尸魂界篇
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報せ
「よォ、喜助。何や用て」
ついさっき喜助から連絡が来て、俺は喜助の店、浦原商店へやって来た。
「あ、平子サン。どーもすみません、急に御呼び立てして」
扇子をパッと開いてヘラっと笑う喜助に、座布団を勧められ、取り敢えず腰を下ろす。
「ほんで?」
「つい先日、現世任務に就いていた死神が、以前御話しした黒崎サンって方の息子さんに霊圧譲渡したとこに遭遇したんスよ」
「あの妙な虚にやられた滅却師んとこの子どもか」
二十年程前に、藍染の仕業であろう虚に攻撃された滅却師を救うために、志波家の出の死神に手を貸したと言っていた。その死神が、今は黒崎という姓を名乗っているらしい。
一応は人間とはいえ、死神の子どもに死神が霊圧譲渡か。
「現世任務の死神、朽木サンっていう方なんスけど。その方に"あの義骸"を御渡しました」
"あの義骸"とは本来の義骸の用途とは逆の作用、つまり霊子を分解する義骸。
喜助がその義骸を渡す行為、それが意味するところは一つ。
「ちゅーことはその"朽木さん"に崩玉隠したんか」
「ええ。ただ……霊圧譲渡された黒崎サンの方が問題で、斬魄刀は目立つわ、霊圧駄々漏れだわで。隠し通すのは難しいかも知れません」
あの馬鹿デカい霊圧は"黒崎サン"のもんか。
確かにアレは駄々漏れや。制御の仕方もよう知らんのやろうけど。アレを隠さんのはええこととは言えん。
そう思い、顔を顰める。
「ま、今日の用は現状報告っちゅうことやな」
用は済んだ、と俺は立ち上がって帰ろうとした。
「夜一サンが、」
途端に聞こえた少し張った喜助の声に、ピタリと止まる。
「紫游サンはボンヤリとしたままだが元気だった、と」
「……ほォか」
それだけ呟いて帽子を被りなおし、今度こそ俺は浦原商店を後にした。