破面篇
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昔と今とこれからと
終わりだ。
って言った割に先遣隊には付いて行かないのだけれど!
「先遣隊……行ってみたかったなぁ……」
書類を熟しながら溜息を吐く。
しかし、今付いて行くわけには行かない。毎度のことだが、五番隊はまだ放っておけないのだ。
せめて桃ちゃんの復帰……。
となると、必然的に藍染との戦いが終結してからになるのだけれど。
「ね、五席。現世行っちゃ駄目?」
「だ、め、で、す!」
思わず、フッと笑みが溢れる。
最近は五席が頻繁に顔を出して遣いをしてくれていて、以前程の寂しさはない。
やっと"私"として今の護廷に、五番隊に、馴染み始めた気がしている。
ぼんやりした虚ろな私でも、芝居の私でもなく、そのままの"私"として。
それは、百年振りの充実感を得た、と言えるのだと思う。
早めに仕事を切り上げた夕方。
隊舎庭の縁側で煙管を吹かす。
「あの日も、こんな空だった……」
私が虚討伐の後、サボってひよ里さんと苺大福を食べた帰り。丁度此処から。
やっぱり、寂しいんだな。私。
なんとなし
一度目の刻み煙草を吸い切り、もう一度詰めようと手を懐に入れて、止めた。
もう今は、気配を探っても廊下の角に平子隊長は居ない。
分かっていても、ふとした瞬間に面影を捜してしまうのは、五番隊舎にはどうやっても隊長の影があるからか。
「そういや……織姫ちゃんっていつこっち来るんだっけ……。次の次くらいの襲撃の後くらい……?」
懐かしい気持ちが膨らむのと同時に、考えなければならないことが次々と過って落ち着かない。
どうにも頭がごちゃごちゃしてきて、廊下に横になった。
「だぁ〜、もうこのままここで夕寝……」
「だ、め、で、す」
横になった私を真上から覗き込む五席が、御決まりの駄目出しをする。
「ふふふ。五席が居てくれて、良かったよ」
「……ゴマ擦ってもダメですからね。風邪引かれると困ります」
ぷいと顔を背ける五席に、少し穏やかな気持ちになった。