尸魂界篇
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不器用
正直言って、彼岸花との戦闘は、やり辛い。
理由は、情とか、そういうものではない。
彼岸花と私は、打ち込みが全部"同じ"なのだ。全て鏡合わせのように同じタイミング、同じ角度、同じ力加減。押されることはないが、押すことも出来ない。
だから彼岸花と打ち合うと、毎度毎度いつまでも終わらないのだ。
「屈服とか絶対しないじゃないかぁあ」
「私が楽に屈服してやる義理は無い」
義理人情の話はしてねぇえ。
半ばヤケである。
もうどれくらい打ち合ったか分からない。
怪我はしてないがさせれてもおらず、体力を消費する分、最早私が不利だ。
「一か、八か……」
荒い息を吐きながら呟く。
思い切り、吐いて、吸って。
目を閉じて霊圧の流れを感じる。
今更思い出したが、彼岸花は以前に"霊圧を練り合わせる"とか言っていた。
なら、正解は多分、ぶつけず、絡め取る。
イメージ内の私の霊圧が、彼岸花の霊圧に巻き付く。
彼岸花の霊圧も真似するように私の霊圧に巻き付いて、一つの帯になっていく。
彼岸花の霊圧の抵抗が、止んだ。
「……はっ……出来、た……」
「気付くのが遅過ぎだ……」
眉間の皺を緩めた彼岸花が、斬魄刀に戻っていく。
それを見て安堵して、集中が切れた途端に私の意識はなくなった。
「帰りましたよ〜、紫游サ〜ン」
帰宅した浦原が勉強部屋に下りると、砂の上で呑気に寝息を立てる紫游。
「まーた、頑張っちゃったみたいッスね」
要領が良くないばっかりに、大抵余計な体力を使うのは変わってない様で。
「仕方ない。もう少し、寝かせてあげますか」
寝ている紫游はそのままにして浦原は勉強部屋を出た。