破面篇
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三分も持たないヒーロー
「
真横に構えた彼岸花が白い帯へと変化する。
焼失した卍解の中で辛うじて残ったのはたったの六本。
「その疲弊した身体と焼失した卍解で、私を殺せると思うのかい?」
拘束されて尚、この程度の力では脅かされないと言いたげに微笑む藍染に、同じ様に微笑み返す。
「"思てません"、でも……」
ギンちゃんの真似をしながら、帯状の彼岸花をもう
「
解号とともに真っ赤に染まる帯は、今は血の様に赤い。
通常は無数の帯に流れる筈の霊圧が、たった六本に集中しているからだろう。
藍染の笑みが崩れた。
「息が、苦しいでしょう? 四肢に、力が入らないでしょう?」
「な、にを」
「私でも、動きを止める事くらいなら、出来るんですよ」
脳を持つ生き物である限り、中枢神経は必ずある。
中枢神経が有るならば、彼岸花の毒にはまず抵抗出来ない。
彼岸花の卍解で目立つのは霊子体を融かすことだが、実際は麻痺毒の方が恐いと私は思う。
「一滴の毒なら、今の藍染さんはすぐに解毒してしまうんでしょうが、注ぎ続けるなら……そうもいかない。違いますか?」
藍染は項垂れてぴくりともしなくなった。
しかし、注ぐ霊圧は緩めない。
麻痺しているだけで、融かしても再生する間は生きているのだ。
一瞬でも緩めたら、死ぬのは私だと理解している。
「ギン!!」
先程の紫游ちゃんの様に、乱菊がビルから降って来た。
「乱菊……」
ボクの傷と無事を確認した乱菊は、静かな藍染と紫游ちゃんを見て顔色を変える。
「な、によ……コレ」
つい先程から紫游ちゃんは消えかけた仮面を着けたまま虚な目で、それでも彼岸花に霊圧を送り続けているのだ。
「声をかけても反応がないんや……」
既に限界に近い身体を、仮面の力で無理矢理に底上げしていたのだろう。
このまま発動を解かせなければ、多分紫游ちゃんは……。