尸魂界篇
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三度の飯より鍛錬
「なぁ、死神」
岩鷲くんが去った後、みんな明日に備えて寝るのかと思いきや。
黒崎一護が声をかけてきた。
「ああ、そうか。話をするって約束したし、名乗ってもないね、私」
もう岩鷲くんは居ないのだし良いだろう、と屋根から下りる。
「犀峰紫游です。紫游で良いよ。宜しく、黒崎一護くん」
「お、おう。ヨロシク、紫游」
握手を求めると少し戸惑って応じてくれた。
ちょっとジャリジャリする……。
「それでよ、なんでこっちに来たんだ? お前は死神なのに……」
「……楽しそうだから?」
夜一さんに問われた時と同じく、しれっと答えると、ルキアちゃんの絵を見る時のような表現し難い表情で見下ろされる。
この顔は正直面白い。
「色々あってね、今の護廷は……なんか息が詰まるんだ。勿論、大好きな人達も居るんだけど、」
「息抜けるとこがねぇと、やっぱキツイよな」
この笑顔ですよ、オバちゃん目が痛いわァ。ザ・主人公の笑み。
よっ、正に太陽! 夕陽が似合う男ナンバーワン!
「あ、急で悪いんだけどさ」
……ん?
「アンタ、強いか?」
うーん、十一番隊節発動。
そらアナタ、剣ちゃんにも気に入られますわ。
「うーん……弱くは、ない? かな?」
仮にも四席だし。
そして嫌な予感がヒシヒシとする流れだなぁ。
「そっか! 良かった、ちょっと付き合ってくれよ!」
言葉は要らないノープロブレム。
よく知ってる流れです。
これは愛の告白なんぞではなく……。
「はいはい、鍛錬ね」
「うっし、ほんじゃ、打ち合うだけね。ムキにならない、冷静に。おーけー?」
彼は多分、冷静さを欠くと途端に霊圧暴発させるんだろうから、念の為に言い聞かせておかねば。
御近所迷惑というか魂魄迷惑。
「分かった! ……構えねぇのか?」
「これは無行の位っていうの。御好きなタイミングでどーぞ」
一護はコクリと頷いて、すぐさま真正面から斬りかかってきた。
それを半身で左に躱し、鞘で肘を打ち上げる。
一護の右手が緩むが、即座に左手に持ち替えて横薙ぎに移行しようとして……。
しかし、その前に一護の右手をくぐって正面に回り、低い姿勢で突き上げた私の斬魄刀が、一護の頸動脈を捉えた。
「はい、御終い」
高身長の相手ばかりと戦って来たせいかまだ脇から下が甘いのかもしれない。
ちょっと狡い勝利だった。