破面篇
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鬼道の天才
「桃ちゃん、やっぱり来たんだ……」
複製の空座町の結界内に、五番隊副隊長である雛森桃の霊圧が現れる。
やはり、五番隊は五席に任せて来て正解だった。
「藍染隊長の部下としてではありません」
「桃ちゃんは今は私の副官だもんね!」
迷わずシリアスな場面に割って入り、桃ちゃんの肩を抱く。
ええ、割って入ってやりますとも、肩だって抱きますとも!!
「犀峰隊長!?」
驚く桃ちゃんに、私は常の様に笑う。
私は表情は乱さない。
下らない冗談だって言う。
それが、平子隊長のやり方をなぞっているのは重々承知している。
けれど……、
そうする事でしか、安心させる方法を知らないのだ。
「破面さ〜ん! 副隊長二人と、隊長一人なら……御満足頂けるかな?」
私の揶揄う様な口調に、アパッチ、ミラ・ローズ、スンスンの表情があからさまに苛立つ。
「上等だ! テメェらなんかすぐ殺してやる!!」
何だかんだ全員キレやすかった筈。早くもっと怒れ。
「ほぇ〜。でもまぁ、君達三人じゃあ、副隊長二人で充分かもしれないね。……だって頭悪そうだし」
安い挑発。
でも、きっと乗ってくる。
「ミラ・ローズ、スンスン! 終わりにするぞ! こんな奴等さっさと倒して、ハリベル様のとこに行くんだよ!!」
一番短気なアパッチが、聞き覚えのある台詞を叫ぶ。
小さな介入をしても大筋は乱れない、その事を改めて認識した。
意見の合致したらしい三人は、ぴったり同じタイミングで揃って斬りかかって来る。
連携は、相手の息を乱すために少しずつずらして打ち込むのが定石だと思うが、冷静さを欠いた三人には最早それが無い。
飛んで火に入る夏の虫。
ま、夏じゃないんだけど。
「何だこれ!!」
斬りかかって来た三人は、桃ちゃんの長く張り巡らせた伏火にかかり、身動きを封じられた。
「姿を消したついでに、鬼道の網を張り巡らせて置いたんです。……まさか三人ともかかってくれるとは、思いませんでしたけど」
流石、鬼道の天才である。
取り敢えず、ここまでは大丈夫。
問題は、この後。
「弾け……"飛梅"」
桃ちゃんの解号と共に、円筒状の爆煙が天高く舞い上がった。