。
ええ、負けましたとも。推しに烏滸がましいお願いをしてしまうくらいには雷が大の苦手ですとも。
「……ええで」
平子さんは一瞬考える素振りをしてから、スッと手を差し出してくださった。
ありがたや……ありがたや……。
「では失礼させていただきます……」
平子さんの手は思いのほか大きくて暖かい。
手を繋いだだけで強ばっていた身体が少し緩んだ。
ふーっと長い息を吐くと、平子さんがまた笑った。
「なんですか」
「いや、可愛ええとこあるな、て」
「……褒めても何も出ませんよ」
「お世辞ちゃうちゃうホンマやで」
雷が怖い女が可愛いというのも謎の思考すぎてだいぶ面白いですよ平子さん。
とは流石に言い返せないので不服に思いつつも言葉を飲み込む。
その間にもまた近くに雷が落ちたようで、思わず平子さんの手を強く握った。
「……なんならこっち来るか?」
「……はい?」
何を仰っているのか分かりません。耳が急にバグったかな。
「怖いンやろ? コッチ来たらええやん」
それは抱き枕事件の再来を宣言していらっしゃるので?
そんな冷静じゃない冷静さを発揮している間にも無情に雷は落ちる。
怖い。しかしこれだけは負けてはいけない気もする。
「そない強う握ったら手ェ痛いし、色々考えんと早よおいで」
おいで。
既視感のある脳内エコーがほわんほわんとかかる。
推しからおいでと言われてどうにかならない人間はいないと思います。
結果、雷とおいでに理性が負けました。
平子さんの腕の中は暖かかったです。
作文か。
