尸魂界篇
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八ツ当り
"ドンッ"
一角との昼食の帰りに、小さな女の子が一角にぶつかった。
「オイ」
彼女は謝るでもなく、ふらふらと何もなかったかの様に歩いていく。
その様子に苛立った一角は、彼女の肩を掴んで無理矢理引き止めた。
「ぶつかっておいて謝りもしねえのかよ!!」
「え……?」
女の子は目をぱちぱちとさせながら、何のことだろう、と首を傾げてみせる。
「ねぇ、君。確か五番隊の四席だよね。人にぶつかっておいて謝らないのは美しくないよ」
僕が"四席"と言った瞬間、一角は一層苛立ちを露わにした。
「四席だと? オマエみてえなボサッとした奴が四席とか何かの間違いだろ」
「いえ、確かに、私は五番隊四席の犀峰紫游です」
女の子、基、犀峰さんは静かに名乗る。
しかし、四席であると知っていた僕でさえ、こんな子が四席だなんて信じられない。
「……俺と手合わせしろ。俺に勝てば認めてやるよ」
「一角、それは無茶なんじゃない? 君は三席なんだし」
三席と四席でやり合っても、始めから勝負にならないのではないか。
僕の気遣いを他所に犀峰さんは、子どもの様にコクリと頷いた。
あーあ、僕もう知らない。
犀峰さんを連れて十一番隊に戻ると、何事か察した隊士が修練場に集まり始めた。
一角は犀峰さんと中央に立ち、木刀を彼女に投げる。
「ホラ、構えろよ」
両者共構えず。
「構えねえなら、こっちから行くぜ!」
痺れを切らした一角が先に動いた。
「ッラァ!」
間を置かず打ち込む一角相手に、犀峰さんは表情一つ変えずに受け続ける。
「守ってばっかかよ!」
「あ、」
受けた犀峰さんの木刀を力で押し切り、隙の出来た彼女の肩に、一角が木刀を振り下ろした。同時に鈍い音。
言わんこっちゃない、折れちゃった。
そう呆れたのも束の間。
急激に犀峰さんの霊圧が上がり、視界から消える。
消えたと認識した時には既に一角の木刀の上に居て。
瞬歩の勢いのまま、左手に持ち替えた木刀の