破面篇
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敵の敵は
「久しぶりの御対面や、十三隊ン中に挨拶しときたい相手がおる奴、居てるか?」
そう聞いたら真っ先に
「居てへん!!」
と言うであろうと予想していたひよ里の主張がない。
不思議に思い自分の左隣に目をやると、ひよ里の姿がない。
予想との食い違いに続き、ひよ里の不在。
脳内に疑問符が浮かぶ。
「紫游! そないな羽織着て何してんねん!!」
紫游。
ひよ里のデカい声、ひよ里の発した名前に、すぐそちらに目をやった。
脳内がクエスチョンマークだらけっちゅう奴居てるか? そう問うならば、それは間違いなく俺。
現世で見てから数ヶ月。
あの日は無かった白い羽織が風にはためいている。
ひよ里の二度目の蹴りで吹っ飛んだ時、チラリと見えたその背の数字は"五"。即ち五番隊隊長である証。
どういう事や。
隊長に就くだけの力が無いとは思わん。
しゃーけど……。
「今は考えとる暇は、無いか」
早々に戻って来るひよ里と入れ違いに、総隊長の元へ向かう。
「恨みを、晴らしに来おったか」
総隊長の霊圧が、新たに現れた勢力に対し、測りかねる様に微風程度、僅かに揺れる。
「藍染になァ。アンタのことは別に、や」
結界やって、一番隊の副隊長見付けて入れたわけやし、正直どうでもええ。
「平子真子。今は、おぬし等を"味方"と考えて、良いのかの?」
調子良く"ハイ、今から味方ですゥ"ちゅうのも気色悪いし、改めて聞かれたらノーと言いたなるのは性分。
安易に"味方"と口にする総隊長に溜息が出る。
「そんなもん、決まってるやろォ? "あかん"わ」
俺の返答に対し、総隊長は鯉口を切るが、構わず背を向けた。
「俺らはアンタ等の味方ちゃう。俺らは藍染の敵、ほんでもって……"一護の味方"や」
尸魂界は藍染の敵。
一護も藍染の敵。
ほんで俺等は、藍染の敵で一護の味方。
ここまで言えば頭の固い総隊長さんでも分かるやろ。