破面篇
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
守るべきは
複製の空座町に戦線を展開。
転界結柱の発動と共に、隊長格の揃った複製の空座町は現世の空座町と入れ替わる。
すると、それを待っていたかの様に
「どうやら……間に合った様じゃの」
「間に合った? 何を以ってその言葉を口にしている」
複製であることは知っている。
妨げるなら君達を殲滅し、尸魂界で王鍵を創れば良い。
"それだけのことだ"
揃った隊長格の存在など、妨げにならないのだと、そう言いたいのだろう。
実際誰も、藍染を殺すには至らないのだから否定は出来ない。
分かっている。
分かってはいても、長い年月を過ごした護廷隊を前にこの言葉を聞くと、心がざわりと波立つ。
「一生、紅茶でも飲んでろ……」
私の嫌いな台詞を思い出してつい悪態を吐きながら、藍染の呼び出しに応じたスターク、バラガン、ハリベルをちらりと確認して、彼岸花と天竺葵の柄尻を撫でた。
「さて、ゆるりと潰してゆこうかの」
山本総隊長の城郭炎上により発生した、半球体の炎により藍染達三名は動きを封じらた。
残る破面達はバラガンが指揮を執り、転界結柱を破壊にかかる。
「本物の空座町が戦場になっちまうじゃねーかよぉおお」
「大前田さん……すみません、五月蝿いです」
一人だけ事情を知らない大前田さんの叫び。思いの外、本当に声が大きくて頭が痛い。
「馬鹿者、そんな大事な場所に誰も配備せんわけがあると思うか。ちゃんと腕利き共を置いてあるわい」
総隊長の言う通り、四柱には一角さん、弓親さん、檜佐木くん、イヅルくんが配置されている。
柱は確か、まだ心配ない筈だ。
そう思っていた矢先に、柱の方から弓親さんの爆笑する声。
脳裏に、シャルロッテ・クールホーンの
うん、柱は大丈夫……だけど……。
敢えて言うなら、今この瞬間に大丈夫じゃないのは弓親さんの腹筋か。
死神と破面、双方共に転界結柱での戦闘を見届けるつもりらしく、ただじっと待っている。
こんな時に言うのもどうかと自分で思うが、
「暇……」
事の成り行きを知っている側からすれば、再放送のドラマを観ているようにハラハラ感は少ない。
弓親さんは勝ったし、イヅルくんも勝つし、檜佐木くんも……。
でも、一角さんは、やっぱり卍解使わないんだろうな。
使命と信条、どちらを守るべきか。
私なら前者だ。
しかし、一角さんと弓親さんはおそらく後者。
「オイ! 一角ンとこの柱が崩れたぞ!!」
射場さんの声に振り返ると、柱を中心に急速に戻り始める空座町。
狛村さんと、緊急用の杭を持った射場さんがすぐさま飛び出して行く。
一角さん、信条を優先して心配ばっかりかけてたら、射場さんの胃に穴が開くぞ……。
更木隊長の下にいるために。
十一番隊にいるために。
決して軽いわけではない。
己に誓った信条なのだろう。
けれどそれだって、
死んだらもう守れないのに。