尸魂界篇
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陰ること無く
現世をぶらぶらして、夜中に尸魂界に帰って、書類を作成して、朝は愛染に頭を下げて。
何してんだろ。
と思いながら仕事をしている。
みんな一生懸命に生きてる中で、私はこの先を知っていて、だけど物語が変わるのを恐れて、或いは見落として、救わなかった人が、命が、確かにあって、それは"見捨てた"と限り無く同義。
物語を外れないなら、藍染の思うままに生きてるのと同じだ。
小さな箱の中から出ないように生きている私は、どれだけ物語に介入しようが、やっぱりモブなのである。
「ま、今更か……」
人生諦めが肝心、という言葉が頭を過ぎった。
……いや、ちょっと待て。
昨日、芝居するの忘れてね……?
うぉぉ……一縷の望みを信じろ私ぃ。
相手は無口な白哉さんに、天然入ってる恋次くんやぞ?
「落ち着け……私、あと数日なら、やり過ごせる……」
隣の机の方が、ブツブツ言う私を不審がっていらっしゃる。
視線は痛いがスルーだ。
要は藍染達にバレなきゃいいんだもの。
「うん、大丈夫大丈夫。……多分」
気を取り直して書類に向かい合う。
取り敢えず、私が今やるべきは書類の整理、作成、提出、だ。
「さっさと仕上げて鍛錬しよう、そうしよう」
現世の浦原さんと一護の様子も気になるけれど。
昨夜、雨の中。
尸魂界に帰る気分にもならずふらふらしているとこに、一護を抱えて帰る浦原さんが現れた。
「傘、持ちましょうか。浦原さん」
そうして何となく浦原商店まで一緒に帰り、手当を手伝い、人肌の温もりで一護を温める鉄裁さんを生温かく見守って。
障子の向こうで、一護の声を聞いた。
改めて、自分の意志で生きる人間の強さを見た気がした。
私とは多分真逆の人間。
浦原さんと一護の話が終わった後、一護とは顔を合わせずにそのまま帰った。
黒崎一護は、私には余りに眩しい。