破面篇
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無駄で無謀で、有為
「ち! こ! くぅううう!!」
卯ノ花さんから御許しが出て戦場へ戻ると、既に総隊長がワンダーワイスを地に落としている。
「愛しめ! "曼珠沙華"!」
私がワンダーワイスを卍解で包むと同時に、総隊長が炎を抑え込むために帯の上から覆い被さる。
卍解の帯の中で炎が弾ける直前に、彼岸花の卍解の二段階目を発動し、私の霊圧のありったけを流し込んだ。
炎熱地獄の炎と轟音。
目を閉じて居ても尋常でない熱に身を焼かれていることくらい分かる。
寧ろそれしか理解出来ない。
まさかここで微妙な死に方するのか私。
そんな考えが過った時、炎が収縮して消え去った。
その場に膝をつく。
燃えたかと思った四肢は有る。
目の前で同じく膝をつく総隊長も、腕は炭にはなっていない。
これも、霊圧の高さ故に、とかいうものなのだろうか。
ただ……手の内の彼岸花は、卍解の帯の殆どが焼失したであろう事は確実だった。
本当に、都合が良いのかなんなのか……。
どのくらい残っただろう。
修復、出来るだろうか。
「あれだけの炎を、これだけの被害で抑え込んだのか。大したものだ」
爆炎で空いた穴の縁から、こちらへ藍染が下りてくる。
私は卍解を解いた彼岸花を、始解で脇に構えて待つ。
「山本元柳斎。君は、"殺すまい"などとは言うま……」
総隊長が藍染の足を掴む。
「彼岸花"龍爪火"!!」
「破道の七十三! 双蓮蒼火墜!!」
総隊長が一刀火葬を放つ場面は、腕が炭にならずに済んだ事で変化した。
藍染はやはり直撃は免れてしまった様だが、きっと原作通り一護が待ち構えているだろう。
「総隊長……立てますか?」
「……何故、来たのじゃ」
総隊長の腕を肩に回して身体を起こす。身長に反して私が潰れそうな程に重い。
「何故って、総隊長は頑固爺だからですよ」
総隊長に頑固爺なんて、冗談抜きに拳骨モノだろう。
火傷で引き攣る顔で、それでも私はヘラリと笑った。