尸魂界篇
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喋る猫
「現世の空座町を中心に虚の大量発生が確認されてね。隠密機動が向かうそうなんだが、出来れば犀峰さんにも行ってもらいたいんだ」
急に藍染惣右介に呼び出されたかと思えば、石田君事件である。
どうやって現世に行こうか考えあぐねていたので、渡りに船とは正にこのこと。
何か藍染に裏があるかもしれないのは、今は考えないようにしよう。
「仰げ、天竺葵」
最上段に構えた天竺葵は、名を呼ぶことで
纏めて倒すには彼岸花より天竺葵の方が使い勝手が良い。
「しっかし……斬っても斬っても、次が出る……」
浦原商店にはいつ行けるのやら。
「にゃぁお」
ん? 猫……。
鳴き声の方へ視線を移すと、塀に黒猫が座っている。こちらを見たまま目を逸らさない。
「よ、夜一さん……?」
黒猫に近寄って小声で声をかけた。
「久しいの」
その声に、ぶわっと全身の血流が良くなる感覚。
この百年一の感動かも知れない!!
喋る! にゃんこ!
夜一さんをもふりたい衝動をぐっと堪えて、当初の目的を思い出す。
「あの、夜一さん。突然ですが、私、虚化してます」
虚化、と言ったところで夜一さんの瞳孔が僅かに開いた。
「虚化という言葉をどこで知ったか知らんが……他の者に知られてはおるまいな?」
「虚化という現象についてなら藍染惣右介を含めた件の三名以外は。私の虚化のことならば、この三名も確証は得ていないかと……」
私の返答に夜一さんは一つ頷いて背を向ける。
「よし、付いて来い」
新たに湧いた虚を倒しつつ、小さな黒猫の背中を追いかけた。