尸魂界篇
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安堵する謀叛人
「で。おぬし、どうするつもりじゃ」
白道門が閉まり、みんなが織姫ちゃんによる兕丹坊の治療を見守る中、夜一さんが私の横に来て囁く。
「どうって……何も」
しれっと言ってのけると、夜一さんがくわっと目を見開いた。
「おぬし、考えもなしに来たのか! 最早、護廷十三隊の謀叛人じゃぞ! そうまでして味方に付く理由など有りはすまい!」
「いやぁ、なくはないんですよ。だって……多分、平子隊長なら、こうするから」
多分、というか確信だ。
遠くない未来で、平子隊長は"一護の味方"なら、私はあの人の信じる者を信じたい。
それ以外に理由などないのだ。
「平子か……、まだ、好きなのじゃな」
「……割と有名なんですか、ソレ」
ひよ里さんといい、浦原さんといい、挙句にギンちゃんも。
更にオマケとばかりに夜一さんまで御存知とは。
「よっぽど疎い者以外は気付いとるじゃろ。近しい者は特にな」
初耳です……。
穴が有ったら入りたい……。
湧き上がる羞恥に、思わず顔を覆ってしまう。
しかし、ふと気になることがあって、覆った指の隙間から夜一さんに問いかける。
「……平子隊長は、元気、ですか?」
原作通りに進んでいれば、生きているのは知っている。
でも、どうしても気になった。
「おぬしらは二人して同じことを聞くのじゃな」
夜一さんがボソリと呟いた内容は、治療が終わって眠り始めた兕丹坊のイビキで聞き取れなかった。
しゃがみこんで聞き直す。
「すみません、夜一さん。聞き取れませんでした」
「平子は元気じゃ、と言ったんじゃ!」
夜一さんの口からそう聞いて、なんだかやっと安心した。
「それなら、良かったです」
にっこり笑って言うと、夜一さんが鼻を鳴らしてそっぽを向いたのが非常に可愛らしくて、また笑った。
嗚呼、謀叛人と扱われても、こちらならきっと息が上手く出来る。