尸魂界篇
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あの日から百年経った。
この言葉の意味は理解していても、実感というものがない。
私にはあの日も今日も変わらないのだ。きっと明日も明後日も。
頭の
身体の何処かが空っぽだ。
そんな私を置いて、皆んな歩いて行ってしまう。
ギンちゃんは白い羽織に袖を通し。
乱ちゃんは腕章を付けた。
新しい人も増えて、もう知っている筈なのに周りにあるのは知らない世界。
私は変わらず四席で、この身体に何が足りないのかも分からない。
正直に言えば、自分が誰なのかさえ分からなくなる時がある。
記憶が無いわけではないのだけれど知識としての様なもので。何かが足りないと言う意識だけあって。
当然、いつも頭の中は疑問だらけで、考えるのも疲れてしまうから考えることも止めた。
分からないばかりで言葉も上手く紡げないのだから考えても徒労なのだ。
ほら、もう分からなくなってきた。
「ねぇ、彼岸花。これは何だろう」
彼岸花は黙ったままこちらを向く。
「ずっと、水の中から世界を見ているみたいだ」
彼岸花はやはり、ただ黙って眉を下げるだけ。
暫くして、やっと彼岸花が口を開いて
「息をしないと、死んでしまうぞ」
と言った。
私の中で何かが、窮屈そうに
頭の靄が晴れ始めてから感じるのは微かな苛立ち。
それを殺すかの様に、今日も私は笑う。