尸魂界篇
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難儀
「わらび餅〜食べたい〜」
うん、痒い。
非番に乱ちゃんとぶらぶらしてる訳だが、ぼんやりしていた間の自分を再現しようとすると、どうにも難しい。あまり意識し過ぎると演技過剰になってしまうため、匙加減に気を遣う。
「ほんとに紫游さんはわらび餅好きですね〜」
今だって本心を言えば苺大福が食べたい。
とはいえ、ぼんやりしていた間の自分はどうやらわらび餅を好んでいたらしく、別の品物も言いづらいのだ。
「うん、美味しいから」
にこにこしながら言うと乱ちゃんが笑い返してくれる。
幸せだ。
幸せ……だけど、表情筋が……死ぬ……。
だがしかし。
四席たる者これぐらい出来なくてどうします。
某黒い執事さんの台詞で自分を鼓舞しつつ、わらび餅を食べる。
「お、犀峰じゃねえか!」
うーん、背後からつい最近聞いたばかりの声が。
その声に振り返るとやはり、斑目一角と綾瀬川弓親の両名が店の外から手を振っていた。
いや、フレンドリーかっ!!
ぼんやりしていた反動で心のツッコミが大盤振舞いになるのを自覚しながら、にっこりと手を振り返す。
「犀峰、今日非番か」
「そうですよ〜」
昨日の今日で急にどうしたんだろうか。
表情を見る限りではとても友好的に話しかけられている気がするけれど。
「この後、暇なら鍛錬付き合わねえか」
あー……。
私は瞬時に、昨日の骨折事件でこの人の殺し合いターゲットにされてしまったことを察した。
ぼんやりした振りしながら鍛錬とか骨が折れるんだからな〜。
とか、ブラックジョークを飛ばしてる場合ではない。
今日からまた面倒事が増えるのである。
でも、鍛錬自体は嬉しいので内心複雑なのだった。