破面篇
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青い月
君坂さんといえば、平子隊長と途轍もなく御似合いの、苺大福が良く似合うふんわりした雰囲気の御嬢さんである。
そして百年前の五席であり、平子隊長壁ドン事件の御相手。
その君坂さんが浦原さん一筋とな?
一体全体、何がどうなっているのやら。
などと私が呆けている間に御冠気味の卯ノ花隊長が来て、平子隊長は速やかに追い出された。
夜分に隊舎に響き渡った私の「はっ?」が殊の外五月蝿かったらしい。
「まァ、詳しいことは本人に聞き。また現世連れてったるから」
平子隊長はそれだけ言って、頭が真っ白なままの私を残して帰って行った。
退院許可などまだ下りているわけないのだから仕方ないのだろうが、「迎えに来たで」と言われた手前、何とも言えない心境である。
おまけに私の答えも聞かずに帰っていったのだ。
頭が使い物にならない今の私からすれば、命拾いしたとも言えるが、目覚めて早々に悩みの種が増えてしまったのは間違いないだろう。
さて、どうしたものか。
癖のようについ考えようとしてしまうが、すぐに今考えても無駄なことを思い出す。
「取り敢えず……、卯ノ花隊長の言いつけ通り寝るか……」
朝まで問題無ければ、明日検査をして午後には退院らしい。
職務については体調を見ながら復帰すれば良いようなので気は楽だ。
「隊長のことを除けば……だけど」
つい過る隊長のことはどうにか頭の隅に追いやりながら、私は固く目を閉じた。
何を、言うべきだったのだろう。
どう、受け取るべきだったのだろう。
このまま、"何も無かった"じゃあ、許してもらえないだろうか。