過去篇
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足音が響かない
あの日から私の頭はどこかぼんやりしている。
気付いたら乱菊は入隊していて、凄いおっぱいだなぁとか思って。
月日が早馬の様に駆けて行く中、
染み付いた書類処理は考えずとも熟せた。
習慣化した物はぼんやりしてようが問題ない様だ。
淡々と、しかし着々と、その日は迫っているのだろう。
けれど、何の焦りも感じない。
所在の知れない違和感も薄れてきた。
起きて、御飯を食べて、仕事をして、御飯を食べて、仕事をして、鍛錬をして、御飯を食べて、風呂に入り、寝て、また起きて。
日々の繰り返しのみ、続いて行く。
あの日から不思議と知り合いに会うことはない。
ほら、やっぱりモブだ。
良かった、何も考えなくて良い。
「もう、月が見えないな」
と彼岸花が言った。
「月なんて無いよ?」
変なことを言う。
だって、この世界には始めから月なんて無いのに。
「……もう、大人気ないことは止そう」
「私を揶揄ったんだね」
私がそう言うと、あの不機嫌が歩いている様な彼岸花が眉を下げて微笑った様に見えた。
嗚呼、君も笑えたのか。
「すまないな」
あっという間に季節は巡る。
おそらく"その日"。
月がやけに明るいと思った。
私は自室の窓辺で煙管を吹かしながら、遠くから響く平子隊長の嘆きの様な霊圧の