尸魂界篇
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出戻りする謀叛人
「五番隊四席、犀峰紫游。此度の嫌疑についての申し開きは何とする」
通されてすぐに跪いた私は総隊長の表情が窺えない。
しかし、霊圧が重いので怒ってるだろうということはよく分かった。
「はい、先ずは要らぬ懸念を生んでしまったことについて、御詫び申し上げます」
すう、と息を吸う。
「今回、五番隊隊長の
総隊長が思案している気配がする。
私は深く頭を下げたまま、静かに待った。
「ふむ、ぬしの言いたいことはよう分かった。では、旅禍についての報告は儂が聞こう」
「承知。既に御存知の事も有るでしょうが、旅禍は五人と黒猫一匹。一人は身の丈程の大刀に橙色の頭の死神。他は、滅却師と思しき白服、大柄で右手に変わった鎧を持った男、見たことのない技を使う長い髪の少女、これまた妙な技を使う男、……あと、黒猫……です」
人相は大体把握されている範囲だ。今更隠す必要もない。
石田くん含む三人についてはもう捕まったかもしれないわけだし。
黒猫は……うん……。
当然、総隊長は先を促す。
「彼等の目的は朽木ルキアの奪還。処刑を阻止するために動いています。特に橙色の頭の死神は警戒するべきでしょう、霊圧が異様に高く、成長も恐るべきスピードです。ですが……目的は本当に朽木ルキア奪還だけのようで、あまり実りのある収穫とは言えません……」
「本当に見たままの状況ばかりじゃの……」
うぐっ。
……だって本当にそれだけなんだものー!
呆れ気味の総隊長に返す言葉もない。
それに、他のことについてはまだ言うわけにもいかない。
「それだけの報告で、何故帰って来た」
「隊長の死亡、隊長を誰より慕っていた雛森副隊長はきっと御辛いはず。しかし、それでは隊に混乱を招くことは必至……自隊を案ずる心は、帰って来る理由にはなりませんか……?」
長い沈黙。
衣擦れの音も、呼吸の音すら聞こえない。
ただ揺れない霊圧のみ、そこにある。
「……良かろう。犀峰紫游、今より五番隊四席として五番隊三席を補佐することを許す」
溜息を吐くように出た許可だったが、今の私には最高の言葉だ。
「……有難く、職務を全うさせて頂きます……!」
一護達はきっと大丈夫。
それにこの後は護廷に居たって多分サポートは出来る。
こうして私の都合の良い出戻りは何とか叶ったのだ。