過去篇
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「お早うさん」
目を開けて三秒で私は気絶した。
と言うのは嘘だが、電池切れのロボットの様に動けなくなってしまった。
もしくは"氷漬けになった"が正しいのだろうか。
一瞬、数分、数時間。
時間感覚さえ機能しないまま、頭はセルフ弾幕状態である。
平子真子平子隊長平子さん平子髪長い隊首羽織何でここに顔洗えてない寝癖涎はちょっと待って歯磨きそんなことより平子隊長がそんなことって卯ノ花さんはどこ金髪やっぱり綺麗可愛いかっこいい顔平たくない
「いたっ」
一気に言葉が流れ去る中、頭頂部に衝撃が走る。
痛みに我に返ると、気まずい様な引いてる様な複雑な表情をした平子さんが手刀を構えたままでこちらを見ていた。
「い、生きとるか……?」
「流石に手刀では死ねないと思います……」
「お、おう」
奇妙な会話だが、平子さんは安心したようだ。
スッといつもの気怠げな顔に戻る。
「急な話やけど君な、真央霊術院行きたかったりせんか?」
「へぁ……?」
本当の本当に急な問いかけ過ぎて変な声が出た。
真央霊術院。
死神、鬼道衆、隠密機動。護廷十三隊に所属する為に通う学校……だったと思う。
でも……。
「私、素質はあるんですか……?」
「あるから言うてんねや。なんや自分に霊力あるん気付いてなかったんかい」
平子さんは呆れた様に眉根を寄せて口角を下げた。
あ、よく見たことある顔だ!
顔に出さない様に気を付けながらやっぱり浮かれてしまう。
だって平子さんはずっと好きなキャラなのだ。
見惚れて返事をしなかったらまた手刀を構えられたので、慌てて気を落ち着ける。
「卒業したら、五番隊に入隊させて頂けるのなら、学校行きたいです!」
気を落ち着けた矢先に欲が出てしまう!
でもどうせなら平子さんのところが良い、その方が頑張れるもの。
平子さんは一瞬目を見開いて、今度は少し優しい顔をした。
嗚呼、"隊長"の顔だ、とぼんやり思う。
「ええで、ほしたら楽しみにして待ってるわ」
その後、平子さんは霊術院の話は自分が代わりに総隊長に伝えておくと言って去って行った。
帰り際に見えた羽織の"五"が何故だかやたら大きく見えて、出来ることならずっと、それを見ていたいと思った。