尸魂界篇
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不要な犠牲
双極の丘で死刑が執行される中、私は変わらず仕事をしていた。
百年前のサボリ達の御陰で身に付いた書類処理能力は遺憾無く発揮され、最早天職なのでは、と錯覚しつつある。
「あははは! 幾らでも来るが良い書類どもぉお!!」
「犀峰四席……そろそろ眠った方が……」
三席が、ハイな私に引き気味に休養を促す。
確かに、前回いつ寝たか覚えていない。流石に寝るべきだろうか。
「……では、御言葉に甘えて」
「良かったぁ、四席だけ三日も寝てないんですよ?」
それはマズい……。
ようやく自分の危うさに気付き、執務室の来客用長椅子に横になる。
「すみません。少しだけ……任せます……」
横になった途端に落ちる目蓋。
完全に意識を手放す前に三席が膝掛けを出してきて掛けてくれた。
何か良い夢を見た気がして、ぼんやり目蓋を上げた私は、鋭い霊圧が喉を突く感触でハッキリと目を覚ました。
「三席!! 逃げて!!!!」
身体を瞬時に起こし、執務机で作業する三席に叫ぶ。
「え、」
驚いてこちらを振り返る三席。
彼の口から次の言葉が出る前に、口から血が噴き出した。
「……あ……四席……にげ……」
三席の心臓と肺のあたりに深く刺さった斬魄刀が軽く薙ぐ様に引き抜かれ、反動で倒れる三席が、スローモーションの如く、ゆっくりと倒れ伏す。
その向こうで血払いをした斬魄刀を納めるのは、九番隊隊長東仙要。
「な、ぜ……」
「藍染様が御呼びだ、犀峰紫游」
淡々とした声が告げると同時に、東仙の持つ白い帯が、私達を包んだ。
五番隊第三席。
彼は現時点で確実に死ぬ必要のない、不要な犠牲だった。