尸魂界篇
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無駄な足掻き
帯に包まれ、反射的に閉じた目を開ければ、そこは当然の如く双極の丘だ。
「御苦労、要」
東仙を労う言葉をかける藍染惣右介。
頰に飛んだ三席の血を拭くことも忘れ、悪びれもせず五番隊の羽織を靡かせる藍染を睨む。
「何故、連れて来たのか。という顔をしているね、犀峰さん」
「当然の疑問ですよ、藍染さん」
百五十年前から同じ呼び方をする藍染に、私は隊長という敬称を付けず応じる。
最早、確実に謀叛人である此奴に敬称は不要だ。
「これから、平子隊長の話をするところなんだ。君にも、聞く権利があると思ってね」
自分より弱い生き物を撫でて宥め賺すような腹の立つ声音。
椅子に座った姿勢のまま連れてこられた私は、やっと立ち上がった。
「どうも御親切に。しかし、私は既に知っているので結構です」
そして何でもないことのように言い切る。今にもその心臓を貫いてしまいたい気持ちを抑えて。
私の返答を聞いた藍染は眉を僅かに跳ね上げた。
「知っていた? いつから」
あー、ええ、もう返事は決まってますよ。
「"オマエが母ちゃんの子宮ン中おる時からや"」
一瞬驚いた藍染はすぐににやりと笑う。
「成る程、やはり君は面白い」
「私は面白くも何ともないですよ。うちの三席は、必要のない犠牲だった筈だ。何故、殺したんです?」
私は元々死ぬことが決まっている人は諦めた。
でも、死ぬ筈でない者くらい、守ろうと誓った。それを、東仙は容易く殺した。つまり藍染が"邪魔が有れば殺して構わない"と命令したのだ。
「ああ、要にそう命じたからだよ」
予想通りの答え。
分かりきっていた。けれど、私の心を乱すには充分な威力を持った肯定。
「ふ……ふふふ。守っても、呆気無く、予定にない死者が出る」
物語を守るために諦めても、それを簡単に覆されるなら。ならば逆も然り。私が今、藍染に刃向かっても上手く修正されてしまうのではないか。
「
感情に任せて飛び出す。
藍染は一護にやったように悠長に指で受け止める気だ。
「彼岸花"
藍染の指に当たる直前に、刃に霊圧を張る。
受け止めようとした藍染の手は、親指の付け根が裂ける。
そして、間髪入れず。
「
彼岸花が刃も柄も全て、双極の丘の中心を覆う程の無数の白い帯に変わる。
それが藍染を包む、
「射殺せ、"神鎗"」
そう見えた刹那。神鎗の刀身が私と藍染の間を切り裂く。
仰け反って躱したが腕が裂け、卍解の発動を止めて距離を取る。
「オイタしたらあかんよ、紫游ちゃん」
先回りしたギンちゃんに腹部を貫かれた。
ほら、多少抗おうが、"運命"は気紛れに私を排除する。